Article

記事


2015.04.05
陸上競技

[陸上競技]好記録出るも、総合4連覇ならず

第11回関東私学五大学対校陸上競技選手権大会

4月5日(日)大東文化大学陸上競技場


総合2位 東洋大

男子800m
3位 尾上 1'53"53
4位 眞柄 1'53"78

男子1500m
5位 生井 3'51"68
DNS 服部弾
DNS 高倉

男子3000m
1位 口町 8'11"52
6位 牧浦 8'25"47
8位 櫻岡 8'27"85
DNS 上村

男子5000m プレミアムレース
3位 寺内 14'07"76
4位 高槁 14'09"72
6位 橋本 14'15"23
9位 山本修 14'23"32

男子3000m障害
1位 渡邊一 8'58"56
10位 横山 9'37"32
DNS 成瀬

男子1500mオープン
1組
2着 力石 4'06"84
3着 菅原 4'07"20
8着 田中 4'09"83
男子1500mオープン最終組
1組
2着 高槁 3'56"48
3着 橋本 3'58"90
4着 口町 3'59"59
8着 尾上 4'03"61
10着 寺内 4'04"92
11着 山本修 4'06"74
12着 櫻岡 4'16"33
2組
2着 生井 3'59"60
7着 牧浦 4'02"89
8着 眞柄 4'04"37

男子5000mオープン
1組
1着 唐本 14'42"17
4着 中村 14'55"55
6着 湯田 15'01"49
12着 吉田 15'03"46
DNS 中谷
DNS 香川
DNS 佐藤
2組
1着 小笹 14'30"76
2着 野村 14'30"94
4着 植田耕 14'36"09
7着 伊藤 14'40"37
8着 植田優  14'40"93
20着 山本信 14'54"72
Image title

大会新記録で優勝を飾った渡邊一


Image title

寺内は初戦から自己ベストをマークするも、レース内容に悔しさをにじませた

Image title

口町は冷静なレース運びで優勝を手にした

Image title

新入生を迎え新たなスタートを切った鉄紺東洋




 気温は上がらず、風も無い好コンディションの中で五大学対校陸上競技選手権大会が行われた。長距離部門にとってトラック初戦となる今大会であったが、5000mでは寺内(ラ4・和歌山北)と高橋(工4・黒沢尻北)が自己ベストを更新。しかし対校戦では総合2位となり、4連覇を逃す悔しい結果に終わった。



 3000m障害では渡邊一(ラ4・九州学院)が独走を見せた。スタートから先頭に立つと1000mを2分52秒で突っ込む積極的なレースを展開する。その後2位以下を大きく突き放すと、中盤ペースを落とす場面も見られたが、ラストにはもう一度ギアを入れ替え「最低でも優勝」の言葉通り1位でフィニッシュ。見事、大会新記録を打ち出した。今後は関カレに向けて障害の越え方に磨きをかける。

 関カレの標準記録を目標に生井(ラ2・会津)が1500mに出場。生井は先週に経験した2試合のレースでは集団を引っ張り最後に抜かれることが続いていた。それを踏まえ、今回は後ろからレースを進め勝機をうかがった。2周目から徐々にポジションを上げていくと、1000mで先頭に追い付く。そのスピードを緩めることなく自己ベストでフィニッシュした。しかし、惜しくも関カレA標準には0秒18届かず、ラストの争いに課題が残った。

 好記録の期待がかかった5000mプレミアムレースでは、各選手とも外国人選手のつくるハイペースに果敢に付いていく。大学デビュー戦であった山本修(済1・遊学館)は、前半こそ東洋大勢のトップを走るも3000m手前で失速。その後集団は徐々に絞られ、東洋大勢も先頭から遅れ始める。その後方で「スタートでの位置取りが悪かった」という寺内が走りのリズムを上げ、ラスト1000mを切ったところで序盤から先頭集団をキープしていた高橋の前に出る。高橋も必死に食らい付くが、最後は寺内が先着した。二人とも自己ベストを記録したものの、後半に先頭との差を広げられ満足の表情は見られなかった。

 また、3000mでは口町がペースメーカーを追い2位集団を置き去りにする攻めのレースを繰り広げる。途中まで城西大の選手に前を選考を許すも落ち着いた走りで終盤にトップを奪う。最後には大きく引き離すことに成功し、対校種目での優勝でチームに貢献した。



 今回は練習の一環として10名の選手が二本目のレースとなるオープン1500mに臨み、力強い走りが見られるなど成長の証が見受けられた。しかし、今大会多くの種目で目立ったのがラストに競り負け対校戦での得点が伸びなかった点だ。高橋が話すように「1500mでのラストの走りが5000mでもできれば良かった」と一本のレースに力を出し切ることが求められる。また大学初レースに挑んだ1年生もおり、今後は上級生を脅かす存在になれれば底上げのカギとなるに違いない。箱根王座奪還へ、長距離部門のトラックシーズンが幕を開けた。



■コメント

・酒井監督

トラックシーズンの幕開けなので、今月の残りの試合に向けていいスタートを切りたいと思っていた。できている選手ともう少しだった選手、あとは出場できなかった選手にわけられると思う。良かったのは各種目の優勝者や、高槁や口町は服部兄弟に代わって今練習を引っ張っているので、今後はいかに服部兄弟に頼らずチームを引っ張っていけるかだと思う。(1年生については)思い切って下から上級生に刺激を与えてほしいというのもあるが、まだまだ即戦力というレベルではない。ただ、今年の2年生に比べると十分序盤からレースに使っていけそうな子もいる。 (対校レース後にオープン種目に出場した意図は)練習の一環。スピードを出し切る習慣をつけることと、対校戦ではラストスパートで競り負けもあったので、オープン種目は力を出して走り切ろうと。生井や高槁などオープン種目の方が最後頑張ってる子がいたのかなという印象。 (トラックシーズンに向けての意気込みは)昨年はトラックの自己記録更新率とトラックの平均ベストタイムがここ数年の中でも悪かったので、駅伝につなげるためにもまずはトラックシーズンにスピードをしっかり強化していきたい。


・高橋(工4・黒沢尻北)

(5000mは)最後に競り負けたので結果的には良くなかった。自己ベストだが、今日はコンディションが良かったのでタイムは出ると思っていた。でも最後に勝てなかったところが反省すべき点だと思う。3000m過ぎまでは先頭で走れて、あのままいければ13分台を出せたと思うが、気持ちが切れてしまい悔しい。(1500mは)練習のつもりで走ったが、1500mでのラストのような走りが5000mでもできれば良かった。(今後の目標は)まずは10000mで28分台を狙って、関東インカレでは表彰台を目標に頑張っていきたい。


・寺内(ラ4・和歌山北)

今日はコンディションも良く、ペースメーカーもいるので絶対記録は出るレースだと思っていたが、13分台を出すことが出来ず悔しいレースだった。監督にもよく言われるが、レース展開が下手で、スタート後の位置取りも悪かった。(1500mは)2周目でペースが上がったところで付いていけなかったのは、まだまだスピードが足りない。(これからは)インカレで結果を残して、服部兄弟に頼らず、短距離や競歩だけでなく長距離からも得点を稼げるようにしていきたい。


・渡邊一(ラ4・九州学院)

今シーズンのトラック初レースだったが最低でも優勝ということを頭に入れていた。前半は1000mを2分52~53秒で突っ込んでどれだけ我慢できるかというのをテーマとして臨んだ。入りは予定通りで良かったが、その後は3分を超えてしまった。3分以内に抑えれていければ8分50秒台もみえたと思うので、そこが反省点。(3000m障害の練習については)冬季の内はみんなと一緒に走り込みをやっていて、3障に向けての練習は1~2週間前から始めた。関東インカレで上位入賞するためには8分50秒が一つの目安になると思う。そこに達するスピードや、いかに歩数を無くして障害を越えるかという技術が重要になってくるので、残り1か月でしっかり練習していきたい。


・口町(法3・市立川口)

3000mは記録より対校種目ということでトップを狙っていた。その直後の1500mは練習の一環としてだれないように走り切ることを目標にしていた。(実際に走って)3000mが始まる時点で城西大と9点差と聞いていたので順位を意識した。途中まで城西大の選手が二人前にいたが落ち着いて後半に抜こうと思っていた。抜いてからはしばらく後ろに付かれるような気がして心配だったが、ラストで離せたのは良かった。1500mは4分を切れたことは良かったが、切れる体力が残っていたのは3000mでもう少し出し切れたのではないかとも思った。今回の団体2位は、関東インカレや箱根につながってくる。ここで2位を取るとこの先もっと大きな大会のときに厳しくなるので全員でもう一回頑張っていきたい。


・生井(ラ2・会津)

対校戦なので他の大学に勝って得点を取ること、関東インカレの標準記録を突破することを目標に走った。先週の初戦2試合で自分がずっと引っ張って最後に競り負けることが続いたので、今回は先頭に食らい付いてラスト勝負するプランだった。1本目はラスト300mから出られたときに離されてしまいタイムも標準を突破できなかった。きつい中でもどれだけ体を動かせるかということは前回よりは改善できたが、まだ足りない。2本目は疲労がある中でいかに自分を追い込めるかと考えていた。一人飛び出していった人には付かず2位グループで進めた。監督から「オープン種目で点数は関係ないが、ラストで競り勝ちいい雰囲気で終わろう」と言われていたのでラストで競り勝てたのは良かった。(今後は)関東インカレで入賞することが目標。まずは標準記録を突破することと、それにとらわれすぎず自分自身のレベルを上げていきたい。


TEXT=伊藤空夢 PHOTO=石田佳菜子、野原成華