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2018.10.20
レスリング

[レスリング]全日本グレコで奮闘見せた! 中村、磯部、太田が入賞果たす

全日本大学グレコローマンスタイル選手権

10月18(木)〜19(金)日 駒沢屋内球技場

1日目

グレコローマンスタイル

60㌔級 菅原(社3=秋田商業) 初戦敗退

→敗者復活戦へ

63㌔級 磯部(社3=中津商業)準々決勝敗退

→敗者復活戦へ

67㌔級 太田 (社2=埼玉栄)2回戦敗退

→敗者復活戦へ

72㌔級 小柳(ラ1=玉名工) 初戦敗退

77㌔級 永石(社2=島原)初戦敗退

87㌔級 芝元(法3=宮崎農)初戦敗退

97㌔級 中村(ラ4=宮崎農)準決勝敗退

→敗者復活戦へ

130㌔級 若林(済2=市立太田)初戦敗退


2日目

グレコローマンスタイル

60㌔級 菅原 敗者復活2回戦敗退

63㌔級 磯部 5位

67㌔級 太田 敗者復活2回戦敗退

97㌔級 中村 3位


力強い試合を展開した中村

磯部は新副主将としてチームを背負って出場した


強敵を撃破した太田


  全日本大学グレコローマンスタイル選手権(以下、全日本)が2日間に渡って開催された。東洋大からは8名の選手が出場。中でも中村が堂々の3位入賞、磯部が5位入賞、さらに太田が7位入賞を飾るなど、健闘を見せた。また昨年は0だったチーム得点も今年は11.5点を獲得し、選手たちの成長を伺わせる結果となった。



  「グレコの倒し方がうまい」。そう船津コーチが語る中村は、初戦を3ー1で勝ち抜くと、準決勝では投げ技を2回仕掛け4点を先取。その後は拮抗(きっこう)した戦いが続いたが、見事得点を守り抜き勝利を収めた。決勝進出がかかった準決勝では、前半から相手に場外やバッグ、さらにローリングで得点を重ねられてしまい0ー5に。後半で巻き返しを図りたかったものの「準決勝で勝とうという気持ちがもっと足りなかった」と本人も語るように、なかなか技が決まらず惜敗。悔しさの残る準決勝となった。続く敗者復活戦では、執行(福岡大)と対戦。「全部出し切ろう」。強く心に決め、試合に挑んだ。何としてでも3位入賞を勝ち取りたい中村は、序盤から積極的に攻めていく。すると開始30秒、中村が華麗な投げ技を披露し一気に4点を追加。そのまま相手に1点も与えない強さを見せ、見事3位入賞を果たした。


  グレコローマンを専門とする磯部は初戦を5ー3で突破し、準々決勝へと駒を進めた。そこで強敵である山田(日体大)と激突。試合開始直後から相手のペースに飲み込まれると、ローリングにより大量失点。0ー8のテクニカルフォール負けを喫してしまった。しかし、山田が準決勝で決勝進出を決めたため、磯部は敗者復活戦への切符を手にする展開に。迎えた敗者復活戦初戦。磯部は前半からコレクトボールドなどで3点を追加。流れが磯部に傾いたとき、必殺技が繰り出された。「得意技の組み投げ、名付けて磯部スペシャル」。本人が得意とする投げ技で一気に4点を獲得。その後も2点を追加し、9ー0で圧勝した。次戦は技が決まらず、フォール負けしてしまうも「自分の方が試合スタイルよかった」と手応えを感じる試合に。磯部は5位入賞という結果で全日本を終えた。


 本来はフリースタイルを得意とする太田の初戦の相手は藤島(拓大)。藤島について「昨年負けているので、勝てると思ってなかった」と話す。しかし試合開始20秒、華麗な投げ技で4点を先制したのは太田。その後1点を返されるも、もう一度投げ技が決まり8-1とリードのまま前半を折り返す。しかし後半徐々に差をつめられ、2分を残し8-8の同点となった。この状況で有利なのは、相手よりもビックポイントを獲得している太田。得点を果敢に狙いにくるを最後までかわし試合終了。見事勝利を収めた。接戦の勝利には太田自身も「いい試合ができた」と振り返った。2回戦は惜敗となったが、敗者復活戦へとまわり7位入賞を果たした。


 3名の入賞者が出た今大会。選手たちの健闘はチームに勢いをもたらしたはずだ。ここで得た収穫や課題を胸に、選手たちはさらなるレベルアップを目指していく。


■コメント

・船津コーチ

ウチはグレコ専門にやっているのが少ないというか磯部くらいしかいないので、まあフリースタイルの延長線上でやっていたがやっぱりそういう意味で言ったらちょっと不利だったかなというのはある。ただレスリングだからね、やり方もある。まあ全員が昨日の試合からもう力を出し切った、それなりに東洋の代表として各階級に出てそれなりの力を出し切る試合だったと思う。決して力を抜いて負けたとかスタミナ切れで負けたとかではなくて、はっきり技なら技でウチとしては出し切った。あまりフリーのときみたいななんでだよ、というのはグレコだと無いので悔しさは無い。今日の試合はやっぱり太田が惜しかったと思う。太田は普通65の選手が67に出ているのでこの2キロはものすごく大きい、それで敗者復活戦で結果的に7位だったがもう一つ勝てれば3位以内に入れたかなと。彼はフリースタイルもグレコもできるしすごい素質を持っているので、頑張ってほしい。まだ2年生だしね。中村はやっぱり4年生として責任を果たしたと。昨日九州共立とやって本人も決勝まで行くつもりでやっていて相当悔しがっていたけども、やっぱりうまいなと。グレコの倒し方がね。でも今日きっちり敗者復活戦、3位決定戦でああいう差のある内容の試合をしてくれたので本人も満足していると思う。4年生はみんな今インカレが終わってからは就職とか卒業に向けてやっているが、彼はライフデザインで朝霞なのに授業が終わってから来て練習をちゃんとやっていた。最後の12月の全日本までやると言っているから、来月の大学選手権も12月の全日本も期待できると思う。磯部が惜しかったね。彼はあそこで勝負をかけて投げにいったところを返されたというね、向こうはカウンターを待っていたような感じだったが。本当にまじめに練習するし頑張り屋なんだが、やっぱり勝負なので。今回も63まで落としてあれだけの動きができたというのは、本当に良かったと思う。後輩連中もそういうのを見ているから、努力すれば必ず結果を出せるようになるぞというね。もう一歩だったね、今回3位をとらせてやりたかったね。彼が3位に入ってくれたら、やっぱり後輩連中も練習しなきゃというようになる。本当に悔しいね、その試合くらいだな悔しかったのは。でもやっぱりああいう体勢でフォールで負けたのでしょうがない、大差で負けたんだろう。グレコというのはそんなに差がなければどっちかが勝負をかけて投げがかかるかかからないか、そういうところ。そういう意味では面白かったのかも、彼も3年生だからあと1回チャンスがある。あと11月の末の東日本のグレコがあるので、それを狙ってもらいたい。それに優勝すれば全日本に出る資格ができるので、それを頑張ってもらえればと思う。

・中村(ラ4=宮崎工)

3位に入ってうれしいというのはあるが、やっぱり昨日の準決勝がすごく自分の中では悔やむところがあって今回調子がすごくよくてすごいチャンスだなというふうに思って挑んだが、準決勝で勝とうという気持ちがもっと足りなかったのかなと悔やむところもある。(昨日からの切り替えは)とりあえずその日は正直切り替えられなかった、悔やんで今回の試合は準決勝で負けても3位が確定ではないのでどうしようとなったが、周りからもここはもう獲りましょうとか頑張りましょうとかいうような声をもらって、自分の場合は1回だけだったのでそこで全部出し切ろうと思って、そういう感じで切り替えた。(今後に向けて)今回勝ったりできたところは自分のパターンというか自分のつくりたいところがつくれたので、次はもっと挑戦する感じのもっととりにいくレスリングがしたいなというふうに思ってて。次はフリーなので自分が普段あまりやってないことというのがあって、逆に保守的にというよりはもっと挑戦していけるようなレスリングをして勝っていきたいと思っている。そしてそれを最後の天皇杯で生かしていきたいと思う。

・磯部(社3=中津商業)

(初戦は)3対3で負けている中、場外側での攻防になった時自分を信じて諦めなかったのが勝因。(敗者復活戦では)自分のやってきた得意技の組み投げ、名付けて磯部スペシャルがかかったのが一番大きい。得意技がかかると気持ちいいし、テンションも上がる。(敗者復活2回戦では)最初に一本背負いをかけられてしまったのがいたかった。でも結果だけ見たら試合には負けてしまったが、勝負には勝った。自分の方が試合スタイルよかった。新しいチーム体制になって、副キャプテンをやらせてもらってる。みんなを引っ張っていかないといけない位置だから、自分が頑張らなければ、誰が頑張るんだと自分に言い聞かせてた。今回はチームを背負って戦えた。

・太田(社2=埼玉栄)

(1日目の初戦は)いい試合ができた。去年負けてる人で勝てると思ってなかった。でも一発目に投げがきれいに決まって、そこから勢いが付いて勝てた。(敗者復活戦は)そんなに強い相手ではなかったから、速攻で決着できると思っていたが時間がかかってしまった。2試合は今までないくらいの試合の間が短くて疲労がすごかった。前日の疲れも全然取れてなくて、動けなかった。最後の試合は自分のモチベーションが足らなかった。


TEXT=小野由佳莉 PHOTO=梅山織愛、稲村真織