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2019.07.02
剣道

[剣道]住友が東洋大初の快挙! 団体戦でさらなる高みへ

第53回全日本女子学生剣道選手権大会

6月29日(土)大阪府立体育館


4回戦敗退

住友  ※ベスト16


第67回全日本学生剣道大会

6月30日(土)大阪府立体育館


2回戦敗退

真野


強気の剣道で住友は東洋大初の快挙を果たした

真野は強敵相手に激戦を繰り広げた


 29日に第53回全日本女子学生剣道選手権大会(以下、女子全日本)、30日に第67回全日本学生剣道大会(以下、男子全日本)が大阪府立体育館で開催。東洋大からは女子に住友(ラ4=磐田西)、男子に真野(法2=九州学院)が出場し、住友が創部以来初となるベスト16に輝いた。

 「常に強気で」と試合に臨んだ住友は、初戦を落ち着いた攻めで突破。2回戦では中四国大会優勝の選手にも果敢な攻めで勝利し、3回戦へと駒を進めた。

 3回戦の相手は強豪・明大の丸岡。住友は試合開始直後から強気で勝負に挑み、攻撃を繰り出していく。しかし、相手も激しい攻めで応戦。拮抗(きっこう)した試合展開になった。相手の攻撃をしっかりと凌ぎ、負けじと打ち込んでいく住友。だが、時間内には勝負がつかず、延長戦へともつれこむ。そして延長戦開始直後、攻撃を仕掛けた住友は、相手の一瞬の隙を見逃さずに面を放ち、見事勝利。創部以来初となるベスト16にくい込んだ。

 「チャレンジ精神で挑めた」と振り返った住友。団体戦を見据え、「去年、女子は団体で関東ベスト8だったので今年はそれ以上を目指す」と昨年を超える成績を誓った。

 真野は初戦から白熱した試合を繰り広げた。序盤は力を出し切れず、同時に打った面も相手に旗が上がり先制を許してしまう。しかし、すぐに立て直し必死に一本を狙った。そして、相手の攻撃を引き出し、小手を奪い返すとそのまま粘りを見せ延長戦にもつれ込ませた。延長戦は両者とも一歩も引かず激しい攻防戦に。だが、真野は思い切りのいい打ちで勝利。2回戦に進出した。

 2回戦でも強敵相手に果敢に攻めた真野だったが、試合終了間際に引き面を奪われてしまう。そして、そのまま試合終了。真野は「悔しい」と振り返ったが、「自分から攻めていける剣道ができた」と前を向いた。

 「いいチームですので必ず上を目指して頑張りたい」(板原監督)。創部以来初の女子全日本ベスト16という快挙を成し遂げた東洋大。持ち前のチーム力を武器に団体戦ではどんな歴史を築くのか。躍進を続ける東洋大剣士たちに期待がかかる。

■コメント

・板原監督

(住友の試合を振り返って)関東の予選の時から、実力はあります。そこは勝負の世界なので、しっかり反省して今回に臨みました。一回戦はちょっと緊張はしていたが、徐々に本来の姿に戻っていって、いい所も出てきましたのでいい試合内容だったと思います。(特に良かったと感じる試合は)3回戦。よく自分で鍔迫り合いからうまく相手を探して、そのあとしっかり打てた。すごく良かったと思います。(試合前にどんな声をかけたか)常に強い心を持って積極的に行くようにと声をかけました。ベスト16は創部以来初めて。(ベスト16の要因は)普段の稽古の賜物だと思います。(この結果を踏まえて住友にどんな話をするか)これを機に自信を持ってもらって今度の団体戦にですね繋げていってもらえればと思いますので。また、静岡県からの代表で都道府県にも出ますのでそこでも頑張っていければと思います。(真野の試合を振り返って)1回戦も、緊張している分ちょっと遅れたりしていたが、1本目も真野の面だったと思う。いいところが出たと思います。(2回戦は)向こうも一流選手ですけど、それに劣らず常に攻撃を仕掛けて惜しいところも数本ありましたので内容的には問題ないと思います。(成長を感じたのは)去年からですね。団体戦でメンバーにも加わっていまして、この一年ですごく成長した1人でありますので期待しています。(試合前にかけた言葉は)普段通りに一本に集中していけということだけですね。(次は男女ともに団体戦。雰囲気は)今はチームも、チームワークがいいのでまずは全日本に出場して上位を狙えるように頑張りたいと思います。(チームのいいところは)一番はチームワークですね。それに尽きます。そのチームワークで一戦一戦頑張っていきたいと思います。(団体戦への意気込みは)いいチームですので必ず上を目指して頑張りたいと思います。


・住友(ラ4=磐田西)

(今日の試合を振り返って)正直、3回戦出場が目標だった。インカレ優勝とかそういう大きい目標を立てるよりは、目標を達成できるレベルの目標を立てて、そこに行けば行くほど自分が貪欲になっていけると思ったのでベスト16という結果はその目標達成に向けてできた結果だと思っています。積み重ねですね。1試合1試合の後の気持ちの切り替えとか、次の試合への切り替えとかが良かったと思います。(どんな気持ちでこの試合に臨んだか)最後だからというのはあまり考えなかった。逆に最後だから思い切ってやっちゃえばいいと開き直れたので、変なプレッシャーなどは感じずに思い切ってできたと思います。(試合前に監督からどんな言葉をかけられたか)見てくれている中で自分がいい時のポイントを言ってくれた。そこを意識した上で試合に臨むことで自信もついたし、監督が側で見てくれているという心強さも感じました。(今日の試合で印象に残っている試合は)明治の丸岡さんとの試合。結構有名な選手なのでチャレンジ精神で行ったんですけど、その方が自分的には動けた。自分が取ったところも、打とうと思って打ったというよりは、体が勝手に動いたという感じだったので、取った試合はすごく印象深いです。(強気に責めているように感じた)自分のいいところはやっぱりそこかなと思っていて、ちょっとでも弱気になると負けちゃうという経験が多いので常に強気でという気持ちで挑んでいきました。(良かったところは)強気でいけたことと、チャレンジ精神で挑めたこと。変に考えすぎたりしないでできた。(課題は)個人戦というのもあったんですけど、つなぎ技。一本打ってそのまま終わりになってしまった。引き技ももう少し磨いていかないといけないという課題も見つかったので、これは団体に向けて自分の中で変えていかないといけないと感じました。(次は団体戦。チームの雰囲気は)各自、自分で追い込んでいる姿が見られるので、そこはすごく嬉しい。キャプテンとして何か言っているかといったら、言っていないので各自追い込んでくれて、体も作って。あとは自分がこういう場で経験したこととかを発信していけたらもっといい雰囲気になると思います。(団体戦へ向けて)去年、女子は関東8だったのでそれ以上を目指す。最低条件としてはインカレ出場。インカレでは2回戦負けだったのでそれ以上の結果が残せるように頑張っていきます。


・真野(法2=九州学院)

(今日の試合を振り返って)1試合目はあまり体も動いてなかったけど、後半から動けるようになって取り返せて良かったです。2試合目は負けてしまい悔しい。(どんな気持ちで臨んだか)どっちも自分より強い人だったから挑む気持ちで向かっていった。(印象に残っている試合は)どっちも自分にとってできることが奇跡みたいな勝負だったのでどっちがとは言い切れないですね。取れた技は印象に残っています。(監督からかけられた言葉)自信持っていけといってもらいました。(良かったところ)2試合目の中大・丸山さんとやったとき自分からせめていける剣道ができたこと。それは良かったと思います。(課題は)鍔迫り合いの後の引き技が苦手なので、そこを打たれたのと自分が打っていけるようになるというのが課題です。(2試合目は惜しいところもあった)思ったよりも攻めが良くて、自分的にもいけるって思って打ちました。(1試合目、取り返したのは)相手が面にとんでくるのがわかったから出小手で合わせました。(取れたときは)気持ちよかった。(次は団体戦。チームの雰囲気は)今回、自分しか全日本に出られなかった。そういう悔しさも持ちながらみんな切磋琢磨しているのでとてもいい雰囲気です。(全日本に向けて意気込みは)みんなで頑張る。(チームスローガンはあるか)チームスローガンは「山々雲」ですかね。雲がかかっている山は一番高い山がわからない。それが一番高い山だと思って登っていって登りきった雲の先にはさらに高い山がある。上には上がいるという気持ちでさらに上を目指すという意味。


TEXT/PHOTO=加藤勇大