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2015.05.17
硬式野球

[硬式野球]早くも4完封!原の力投で巻き返し図る


平成27年度東都大学野球春季2部リーグ戦・国士大1回戦

5月16日(土)東洋大グラウンド

東洋大1-0国士大

(イニングスコア)

1回戦



東洋大

国士大


(東洋大)

○原(5勝1敗)―後藤田

       打安点

(5)冨 澤 400

(4) 林   400

(D)中 川 410

(7)笹 川 200

R9 竹 原 000

(3)鳥 居 200

(9)小笠原 200

H 原 澤 000

8 大 川 100

(6)阿 部 410

(8)7 茶 谷 420

(2)後藤田 310

       計3050


     回   打安責

◯ 原  9    2830


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この試合も完封し、勢いが止まらないエース・原



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後藤田の好リードが、原の好投を支え続けている



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鳥居は茶谷の右前打でホームを狙うも、生還できなかった



 1部昇格へ後が無くなった東洋大。負けが許されない中で初戦の先発はエース・原(営4・東洋大姫路)。相手の暴投で得た1点を守り切り、今シーズン4度目の完封勝利でカード初戦を制した。


 打たれる気配を感じさせない、圧巻の投球だった。出塁を許したのはわずか3度。二塁すら踏ませなかった。一番の見せ場は五回。先頭の4番から三振を奪うと「そろそろ流れを持ってきたかった」と原は、続く打者との勝負球で捕手・後藤田(営4・東洋大姫路)のサインに首を振る。「三振を狙いに行った」と決め球に選んだのはフォークだった。打者の手前でしっかりと落とすとバットは空を切った。フォークの調子が悪く、試合前には監督とも投げないと決めていたが、それでもチームのために投げ込んだ。この回を三者三振で抑え、〝エ―ス〟の貫録を見せた。                      

 序盤の3回は打たせて取る投球で1人の走者も許さなかった。「真っ直ぐは自信を持って投げられたし、スライダーも良かった」と早めのカウントで相手打者を打ち取り、ゴロの山を築いた。後藤田は「スライダーが狙われていると思ったので、いつもと配球を変えた」と冷静な判断で直球中心の組み立てに切り替える。すると相手打線は東洋大バッテリーの術中にどんどんはまっていった。一転、後半はいつもの変化球主体の配球で打者を手玉に取り、5つの三振を奪った。終わってみれば球数102球、無四球で1試合を投げ切った。

 打線は今日も1点が遠い。二回2死一、二塁で茶谷(営3・東北)が右前へ弾き返す。先制かと思われたが、フルカウントにも関わらず二走の鳥居(営3・愛工大名電)がスタートを切っておらず、本塁で憤死。鳥居の走塁に「長いこと監督をやってきたけど見たことがない」と高橋監督。痛い走塁ミスで適時打は幻に終わった。結局、決勝点は4回の相手投手の暴投で得た。その後も得点圏に走者を進めるも点には結び付かなかった。「いつまでも原がこのような投球を続けられるとは限らない」と話したのは後藤田。そろそろ打線が原を援護する時だ。

 「1点差ゲームが続いているのはしんどい」正直な気持ちを話した原だが、「打線に助けられる時もあるので、今は自分が踏ん張る時」と頼もしい言葉も口にした。自力優勝は不可能だが、望みが無いわけではない。今カードを連勝し、最終カードの青学大戦に臨む。


■コメント

・高橋監督

また1-0.こんなピッチャーいないよ。初めて。原しかいないから。原で勝つしかない。今日はボールを長く持って打たせて取っていた。フルカウントになっても粘って、要所要所でしっかり投げた。打線は相変わらず打線じゃないね。阿部は調子が上がってこないので打順を下げた。相手の左ピッチャーを予測して中川を3番で起用してみたけど機能しなかった。

(二回2死一、二塁フルカウントから二走の鳥居が本塁憤死について)長いこと監督やってきたけど見たことない。なかなかないよ。

・原(営4・東洋大姫路)

真っ直ぐとスライダーが良かった。今日は四球の心配がないくらい自信を持って投げることができた。(5回は)そろそろ流れを持ってきたかった。先頭の4番を三振に切ってから意識し始めた。フォークは使わないって決めてたんですけど、どうしても三振を取りに行きたかったので。(1点差ゲームは)しんどいです。でも、打線に助けてもらうときもあるので、今は自分が踏ん張る時。(次に向けて)優勝を逃した訳ではないので、まだ全力で戦ってチームのためになるような戦いをしていきたい。

・後藤田(営4・東洋大姫路)

今日の原はスライダーが良かった。悪いカウントからでも変化球で簡単にストライクが取れた。相手がスライダーを狙ってきていると思ったので、いつもと配球を変えて序盤はストレート主体で攻めた。それが相手を困惑させて、厳しい球でも手を出してくれた。後半からはいつものスライダーを主体にした変化球で攻めた。前半のストレートが効果的で、いい攻め方ができたと思う。


TEXT=菅野晋太郎 PHOTO=浜浦日向、菅野晋太郎