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2019.11.12
剣道

[剣道]果敢に攻撃を仕掛けるも近大に一歩及ばず2回戦敗退

第38回全日本女子学生剣道優勝大会

11月10日(日) 春日井市総合体育館

1回戦 ◯東洋大 3ー0 愛知大

2回戦 ●東洋大 1-2 近大



団結力の強い剣道部女子


師匠としてチームをけん引した住友


突きを繰り出す加藤


面を狙う磯


 第38回全日本女子学生剣道優勝大会(以下、全日本)が春日井市総合体育館で行われた。2年連続で全日本出場を果たした東洋大は初戦愛知大に3-0で勝利。2回戦で近大と対戦し1-2で敗れ大会を終えた。


 1回戦の相手は愛知大。先鋒の磯(ラ2=東海大菅生)がこう着状態が長く続く試合展開となったが、先制の面を取り次鋒につなげた。それに続いた石井(ラ2=磐田西)も勝利を挙げる。しかし、中堅の山中(ラ3=新潟商)と副将の加藤(ラ4=左沢)が果敢に攻めて一本を狙うも取れないまま時間は過ぎ引き分けに。試合が決まった大将戦では住友(ラ4=磐田西)が序盤から積極的に攻撃を仕掛け幸先よく面を取る。その後、面を返されるもひるむことなく攻め続け面を取り、愛知大に3-0で勝利を収めた。


 2回戦の相手は近大。「集中して一本取るよう狙って試合をすることができた」と語るように先鋒の磯は、相手のスキを突き面を奪い先制し一本勝ち。次鋒の板原(法3=北海道栄)は終始一本を狙うが終盤に面を奪われ敗れた。中堅の山中は体格を生かし自分の間合いで胴や小手を狙っていくが引き分けで終える。勝ち越したい東洋大は副将に内村(法1=三養基)を起用するが相手に執念の小手を決められ、試合は大将住友に任された。ここで勝ちを収め、代表戦に持ち込みたい住友だったが相手も臆することなく攻撃を仕掛ける。一斉の打ち合いで面を取られ、即座に面を取り返すもなかなか一本にならない。試合終盤で猛攻するも決まらず、近大に1ー2で惜しくも敗れ2回戦敗退となった。


 4年生にとっては学生生活最後となる今大会で住友は「楽しむことはできたが自分の課題が残りました」と振り返る。同じく4年生でメンバーに選ばれた加藤は「これが勝負の世界なんだなと実感した試合」と振り返った。住友と加藤は卒業後は実業団で剣道を続けていくと語り、板原監督から学んだすべてを剣道を通して体現していくだろう。今月末には新人戦もあり新チームとして挑む初めての大会に向けて磯は「今までの結果を越せるようにチームワーク良く」戦っていくと語った。4年生が抜けた穴をどう埋めていくか。今後の東洋大剣道部に注目だ。

 

■コメント

・板原監督

(選手たちには)自信を持って、自分たちのやってきたことを信じてやってこいと。(試合を振り返って)普段の力が出せれば問題ないところだったが、それは勝負の世界なのでうまくタイミングをずらされて、それが結果になってしまったかなと思います。関東大会でも課題が見つかったので、そこを。攻撃、強い気持ちを忘れずに今回の大会に挑みました。負けてしまっているので課題点はいっぱいありますが、良かったところはそういう気持ちで大会に向けてしっかりとみんなが取り組んでくれたこと。部員がみんな一丸となってやってこれたことはすごくプラスなことだと思いますので、これからに活かしたいきたい。(4年生への思いは)4年生は本当に部のことも考えながらいい背中を後輩に見せて最後までやってくれた。特に住友なんかは全て個人戦もそうですし、都道府県大会もベスト8まで本当によくやってくれたなと思います。(新人戦に向けて)男子も女子もそうなんですが(今大会で)1、2年生も含まれていますのでその経験を活かしてまた一つになって上を目指して新人戦頑張っていきたいと思います。


・住友主将(ラ4=磐田西)

(今大会を振り返って)特に最後だからと言う気持ちではなくてとにかくみんなで楽しんで挑もうという大会だったんですけど、楽しむことはできたが自分の課題が残りました。(監督からの指示は)関東大会と変わらない言葉で、とにかく自分が攻めて前に出て相手を下げるということを特に言ってもらったんですけど監督も率先してとにかく盛り上げて楽しくというのは言ってもらいました。(今年のチームについて)去年とメンバーがあまり変わってなくて、だからと言うのもあるんですけどすごい団結力はあったのでそこを活かした試合は関東からずっとやってこれたと思います。(今後の目標は)最初は保育士になろうと思って東洋大に入学したが、東洋大で剣道の楽しさというかもっと頑張りたいという気持ちを教わったので監督に出会えたことだとかを振り返るとどうしても続けたいというのがあった。これからは実業団に入るんですけど、実業団で日本一目指してまた頑張っていきたい。(後輩に向けて)一人一人の力も全体の力もあるのでそこを自分自身で活かすか活かさないかは自分次第となってくるのでやっぱり強くなりたいという気持ちを大事にこれからもっと頑張って欲しい。


・加藤(ラ4=左沢)

チームワークは本当に最高だったと思う。これが勝負の世界なんだなと実感した試合だった。(試合前に監督から掛けられた言葉は)攻めてどんどん思い切って明るくやれって言われていて、それ通りにみんなやった結果がこれだったので良かったと思う。(全日本特有の緊張感はあったか)自分たちは4年生で最後というのがあったのでやっちゃえぐらいの気持ちだったが、やっぱりその下側にやりやすいようにやるというのが今後の課題かなと思った。(大学生活を振り返って)本当に東洋大学に入って良かったなと。すごくいい仲間にも恵まれて、この4年間を今後社会人になっても生かしていけたらいいなと思う。(今後の進路は)一応実業団という形で続けようと思っている。JR東海に進む。(4年生に向けて)4年間ずっと全日本優勝という目標を一緒に走ってきてくれたので、本当に感謝の気持ちしかない。この同期で良かった。(後輩に向けて)まだまだ後輩は来年も再来年もあると思うので常に必死に取り組んでくれれば結果も出てくると思うので、そこら辺は応援するので頑張ってください。


・秋和主務(文4=弥栄)

(試合を振り返って)チームワークはキャプテンを中心としてすごい良くなっていたが、みんなちょっと緊張していたかなと思います。やっぱり前々日入りしたのでもうちょっとわちゃわちゃできていたらよかったのかなと思いました。良かったところはチームワーク。改善点としては、一本って大切になってくるので一本に対する執着心はより大切にしていかなきゃかなと思います。(東洋大剣道部は)仲がよくて、悪いところも注意し合えるし、すごい後輩とも仲良く接することができるのはすごい東洋大の良いところだなと。キャプテンも言っていましたが、そのようなチームでの4年間はすごい宝物になりました。(後輩に向けて)力を持っている選手は後輩にいると思うので、これからまだまだ上を目指して頑張ってほしい。


・磯(ラ2=東海大菅生)

(試合を振り返って)今大会は4年生との最後の試合で、自分にできることは何かということを考えていて、先鋒として出させてもらったので、チームを盛り上げて、声を出してやっていこうと思っていました。(監督からは)思い切って、頑張れって声を掛けてもらいました。緊張はしないタイプだったのですが、いつもよりは集中して1本取るよう狙って試合をすることができた。(先輩たちは)本当にかっこよくて、尊敬できる先輩で。試合している最中に泣きそうになっちゃいました。チームワークは良くて、個人個人がとても強いので一人一人の個性を活かせた良いチームだったと思います。(新人戦は)この悔しさを胸に、今までの結果を越せるようにチームワーク良く、一人一人の個性を出せるよう頑張っていきたいと思います。


TEXT=友寄慈温 PHOTO=森美香子、稲村真織