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2023.11.13
硬式野球

[硬式野球]水谷、先頭打者本塁打!壮絶な戦いの末に引き分け、残留の行方は次試合へ持ち越し

東都大学野球 秋季1部2部入替戦・駒大2回戦

11月12日(日) 神宮球場 

駒大7-7東洋大



駒大
東洋大


二塁打:山田(二回)、秋元(二回)、山田(三回)

本塁打:水谷(一回)


細野、島田、加藤慶、野澤、石上祐、一條ー後藤


・打者成績

打順守備名前
(右)水谷(営4=龍谷大平安)
(中)左秋元(済2=木更津総合)
(三)宮下(総2=北海)
(一)池田(営2=三重)
(二)吉田(営2=龍谷大平安
(指)嶋村(法3=栄北)


打指宮本(総4=大阪桐蔭)

(遊)石上泰(営4=徳島商)
(捕)後藤(法4=京都学園)

(左)山田(総1=木更津総合)

橋本吏(総4=花咲徳栄)


33


・投手成績

勝敗名前球数四死球三振

細野(総4=東亜学園)  12/343

島田(総2=木更津総合)55

加藤慶(営3=龍谷大平安)  11/330

野澤(総4=龍谷大平安)22/346

石上祐(法4=東洋大牛久)1/3

一條(総3=常総学院)21


先頭打者本塁打を放ち、チームを勢いづけた水谷


本試合2本の適時二塁打、守備でも安定感を見せ

これからが楽しみな山田


打席での粘りや適時二塁打を放つなど2番打者として

チームを支える秋元


痛恨の被弾でマウンドにうずくまる野澤

この戦いを勝ち抜くためには4年生の力が欠かせない


試合終了時、会見中に神宮のバックスクリーンに映される

7ー7のスコアボードを見つめていた



前日同様、試合前から照明に明かりが灯り、寒気の訪れを感じる11月の神宮球場で行われた1部2部入れ替え戦の第2戦。気候とは裏腹に、試合展開は寒さを吹き飛ばすほどの濃く、熱いものだった。


前日の井上監督の公表通り、先発のマウンドに上がったのは細野(総4=東亜学園)。いきなり四死球で無死1.2塁のピンチを招くも、三振とフライで後続を断ち無失点。不安を残しながらも0で初回を終える。

裏の攻撃、打席に向かうのは1番水谷(営4=龍谷大平安)。主将としてチームを勢いづけるべく、打席に入り思いっきり振り抜いた打球はレフトスタンドへ。先頭打者本塁打を放ち、幸先よく先制に成功。打った水谷はガッツポーズを見せ、ベンチもスタンドも初回から大盛り上がり。さらに四球と相手の暴投で1点を追加。東洋大が初回から試合の流れを掴んだ。


2回、細野は先頭にヒットで出塁を許すと、適時打を打たれ1失点。さらに四球で2死満塁のピンチを招くと井上監督は「迷いませんでした」と試合序盤ながら迷わず継投。このピンチにマウンドに上がったのは今秋初登板の島田(総2=木更津総合)。ボールが先行しカウントを悪くするも、中飛に打ち取り同点のピンチを凌いだ。1点差に迫られた後、攻撃陣は1死1.2塁のチャンスを作ると山田(総1=木更津総合)と秋元(済2=木更津総合)が左適時二塁打を放ち、この回3得点。再び駒大を突き放す。


3回、4回で1失点ずつ喫するも、3回の攻撃時には山田が2打席連続となる適時二塁打を放つなど、両者一歩も引かず譲らずの展開が続き、5回終了時点で東洋大が3点リード。その後、スコアボードに互いに0の文字を刻みながら試合は終盤へ。


ここまで苦しみながらもリードを守ってきた東洋大。しかし野球の神様は簡単に勝たせてはくれなかった。

8回、6回途中からマウンドに上がっていた野澤(総4=龍谷大平安)はヒットとエラーで1死1.2塁のピンチを招くも、次打者を中飛に抑え2アウト。勝利まであとアウト4つまで迫っていた中で、迎えた打者が野澤の球を捉え打球はライトへ。右翼を守る水谷がフェンスによじ登るも、打球はさらにその上を越えスタンドに。試合終盤でまさかの同点3ラン本塁打。試合を振り出しに戻され、野澤はライトスタンドを見つめるしかなかった。


最大5点差を追いつき、三塁側スタンドからは大きな歓声。駒大の反撃ムードが神宮球場を包み込む異様な雰囲気の中、野澤の後を受けた石上祐(法4=東洋大牛久)が後続を断ち裏の攻撃に望みを繋ぐ。しかし、盗塁死などが重なり無得点で終わる。

9回、駒大の攻撃のターンになると反撃ムードが再燃。その状況の中で二夜連続の登板となった一條(総3=常総学院)だが、先頭に四球を許してしまう。その後得点圏に走者を進められ、一打勝ち越しのピンチに。しかし一條はそんな空気の中で次打者を右飛に打ち取り無失点。結果で歓声を静めた。

この時点で試合時間から3時間26分が経過。連盟規定により延長の可能性は消滅。東洋大が勝つにはサヨナラ勝ち一択となった。しかし、9回裏は相手投手の前に三者凡退。引き分けで試合終了となり、残留の行方は明日へ持ち越しとなった。


今試合は東都大学野球がタイブレーク制を採用してから初の引き分け試合。この記録からもこの試合の壮絶さが伺える。試合途中からこの壮絶な試合展開になることを感じており、会見の際には会見場から見えるバックスクリーンに映されたスコアを終始悔しげな表情で見つめていた水谷主将。投手陣をねぎらいながらも、勝利へのこだわりを語った井上監督。この引き分けは東洋大にとっても駒大にとっても大きなものとなった。東洋大ナインはまだ残留に王手をかけており、道は閉ざされていない。今日の悔しさを晴らすべく、来季を一部で戦うために、明日の第3戦、全力で勝ちに行く。


■コメント

・井上監督

疲れましたね。(壮絶な試合になった。引き分けで終えて今)本心ですか。そんなの勝ちたいに決まってるじゃないですか。(早い段階で細野を代えた)あれは想定内です。だから投手を8人入れてますし。(明日も彼は戦力として)まあ。楽しい試合でしたね今日は。でも、お互い四球とかミスが絡んでますよね。(相手が山川君になってから打線がつながらなくなった)そうですね。でも9回のうちでずっと打てるわけないので。中盤まであれだけ点を取ったから投手陣に頑張ってほしかったですけどね。けど、言い訳ですけど、言い訳になると思いますけど、だいぶ寒かったので。だいぶ(肩)作るのとか大変だったと思う。けどお互い様なんでそんなこと言ってられない。(監督的には細野をどんな気持ちで送り出した)最後だからやってくれるだろう。(交代のタイミングは迷いなく)はい。ちょっと遅れたくらいですね。ほんとは1回で代えようと思ったんですけど。


・水谷主将

(自身の先頭打者本塁打から始まった試合がこんな試合に)こんな試合に途中からなるなって思っていて、チャンスの場面とか1点でも多くとりたいと思って打席入ってたんですけど、そのツケが回ってきたというか。逆に言うと、四球11個も出して負けなくてよかったというのはあります。明日やり返すしかないと思ってるので、明日頑張ります。(明日勝てば1部残留を決められる、気持ちは)苦しい試合だったので。みんな必死にやってる中のこういう試合だったので。東洋も駒澤も必死なので。最後は気持ちかなって思うので。そこで僕が引っ張っていければみんなも付いてきてくれると思う。僕にかかってると思ってやりたいと思ってます。(明日勝てば最後の試合、主将として細野が投げた時にかける期待)悔しい思いは持ってると思うので。それが空回りしないように、こういう時こそ冷静になって、何がダメだったのかっていうのをしっかり考えないと、また同じ目にあうと思う。そこだけ注意してみんなで支えられたらなって。打たせればみんな守ってくれる。そういう投球ができればいいなって。(本塁打が飛び出るなど打撃の状態が上がってきた)秋も調子が悪いとは思ってなかったんですけど、1試合1本打つことが目標の中でマルチ安打とか、今日もですけど1本出てからもう1本出せないのが自分の課題だと思うので。全部打つというか、今日は本塁打になりましたけど、全打席全ヒットって気持ちでやって、僕が出ればみんな還してくれると思うので。それくらいの気持ちでやってます。


TEXT=成吉葵/PHOTO=成吉葵・一ノ瀬志織