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2015.04.26
硬式野球

[硬式野球]原、3戦連続完封勝利! 『1勝のアドバンテージ』

平成27年度東都大学野球春季2部リーグ戦・東農大1回戦
4月25日(土)東洋大グラウンド


東洋大1-0東農大

(イニングスコア)

1回戦

東洋大


東農大


(東洋大)
○原(3勝)-後藤田


         打安点

(6) 阿部健   410

(9) 木 村  410

(4)  林    411

(7) 笹 川  300

(3) 鳥 居  300

(D) 中 川  410

(5) 冨 澤  410

(8) 大 川  200

  H  久 保  100

  8  茶 谷  000

(2)  後藤田  300

      計  3251


       回   打安責

○原     9   3220


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原はこの試合も一人で投げ切った

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林の適時打で二走の阿部健が生還

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7回、浅い中飛をダイビングキャッチする茶谷(営3・東北)


 初回、先頭の阿部健(営3・帝京)が安打で出塁すると、林(営4・桐生一)の適時打で先制する。投げては原(営4・東洋大姫路)がこの1点を守り抜き、東農大との初戦を制した。


 最後の打者を打ち取った瞬間、原は小さく息を吐いた。3戦連続完封勝利。この日も最後までマウンドを譲らなかった。それでも「もっと変化球で勝負できるようにしたい」とその余韻に浸ることはなかった。

 初回に先制してもらい、「点を取ってくれて楽になった」。得点圏に3度走者を進められたが要所を抑え、相手に流れを渡さなかった。1点差の展開に「大胆にいけないので、変化球が多くなる」。その言葉通り変化球を中心とした組み立てでカウントを稼ぎにいった。事実、球数は多くなる。フルカウントまで粘られた打席は6回あったが、それ以上に粘り強く投げ続けた。「ランナーを出すとワンチャンスで点を取られてしまう。ランナーは一人も出せない」。追加点が入らない中で、エースは強い気持ちを持って打者に挑んだ。

 開幕前、こんな言葉を残していた。「1戦目で自分が先発して勝って、そこでアドバンテージを取らないと後に投げるピッチャーも精神的にしんどいだろうし、自分が崩れたら他の人に影響が出る」。まさにこの言葉を体現しているのが今日の投球内容だ。しっかりと役目を果たす右腕に対し、高橋監督も「主将としても立派」と賛辞を贈った。


 ここまで原が先発した試合はいずれも1対0で勝負が決している。なかなか援護点に恵まれないが、「1点か0点かは変わらない」と意に介することはない。自らの投球に集中するだけ。そう言わんばかりの123球の熱投だった。


■コメント

・高橋監督
投手だけ。原はピンチでも慌てないでよく投げた。少し変化球が多くなってひじが下がってしまっていたが、最後までよく耐えた。主将としても立派。実績で示していますから。
(攻撃陣は)打線じゃない。先頭で阿部がせっかくいい兆しが見えてきたかと思えば、ノーアウト1塁で木村がバントできない。これでは打線がつながってこない。クリーンナップがチャンスで打てない。打席で焦ってしまっていて、全然余裕が無い。もっとセンター返しを心掛けてきっちりスイングしてほしい。(今季3勝全てスコア1対0)ずっと監督やってきたけど、なかなか無いこと。めずらしい。これだけシビアな展開で戦い続けていけば、最後に生きてくるんじゃないか。


・原(営4・東洋大姫路)
点差も点差だったのでああいうピッチングになった。野手は打たんとこうとしている訳ではない。点を取ってくれて楽になれた。1点を取りにいく姿勢が見られたし、それを見て気持ちが入った。先制点が入ったといっても1点か0点かは変わらない。点差が無いと大胆にいけないので、変化球が多くなる。2点差、3点差ならまっすぐ中心でいけるが、そうはいかない。一発打たれるのはだめ。まっすぐで間に落とされるのは嫌。ランナーを出すとワンチャンスで点を取られてしまう。ランナーは一人も出せない。そういった面ではきつい。(調子は)良くも悪くもない。オープン戦の方が良かったが、オープン戦は勝ち負けなしで投げているのであまり関係ない。今はバランスよく、安定して投げられている。もっと変化球で勝負できるようにしたい。抑えるためにも必要。どんどんこれから苦しくなる。最後の青学大戦までバックも含めてしっかりと戦っていきたい。


・林(営4・桐生一)

(先制打は)結果が出ない中で使ってもらっていることに感謝して、何としてもチャンスで1本と思っていたので打てて良かった。阿部の走塁に助けられた1点だと思う。(打てないですが)原任せなところがあって点が入らない。調子は悪いわけではない。先週からケースバッティングなどに時間を割いてきたが結果が出てこない。軸となる選手がいない状態なので自分が何とかしたい。初回みたいな攻撃が出来れば良いと思う。


TEXT=伊藤拓巳 PHOTO=伊藤拓巳、千野翔汰郎