Article

記事


2018.11.04
柔道

[柔道]阿部初戦辛勝も三回戦敗退 柔道人生に一区切り

平成30年度講道館杯全日本柔道体重別選手権大会

11月3日(土)千葉ポートアリーナ


[出場選手結果]

60㌔級 阿部(営4=作陽) 3回戦敗退(ベスト16)



延長戦の激闘を制した

鮮やかに技が決まった

仲間の声援にガッツポーズで応える阿部


   11月3日、4日の2日にわたり千葉ポートアリーナで講道館杯全日本柔道体重別選手権大会が行われた。東洋大からは60㌔級に出場した阿部(営4=作陽)が三回戦で敗退するも健闘を見せた。


    阿部は二回戦から登場。初戦は双方決め手を欠き、延長にもつれ込む激戦となった。「体力的にきつかった」と振り返るも、後半は自身のペースに持ち込み、見事払釣り込み足で一本勝ちを収めた。これには会心のガッツポーズ。「仲間の大声援から自然と出た」と笑みを浮かべた。

    三回戦の相手は格上の社会人選手。「過去に何度か一本を取られている相手。苦手意識もあっただろう」と西山監督。相手の素早い攻めに合い、開始早々一本負けを喫した。

    試合後、柔道人生を振り返った。「1、2年の頃はすぐに負けていた」と語るように試練も多かった。しかし弱くても努力すればここまで来れると後輩たちに背中で見せた。

    これで長く続けた柔道は一区切り。新たなステージへの希望を胸に、会場を後にした。


■コメント

・西山監督

一回戦から試合の対戦相手の組み合わせは悪かったが国士舘大の選手に対しすばらしい戦いをしていた。出足は悪かったが、後半から阿部のペースでやれていた。最後は払吊り込み足で一本を決めることができたことは(国士舘大を相手に)大健闘だったと思う。二回戦は過去二度一本負けしていて、阿部選手と組手が反対の選手だったため苦手意識もあったと思う。自分のペースに持ち込む前に終わってしまった。(阿部選手の持ち味は)高校時代は一本を取れる技があまりなかったため、接戦で勝つというプレースタイルだったが、最近は袖釣り込みなどの技が完成してきた。それが今日の一回戦にもつながっていたと思う。派手な勝負をする選手ではなかったがこつこつ頑張って大学の後半にかけて力を発揮して大きく成長した。


・阿部(営4=作陽)

1試合目は延長戦になって、体力的にとてもきつかった。妥協しかけたけど、観客席のチームメイトが大きな声で応援してくれているのが聞こえて踏ん張れた。あそこで技が出せて一本取れたのはみんなのおかげ。ガッツポーズもそういう気持ちが出た。会心だった。2試合目は相手のスピードを殺せなかったのが一番の敗因。先手を取られてしまった。こちらが先に捕まえて疲れさせてという狙い通りにはいかなかった。相手が一枚上手。この大会は全国から強い人が集まっていて、自分が一番弱い、挑戦者だと思って戦った。4年間を振り返ると、1、2年生の時はすぐに負けていて、みんなからも4年間それで終わるんじゃないかと言われていた。最後、この大会に出場できて、弱くても努力すればここまで来れるんだということを、後輩たちに背中で見せられたのかなと思う。悔いはないと言ったら嘘になるが、ある程度満足している。この大会で小学1年生から続けてきた柔道は一区切り。この経験を柔道以外に生かしたい。


TEXT=齋藤胤人 PHOTO=齋藤胤人、齋藤洋