Article

記事


2015.05.03
硬式野球

[硬式野球]優勝を知る男 井上コーチ就任

平成27年度東都大学野球春季2部リーグ戦・日大戦1回戦

 5月2日(土)東洋大グラウンド

 東洋大1-2日大

Image title

初めて公式戦のユニフォームに袖を通した井上コーチ


  頼もしい男が加わった。5月1日付けで常勤の大学職員となった井上大(H7年度卒)がコーチに就任。この日初めて、公式戦のベンチに入った。「試合は久々なので、やっぱりいいものだなと感じました」。イニング間には選手の輪に入り、積極的に相手投手攻略の指示を送った。

 井上は、1973年9月13日生まれの大阪府出身。大阪桐蔭高3年夏には副主将として、同校の甲子園初制覇に貢献した。東洋大では清水(H7年度卒・元巨人など)、今岡(H8年度卒・元阪神など)とともに中軸を担う。4年春には青学大に延長11回の死闘の末勝利しリーグ優勝、全日本4強に輝いた。卒業後は松下電器(現・パナソニック)に入社。10年連続で都市対抗野球大会、日本選手権大会の出場権を勝ち取った。2年間コーチを務めたのち現場を離れ、人事担当となり昨年5月に退社。福田泰大前コーチの退任にともない、高橋監督から直接声を掛けられた。

 同じ左打者で中軸を任されている鳥居(営3・愛工大名電)は説明する。「どういう動きをすれば良いか、細かく教えてくれるのでわかりやすい」。経験豊富な野球人に、早くも多くの信頼が寄せられている。「1部復帰が目標です。僕はそのために来たと思っているので」。優勝の味をよく知る男が高らかに宣言した。


■コメント

・井上コーチ

ここずっと打てない試合が続いていて、外で見ているよりも選手たちに伝えたいことを伝えることができたので良かった。しかし、結果があまり変わらなかったので残念ではある。

能力はすごく高いのに、それを使いこなせていない。気持ちが弱い子が多い。技術的なことももちろんだが、気持ちの部分についてはしっかり言っていこうと思う。僕もずっとエリートできたわけではないので、挫折も味わっている。(社会人野球は)実力の世界なので、打てなければクビになる。もう野球ができなくなるかなというときもあったので、それを考えたらもっとこの一球に懸けるんだという思いが強くなった。

(今はチームの)1部復帰が目標です。僕はそのために来たと思っているので。やっぱりこの子たちを1部でやらせてあげたい。そこへ向けて、今の弱い心を強くしなければいけない。そのためだったら厳しいことも言う。


TEXT/PHOTO=浜浦日向