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2015.09.21
アイススケート

[ホッケー部門]開幕戦勝利に笑顔なし フィジカルプレー出し切れず

平成27年度関東大学アイスホッケーリーグ戦

9月19日(土) DyDoドリンコアイスアリーナ


東洋大7-3慶大


[ゴール・アシスト]

10:07 岩野(飯島、柴田)

20:27 今野(田中、山田)

23:08 人里(柴田)

26:14 武尾(今村、梅野)

29:03 武尾(岩野)

35:00 人里(岩野)

44:57 田中


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得点王に期待がかかるFW今野主将の強さは健在だ

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FW人里は華麗なパックさばきを披露し2得点を挙げる


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守備だけでなく、1ゴール、2アシストと得点に貢献したDF岩野


 秋季リーグ戦開幕初戦の相手は慶大。2ピリで5点獲得するなど結果だけを見れば点差をつけた勝利であったが、序盤は押された展開で持ち味のフィジカルプレーを発揮することができず内容面に課題が残った。


 秋季リーグ戦が開幕した。悲願の優勝を目指す東洋大は、初戦を勝利で飾り勢いづけたいところだ。だが1ピリは緊張感もあり足が硬直して、なかなか自分たちのプレーができずもどかしい時間が続く。沈黙を破ったのは開始10分、DF岩野(社4・武相)の鮮やかなロングシュートで先制点を挙げる。しかし終盤、ゴール前で慶大に激しく攻め込まれ1点を失う。

 悪い流れを断ち切りたい2ピリは、開始わずか30秒でFW今野主将(社4・清水)が追加点を奪う。その3分後にはFW人里(社3・白樺学園)が相手GKの一瞬の隙を見逃さずゴール。だがその直後に1点を返され、相手ベンチの歓喜がリンクに響き渡った。しかしそれを跳ね返すかのように、FW武尾(社4・八戸工大一)がDF岩野から受けたパスからGKの肩上を抜くシュートを決め、さらにPPの間にもGKを苦しめるゴール付近の長い攻撃の末に1点を奪う。FW人里も今試合2得点目を挙げ、怒涛のゴールラッシュで6対2と実力の差を見せつけた。

 勝利は確信した。失点を許したくない3ピリであったが、疲れも見えてきたGK脇本(社4・苫小牧工)がパックを止めきれず1点献上してしまう。しかし東洋大もダメ押しの1打を決め、そのまま7対3でリーグ戦初戦を白星で飾った。

 「立ち上がりが悪く慶大に勢いで負けた」とFW今野主将が言うように、快勝するも、試合後の選手や首脳陣は反省を口にした。夏合宿を通して、自分を制御することを強化した選手たちは、反則を我慢した代わりに持ち味のフィジカルプレーが影を潜めてしまった。失点を防ぐためにいかに自らを犠牲にするか、個々の決断、さらにはチーム全体の判断力が今後のカギとなる。臨機応変なプレーを心掛けつつ、フィジカルな攻撃をベースに勝利を積み重ねていきたい。


■コメント

・鈴木監督

初戦勝てたことはよかった。夏合宿から取り組んできた自分たちをコントロールしてペナルティを少なくしたことが勝敗を分けたのだと思う。その分消極的なプレーもあったし、5人対5人では完全に慶大に負けていた。個々の判断の悪さが全員の判断の悪さにつながってスピードもなくなった。これを修正して次に向かいたい。フィジカルにプレーすることがうちのベースであるが、今日は判断の悪さがスケートができなかったりフィジカルの弱さにつながっていた。何かの意識を強く変えないとそのスタートは始まらないと思うので、今日でメンタルのコントロールも選手たちは学んだと思うので、反則に気を付けつつフィジカルにプレーすることもメンタルのコントロールなのでそこも修正したい。このリーグで勝つということが一番の目標ではあるが、選手の目標はもっと上にあるのでフィジカルなプレーは続けていきたい。(次の試合に向けて)スピード、フィジカルなプレーが少なかったので、次はもっとフィジカルにチャレンジしたい。


・FW今野主将(社4・清水)

立ち上がりが凄い悪くて慶大に勢いで負けてた。初戦と言うことでみんな緊張していた。試合に勝てたことと、ペナルティが少ないことは良かった。(2ピリ始まる前に何を言われたか)立ち上がり悪かったとこを指摘され、もっとフィジカルに2ピリの頭から行こうと言われた。(パワープレーについて)パワープレーがキーになることはわかっていたが、もうちょっと決定力が足りなかった。(自身のゴールについて)1対1の場面で点数が欲しくてフリーで打てて良かった。(緊張しましたか)緊張しました。待ちに待ったリーグ戦が始まって、みんなで辛い練習乗り越えて来て、練習の成果が発揮できると思うと緊張した。だけど楽しかった。(次に向けて)今日の状態だと次の試合は厳しいと思う。スケートだったり、フィジカルだったり修整したい。しかし、今日の内容は頭を下げるものじゃないので、みんなで話し合って修整したい。

 

・FW武尾(社4・八戸工大一)

最初から東洋らしいホッケーができなかった。(2ピリ始まる前は)監督に1ピリのことは忘れて、2ピリ最初からガンガン行けと言われた。(パワープレーについて)自分が少し外しちゃってもっと決定力を上げたい。(自分のゴールについて)良いパスがもらえたので決めるだけだった。チームに貢献できて良かった。(今のチームの雰囲気)夏合宿を終えてからチームの雰囲気は良いと思う(次の試合に向けて)今日のままでは負けてしまうと思うので、もっと守りを良くしたい。


・DF岩野(社4・武相)

今日は勝てはしたが、無駄な失点が多かったので、修正して次の試合につなげていきたい。(自身の評価)良いところでパスをもらったので、打った。次の試合でもチャンスがあればどんどん攻めていきたい。(慶大について)とてもハードワークなチームなので、1ピリはやりづらく攻め込まれたままだったが、キーパーを中心に守って良い形で2ピリを迎えられた。(次の試合に向けて)インカレでも連戦が続くので、気にせずに次の試合でもしっかりプレーしたい。今日悪い点も良い点もあったので、法政大では悪いプレーを修正していきたい。


・FW人里(社3・白樺学園)

立ち上がりも良くなくて、1ピリ通してもいい動きができなかった。2ピリからは点を取れたが、反省しなくてはいけない部分が多かった。自分たちのやりたいフィジカルなプレーが慶応大学さんの方ができていた。スティックの反則はしないようにスタッフからも言われているし、僕らも全員気を付けている。今日の2回もなくしていかなければいけない。(次の試合に向けて)法政大学さんも技術が高い選手がたくさんいて、前に試合をしたときも苦しめられた。今日みたいなゲームをしていたら勝てないと思うので、切り替えて、最初からいいプレーをしてチャンスを与えずに、しっかり流れをつかんでいけたらいいなと思う。


TEXT=酒井奈津子 POHOTO=中田有香、星和典