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2015.10.18
バスケ

[バスケ]江戸川大に逆転勝ち 山本、執念の同点シュート

第91回関東大学バスケットボールリーグ戦
10月18日(日)日本体育大学世田谷キャンパス


東洋大74-73江戸川大

  28|1Q|21
  9|2Q|18
  17|3Q|18
  20|4Q|18

スタートメンバー
2 山口健大(済3=桐光学園)
11 中村晃太郎(済3=幕張総合)
25 島崎脩(ラ3=松本蟻ヶ崎)
54 マッカーサーエリックジュニア(国1=デイナ)
88 山本大貴(済3=市立船橋)


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スリーポイントでチームに追い風を吹かせた井上


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山本のシュートが同点へ導いた


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ラスト30秒で逆転し、歓喜に沸くベンチメンバー


 江戸川大との2戦目は74対73と大接戦を制す。出だしは28点を挙げ好調。このまま勝利かと思ったところで隙を突かれ逆転される。しかし、目(さっか)監督の指揮と、後半から点が伸び始めた山本(済3=市立船橋)の同点ゴールが勝負を決めた。


 目監督の采配が逆転劇を呼んだ。「ゾーンにするのは正直迷った」。開始からディフェンスはマンツーマン。ほぼ全員が自身より身長の高い選手にマークする中、懸命に足を動かし食らい付いていた。さらに、オフェンスは井上(済4=昌平)のスリーポイントが多く決まり得点を重ね、いい滑り出しだった。

 しかし、外からのシュートに頼りきった攻めが、相手の転機となる。「オフェンスの外と中のバランスが崩れた」と目監督が振り返るように、インサイドにボールが渡らないという攻撃面の穴を攻められ逆転を許した。戻りが遅くなりディフェンスも崩れてきたとき、目監督からゾーンディフェンスへの切り替えの指示が出る。序盤はうまく回っていたマンツーマン。最後の最後でゾーンに変えることは「一か八かの賭け」。だが、これが相手の足を止め、オフェンスも波に乗り始め、山本を中心に中からのシュートも入り始めた。山本は前日に痛めた足の存在を思わせないほど、積極的にゴールに向かっていく。「(足の痛みは)アドレナリンが出れば何とかなるかなと思った」。途中、苦しそうな表情を見せベンチに下がるも、すぐにコートへ戻った。そして、4Q残り1分半で「入るような気がしていた」というシュートで同点。最後まで諦めない全員の思いが逆転勝ちを引き寄せた。


 この1勝で5位の立大と勝率が並んだ。現在は6位と、このままでは前年と同じ結果でリーグ戦を終えることになる。次戦は関学大戦。1戦目に大差で勝った相手とはいえ、ポイントランキング2部1位のシューターがおり油断は禁物。「もう負けられない」。あと4試合を全勝し、順位を上げていきたいところだ。


◼︎コメント

・目(さっか)監督

出だしは良かったが、2Qからオフェンスが単発になってきてスリーポイントに頼りすぎた。何度もインサイドに入れるように指示をしたができなかった。オフェンスの外と中のバランスが崩れたことが、中盤逆転された原因。でもディフェンスを、ずっとマンツーマンで付いていたところを最後ゾーンに変えて相手が止まったところで追い上げられた。ゾーンにするのは正直迷った。一か八かの賭け。これが当たったのが勝因だと思う。もう負けられない。勝ちます。


・井上(済4=昌平)

負けたら下の入れ替え戦、勝ったら上が見えてくる大事な1戦だった。負けられない試合でチーム一丸となって戦った。(1Qでスリーポイントが決まっていたが)残り試合少ないので、力を出し切り強気でシュートを打っていこうと思っていた。内容はあまり良くない試合だった。1周目のときも同じような試合展開で、離せるときに離せなかった。最後までの粘りが勝因。フリースローでつないで、リバウンドも頑張る泥臭いプレーが良かった。(課題は)フリースローを2本中1本外してしまい、もったいなかった。また、速攻を食らったときのオフェンスが遅かった。相手がゾーンを組んでから攻めていたので、それを崩せず負けていた。残り4試合なので、死ぬ気でラストイヤーを頑張っていきたい。


・中村(済3=幕張総合) 

内容はどうあれ試合に勝てたのは良かった。勝負どころでディフェンスを頑張れたことが勝因。今日は各Qごとの出だしが悪かった。それを踏まえて気をつけようと話し合った。(逆転されたときは)相手のディフェンスがゾーンに変わったことで自分たちの足が止まってしまって、得点も止まってしまった。向こうに走られて逆転されてしまった。(4Qでの指示)最後ディフェンス、リバウンドとか。オフェンスは特には言われなかったが、シュートは思い切り打てというのは最近言われている。(4Qについては)緊張した。勝負どころで結構ミスをしてしまって、ゲーム全体を通していい流れでミスをしてしまって迷惑をかけてしまった。(次戦に向けて)順位が下のチームに負けてしまうと下が見えてしまうので。残り4戦ということで最後なので全勝して終わりたい。


・山本(済3=市立船橋)
後半だけ見ればシュートはよく入ったなとは思うが、やっぱり全体的にもっとコンスタントに決まるようにならなければいけない。(逆転されてからの立て直しは)相手のファールトラブルを攻め込んだ。ゾーンも機能したので、うまく自分たちのペースに持っていけたのかなと思う。(同点ゴールのときは)もうボールが来たら打つしかないと。前半あまりシュートが入らなくて今日はダメかなと思っていたが、後半から入り始めたので入るような気がしていた。(応援席の盛り上がりは)やっぱり力になった。東洋大の応援は他とは違うというか、にぎやかなので元気が出る。次の関学大は小さいチームなので、自分やエリックがインサイドで点数を取ったりリバウンドにいくことが求められると思う。これから全勝してリーグ戦を終えたい。


TEXT=木谷加奈子 PHOTO=福山知晃、高橋雪乃