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2015.06.13
バスケ

[バスケ]敗北の中にも見えた光 監督も認めた大野の守る力

第55回関東大学バスケットボール新人戦
6月12日(金)代々木第二体育館

東洋大55ー84大東大
    4|1Q|20
    17|2Q|19
    18|3Q|26
    16|4Q|19

スタートメンバー
28 佐久間澪(済1・東海大相模)
29 岩淵俊也(済2・新潟商)
31 榎雄大(済2・市立船橋)
33平孝介(済2・東海大菅生)
35 杉田涼(済1・市立船橋)

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試合経験が無い中で健闘をみせた大野

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佐久間はアシストでチームの得点に貢献した



 昨年度1部1位の東海大をくだした大東大との決戦。トーナメント戦でもスタートメンバーとして出場した有力な選手陣に圧倒され55-84で敗れる。しかしその中で、「懸命に頑張ってくれた」と監督に評価された大野(文1・市立柏)は、大東大に負けじと足を動かし厳しいディフェンスでチームを引っ張った。


 前日の明学大戦とは一転、コートが静まり返っていた。「大東大はすばらしいディフェンスだった」。目監督が思わずこうもらすほど隙の無いディフェンスに、自らを奮い立たせる声が出なくなっていた。1Qの得点はわずか4点。このまま立て直すことは不可能かと思われた。しかし、ディフェンスを買われ2Qから出場した大野がチームを救う。「試合慣れしてなくて最初は緊張した」。主力メンバーでなかった大野は、このチャンスを逃す訳にはいかなかった。俊敏な攻めを繰り広げる大東大を追いかけ、自分に課された役割を必死に全うする。その頑張りに佐久間も応え、二人の連携によりチームに光が差した。「オールコートディフェンスを頑張って、最初のだめな流れを変えられたので良かった」と大野が話すように、後半戦は流れを東洋大に引き寄せる。ディフェンスはもちろん、オフェンス面でも積極的にシュートを狙っていく。しかし大東大は、そう簡単にゴールを譲ってはくれず、29点差で試合終了。勢いに乗り切る前に終わってしまった。


 「逆転できるぐらいのディフェンスができなかった」。オフェンスの力が無いと言う大野は、ディフェンスでチームの力になると決めていた。もちろん、逆転は得点を決めなければ成し遂げられない。しかし、どんなにオフェンスの力があっても、相手の得点を抑えるディフェンスの力が無ければ元も子もない。大野の話す逆転のできるディフェンスが機能するようになれば、東洋大のディフェンスから走るというプレースタイルに通じ、大きな武器となるに違いない。次戦からはいよいよ順位決定戦が始まる。今持っている力でより高みを目指す。


◾︎コメント

・目(さっか)監督

大東大は強かった。岩淵が明学大戦でけがをして出られなかったというのもあるが、なかなかうまくできなかった。大東大はすばらしいディフェンスだった。ゲームが連日になるとやはり疲れてしまう。だが、それは言い訳にはならない。スタートメンバーに1年生を3、4人出したが、まだまだ高校生が抜け切れていない。これから夏までに鍛えていこうと思う。(2Qから立て直すことができたのは)大野が懸命に頑張ってくれた。後半はプレスを仕掛けたりしたが、やはり4、5番の大きい子たちが動けないから、上の3人のプレスが生きなかった。だが、大野、佐久間、杉田にはいい経験になったし、来年は強くなると思う。(活躍した選手は)大野と渡邉(浩平)。大野は小さいがディフェンスを頑張ってくれたので、ちょっと(大東大の)レベルに合ったと思う。(次戦の)青学はサイズも大きくて強いチームだが、勝ちを狙う。ここで終わったら意味がない。


・大野(文1・市立柏)
Bチームだったので試合慣れしてなくて最初は緊張した。でも自分は監督にディフェンスをやってこいって言われていて、ノルマというか自分のやるべきことを明確にできたので良かった。(チームは)ディフェンスの入り方やターンオーバーからミスを連発して、相手を勢いづかしてしまったのは少しだめだったかなと思う。だけど佐久間と前から連携をとってダブルチームでいけたというのは良かった。後半は少しでも点差を広げられないようにしようというのが5人の目標だったので、オールコートディフェンスを頑張って、最初のだめな流れを変えられたので良かった。(敗因は)試合の入りの悪さ。緊張とガードがボールを持ちすぎていたことや、ウィングがディナイされていたのでパスが回らなかったこと。(個人の反省点は)逆転できるぐらいのディフェンスができなかった。また相手はみんな体が強くて同じ2部だけどもっとトレーニングを積み重ねていかないといけないと思った。(次戦に向けて)自分はオフェンス力がないので、とにかく足を動かして体張ってディフェンスを頑張っていきたいと思う。


・佐久間(済1・東海大相模)
最後にできたプレーを最初からできていれば良かった。入りはいつも課題。初戦と同じパターンで、ベンチでは点差を縮められるって声をかけられたが今回はだめだった。(ダブルチームは)大野とやろうと。監督からの指示もあったが、今回はうまくはまった。コミュニケーションがとれた。(反省は)ミスが多い。ミスが多くなるとチームとしてもだめ。一人のミスが、チーム全体に影響してしまう。(大東大は)センターでやられると思ったが今回は周りが良くなかった。チーム的にディフェンスが良くなかった。最初のディフェンスで自分たちが引いてしまった。(次戦に向けて)青学大も強いが勝てない相手ではないと思う。勝ちたい。


TEXT=木谷加奈子 PHOTO=山下華歩、高橋雪乃