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2015.08.20
コラム

第475回 魅力を発信すること 執筆者・當麻彰紘

 小、中、高校生のみなさんはそろそろ夏休みの宿題に追われ始める頃でしょうか。こんにちは、先週末に慣れない子守をして疲労たっぷりの當麻が今週のコラムをお届けします。

 さて、私は先週、サッカー部が初出場した総理大臣杯の取材をしに大阪へ行って参りました。明大に敗れてベスト8という結果でしたが、創部初の全国舞台をこの目で見ることができたのは我々取材陣にとっても素晴らしい経験となりました。

 サッカー部が今年躍進を遂げる中で、スポ東サッカー班にも変化が起きています。それは、先ほど触れた総理大臣杯や天皇杯予選と、サッカー班が夏にこれだけ多くの取材を重ねるのはおそらく今までに無かったことではないかということ。1年生当時に希望していたサッカー班に今年ついに入ることができた私ですが、まさかここまで忙しいものだとは最初は思いもしませんでした。嬉しい悲鳴です。

 その中で思うことがあります。試合を取材していて感じるピッチ上の臨場感のようなものをもっと文字にして伝えたいとは思うのですが、これがどうも難しい。そんなことを思うたびに次の言葉を思い出します。「サッカーって平面で見る感覚でイメージを高めないと。後から上から見たときにあーだとかこーだっていうのはビデオを見ればわかるが、それに頼るわけにはいかない」。以前、湘南ベルマーレの曹貴裁監督がUEFAチャンピオンズリーグ、アーセナル対ドルトムントのテレビ解説に登場した際に出た発言です。これは監督について語った際に出た言葉なのですが、私たちメディアに置き換えることもできるのではないでしょうか。大学サッカーを伝える中で、私たちはビデオという文明の利器を使うことはありません。さらに、上、つまりスタンドからの俯瞰もできないことがあるので、平面で見る力というものはどうしても重要になってきます。テレビで散々サッカーを見てきた私ですが、このテレビと平面で見るサッカーの差というものに未だに戸惑っています。ただ、サッカーを見る視点や引き出しみたいなものは以前よりも格段に増してきて、記事により試合の奥に突っ込んだ内容を取り入れることができるようになっているのは個人的には収穫です。他の競技を1年以上取材してきた中で得た経験も活きているのかもしれませんね。

 サッカーというものほど、知識が深くない人に対して一連の動きを文字で伝えることが難しいスポーツは無いと私は思います。しかし、それだからこそ型にはまらない記事を書くというチャレンジができるのもサッカーの魅力です。いかにサッカーの知識が深くない人がサッカーに興味を持ってくれるか。そのためには平面という限られた視点から何を伝えればいいのか。今はその理想を目指して精進あるのみです。最近ではサッカー部の躍進により、我々スポ東のTwitterアカウントにサッカー好きと思われるフォロワー様が増えています。当然私の記事もより多くの人が目にすることとなります。これ以上ないモチベーションです。

 長くなりましたが最後までご覧いただきありがとうございます。本日、私はさらなるサッカーの魅力を伝えるべく、天皇杯予選準決勝の取材をして参ります。このスポ東で取材できるありがたみを噛みしめながら。