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2015.05.26
硬式野球

[硬式野球]悔しさが生んだ決勝打 竹原、初スタメンで大仕事

平成27年度東都大学野球春季2部リーグ戦・青学大2回戦

5月24日(日)東洋大グラウンド

東洋大5-3青学大

(イニングスコア)

2回戦

東洋大


青学大


(東洋大)

○原(8勝1敗)―後藤田

三塁打:竹原


打順                     

守備

名前

(遊)

阿部健(帝京)

(二)

林(桐生一)

(指)

中川(PL学園)

(左)

笹川(浦和学院)


大川(PL学園)

(一)

鳥居(愛工大名電)

(三)

冨澤(愛工大名電)

(右)

竹原(二松学舎大附)

(中)左

茶谷(東北)

(捕)

後藤田(東洋大姫路)



29



名前

○原

33


順位

校名

勝率

勝ち点

日大

10

2

.833

東洋大

.727

青学大

.455

国士大

4

6

.400

立正大

4

.333

東農大

3

9

.250


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右翼線へ適時打を放つ竹原

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三塁上でベンチに向かってガッツポーズで応えた


 負けられない一戦で出番を得た男が大仕事をやってのけた。今季初めて先発起用された竹原(法1・二松学舎大附)が満塁の走者を一掃する適時三塁打。前日、同じく満塁の場面で凡退していた悔しさを晴らす一打はチームに勝利をもたらした。

 「無我夢中」だった。四回1死から四球で出塁すると、笹川(営3・浦和学院)のフェンス際への大飛球を左翼手が落球。待望の先制点を得る。さらに1死満塁と攻め立て、竹原が打席に立った。1ボール1ストライクからの3球目。「バットを振ったら当たったという感じ。球種も何も覚えていない」。力強く引っ張った打球は右翼線際で大きく弾んだ。満塁の走者を全員返す一打に、三塁へと到達した竹原は塁上で喜びをあらわにした。

 この試合初めてスタメンに名を連ねたルーキーは雪辱に燃えていた。「満塁で回ってきて何もできなかったので、今日は何とかしようと打席に入った」。前日、途中出場で回ってきた第2打席。同点の八回2死満塁と一打勝ち越しの好機で竹原は凡退していた。いい当たりを放ちながらも一塁手の正面を突くゴロ。しかし、その打席の中でヒントを得ていた。普段からアドバイスをもらっている井上コーチに「悪くなかった」と言葉をもらい迷いが消える。「悪くない、そのイメージのまま入ろうという意識があった」。公式戦初安打となった適時打は前日の失敗を引きずらない思い切りのいいスイングから生まれた。

 その他の打席では快音が聞かれず、あっさりと凡退してしまった。「あの回はいいよ、ばっちりだよ。もう少し。もっと粘りがないと」。高橋監督は竹原の打撃を評価しつつも、厳しい注文をつけた。本人もそれは十分に自覚している。「悪い部分があったので、集中的に練習して、いい部分は継続して練習していきたい」。4つ目の勝ち点を得たが首位・日大が勝利したため、2部優勝はまたしても叶わなかった。今季最終戦となったこの日、打のヒーローは新たな目標へ向けてスタートを切った。


■コメント

・高橋監督

原はよく頑張ってくれたよ。(竹原は)春先は良かったが、大学の壁があってね、なかなか。あの回はいいよ、ばっちりだよ。ボールをつかまえたし、素晴らしいよ。そのあと2回ぐらい、もう少しくるといい。もっと粘りがないと。試合に出れば1年も4年もないんだから。彼が将来は4番を打つぐらいに、そうじゃないと1部には上がれない。2部でいいゲームでしたとなってもね、だから厳しい。自分たちが発奮しないと、原一人じゃ上がれないよ。2部から脱出できない、みんながそれくらいやらないと。専大はみんながやったからぎりぎり上がって、優勝だもん。我々だって可能性がない訳じゃないんだから。学生が諦めてはだめだよ。何としてもピッチャーはもう二人何とかしないと。8勝して優勝できない訳だから。よく投げたよ1シーズン。
形にしなきゃ、練習から。やってるな、頑張っているなと。原だけじゃないぞ、野手も頑張ってるなという雰囲気にならないと。野手はエラーしたら倍返しにしないと。びびる必要はない、力はみんな持っている。
辞める覚悟でやらなきゃ。覚悟は決めている。だから厳しくいく。俺がだめだと言ったら本末転倒だよ。選手も一緒に、何とか原をサポートしていかないと。

・竹原(法1・二松学舎大附)

昨日、満塁で回ってきて何もできなかったので今日は何とかしようと打席に入った。(スタメンは)試合の直前に言われた。昨日も5回から出ていて、気持ちの準備はできていたのでしっかりと試合に臨めた。最初は緊張したが、先輩たちが声を掛けてくれたり、1本出て自分の中で余裕が出て、やりやすくしてもらった。(適時打は)無我夢中で、バットを振ったら当たったという感じ。球種も何も覚えてない。昨日出ていた分落ち着いて試合に出られた部分がある。昨日は結果が一ゴロと二ゴロだったが、しっかりと自分のバッティングができていたので、悪い印象はなかった。いいイメージのまま打席に入れたのが良かった。昨日の試合後、井上コーチにバッティングは悪くなかったと言われていて、悪くない、そのイメージのまま入ろうという意識があった。(今季を終えて)自分も悪い部分があったので、集中的に練習して、いい部分は継続して練習していきたい。


TEXT=伊藤拓巳 PHOTO=山下華歩、美馬蒔葉