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2015.05.04
サッカー

[サッカー]『東洋スタイル』影潜める 昇格組相手に痛恨の黒星

第89回関東大学サッカーリーグ戦 2部リーグ(前期)

第6節 5月2日(土) 東洋大学朝霞グラウンド

東洋大0-2朝鮮大

<警告>

44分 遊馬


<出場メンバー>

▽GK

沖野泰斗(国4・幕張総合)

▽DF

石坂元気(国4・広島Y)

郡司昌弥(国4・柏U-18)

浦上仁騎(国1・大宮Y)

池田稔樹(国4・桐生第一)

▽MF

小山北斗(国4・帝京)77分→MF勝野瑛(国1・浦和Y)

小島正之介(ラ4・常総アイデンティU-18)27分→FW杉山丈一郎(国4・市立船橋)83分→DF今井裕基(国4・埼玉栄)

仙頭啓矢(国3・京都橘)

高橋宏季(国1・FC東京U-18)

▽FW

小山大貴(国4・大宮Y)

遊馬将也(国4・武南)


 

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小島に代わって投入された杉山も実力を発揮できず


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集中応援でエスコートキッズが精一杯応援するも、願い届かず


 前半から一進一退の攻防が続き、主導権を握ることができない。すると後半の早い時間帯に先制点を許し、さらに試合終盤にはカウンターで2点目を献上。攻撃陣も不発に終わり、今季初黒星を喫した。


 今季ここまで圧倒的な得点力を誇ってきたが、その攻撃は鳴りを潜めた。集中応援日ということもあり、スタンドに多くの人々が駆けつける中行われた今節。キックオフ時の気温は27度と季節外れの暑さのため、前後半ともに給水タイムが設けられた。朝鮮大がフィジカルを生かした空中戦を仕掛ける中、前半は両サイドからの攻撃が目立つ。6分、左サイドをオーバーラップする池田へ郡司が的確なパスを供給。池田は中央の遊馬へクロスを上げるが、得点ランクトップを走るエースが放ったシュートは枠の外へ。24分には右サイド石坂のアーリークロスから遊馬に渡り、最後は仙頭が右足でゴールを狙うがこれも枠を外れる。「ボールを収めたらグラウンダーでパスを回したかった」と古川監督も試合後に振り返ったが、細かくパスをつなぐ東洋大のスタイルで攻めることができず、逆に朝鮮大に決定機を何度も作られる苦しい展開で前半を終える。

 後半に入っても状況は好転せず、54分にコーナーキックから先制点を許した。オフサイドにも見えたため東洋大の数選手が審判に抗議するも判定は覆らない。両チーム疲労の色が見え始めてからは中央のスペースを突きながら、途中交代で投入された勝野の展開力も生かしチャンスを模索する。しかし、82分に恐れていた事態が発生する。高い位置でボールを奪われると、カウンターを仕掛けられる。最終ラインに唯一残っていた浦上はなんとかチャンスの芽を潰したいところだったが、相手選手を止めることができず2点目を献上してしまう。終盤は遊馬のポストプレーを生かすサッカーを展開し決定機も何度か作るが、ゴールを割ることができず、無情にもホイッスルが鳴り響いた。

 シュート数は相手の三分の一の4本、その数少ないシュートも枠内に飛ぶことはなかった。さらには今季ここまで活躍を見せてきた小島が前半途中に負傷交代と、暗い話題が多く出た今節。しかし、次節までの時間は少なく、落ち込む暇は無い。上位陣との直接対決を多く控える中、前節までのような自分たちのスタイルを全面的に押し出すサッカーをできるかが勝ち点を積み重ねていく上で重要だ。まずは次節、東国大に勝利し悪い流れを払しょくできるかに注目が集まる。


 

■コメント

・古川監督

前半にペースがつかめない状況。相手がロングボールを主体に押し込んでくることはわかっていたが、なかなか自分たちのパスサッカーに持っていく形が作れなかった。ボールを収めたらグラウンダーでパスを回したかったが、前半その形にならず、相手ペースで進んだ。ハーフタイムには、バランスを崩さないように、相手に先制点を与えないようにと話したが、セットプレーで失点をしてしまい、負けるパターンに入ってしまった。 (ディフェンスラインのビルドアップの面は)センターバックからのロングフィードで攻撃が単発に終わってしまうシーンが特に前半にあった。しっかりボールを動かしてスペースを見定めながら、相手のスライドが鈍くなったときには中央にスペースができるので、そこで相手に取られてカウンターにならないようにゲームを進めていこうと指示した。(次節へ向けて)メンタル面と、中日が少ない時にはコンディショニングが勝敗のところにも大きく関わってくる。まずはメンタル的な切り替えとコンディショニングを回復させて臨みたい。


 

・郡司昌弥(国4・柏U-18)

勝ち切れなかったことは本当にもったいなかった。内容や結果と言うより、一人ひとりの戦う気持ちが欠けていたと思う。そこを改善したい。朝鮮大のプレースタイルは事前調査で分かっていた。その分、自分達がもっとグラウンダーでやりたかった。セカンドボールや、ファーストボールの時点でもっと落ち着かせる事が出来たら良かった。(浦上との連携は)お互いコミュニケーションも取れている。仁騎も年下だが、全く年齢のことは関係無しにどんどん言ってくれるので、個人的にはとてもやりやすい。(次節へ向けて)今節負けてしまった分、絶対に勝たなくてはならない。昇格する為に絶対に勝つ。


・小山北斗(国4・帝京)

朝鮮大のやりたいことをやらせてしまった。(今節の課題)自分と宏季のところでもっとゲームを落ち着かせて、ロングボールのサッカーじゃなく、グラウンダーでつなぐサッカーを展開したかった。(自身のコンディションは)怪我で出遅れたがコンディションは悪くない。しかし、途中交代が多いから、監督にとってはまだ物足りない部分があると思うのでそこを突き詰めてやっていきたい。(次節へ向けて)今日の敗戦はしっかり受け止めて、連敗しないことが大事。これから上位陣との試合が多くなってくるが自分たちのサッカーを披露して勝利したい。


・浦上仁騎(国1・大宮Y)

相手がガツガツ来るのは分かっていたがやりにくさはあった。(相手の雰囲気にのまれた感じがあったが)前半は0で抑えられたから、後半もまずは無失点で耐えて得点を狙いに行きたかったが先に失点してしまった。そこから立て直せればよかったが追加点を許してしまいディフェンスとしてふがいなかった。(同期の仲間とピッチに立つ時間が増えたが)とても仲が良いし、試合の話もよくする。いい関係。(次節へ向けて)今節は負けてしまったが、リーグでの連敗は許されない。しっかり期間は短いがいい準備して勝ち点3を取りに行きたい。


・高橋宏季(国1・FC東京U-18)

今までの相手と違い、前からガンガン守備に来ていてそこをいなせなかったのが今日の敗因だと思う。(なかなか攻めきれなかったが)先制点とられてから試合の流れが変わってしまい、攻撃のチャンスが作れなかった。そういった中でも工夫してシュートまで行く回数を増やせれば良かった。(途中から同期でボランチを組んで)いつも練習でも組んでいるからとてもやりやすいし、二人とも自由に伸び伸びできたと思う。(次節へ向けて)連敗は許されない。チームが一つになって、勝利にこだわりたい。どんな形でも勝ちたい。


TEXT=當麻彰紘 PHOTO=河西樹、横山恵美

 

[次節試合予定]
第89回関東大学サッカーリーグ戦 2部リーグ(前期)
第7節 5月6日(祝) 対東国大 川口市青木町公園総合運動場にて 11:30Kick off