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2015.11.15
サッカー

[サッカー]筑波の守備崩せず 昇格は来季に持ち越し

第89回関東大学サッカーリーグ戦 2部リーグ(後期)

第11節(第22節/最終節)  11月14日(土) 東京国際大学第一サッカー場


東洋大1-1筑波大


<得点者>

42分 遊馬

<出場メンバー>

▽GK

沖野泰斗(国4=幕張総合)

▽DF

石坂元気(国4=広島Y)78分→FW佐藤仁紀(国3=武南)

郡司昌弥(国4=柏U-18)

浦上仁騎(国1=大宮Y)

長谷川優希(国4=帝京)

▽MF

小山北斗(国4=帝京)

小山大貴(国4=大宮Y)46分→MF小島正之介(ラ4=常総アイデンティティU-18)

田中舟汰郎(国3=横浜FC・Y)69分→FW杉山丈一郎(国4=市立船橋)

高橋宏季(国1=FC東京U-18)

▽FW

遊馬将也(国4=武南)

仙頭啓矢(国3=京都橘)


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失点を悔やむ沖野


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遊馬は21試合で16点を奪って得点王に


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最後の挨拶では悔しさのあまり涙を流す選手も


 僅かながら1部昇格への可能性を残し迎えたリーグ最終節は、前半に遊馬がPKを決め1点を先制する。後半も攻めに行くがあと1点が遠く、逆に同点とされ苦しい展開となる。試合はこのまま終了し、今季での昇格にはあと一歩届かなかった。


 2点差以上での勝利、さらに3位関学大が引き分け以下という結果のみ昇格ができるという厳しい条件の中、前半から果敢に攻め込む。7分には仙頭が抜け出しシュートを放つもキーパーに止められ、ゴールとはならない。さらに13分にはFKからチャンスを迎える。長谷川の蹴ったボールがゴール前の浦上に繋がり、シュートを打つもミートせず決定機を活かすことができない。その後は膠着した展開となり、一進一退の攻防が続く。このまま前半終了かと思われた41分、ロングパスに抜け出した遊馬がPAでキーパーに倒されPKを獲得。これを自ら決めて、欲しかった先制点を奪う。前半はこのまま終了し、1点リードで後半を迎える。

 後半も立ち上がりから攻め立てる。48分にはカウンターから持ち込んだ仙頭がクロスを上げるもチャンスにはならない。52分にも遊馬からのパスを小山北がミドルシュート。しかし、枠を捉えることができない。次第に相手に押し込まれる展開が続き、我慢の時間が続く。それでも何とか踏ん張り、カウンターからゴールに迫るが最後の所で決めきることができず、時間が過ぎていく。69分にはこの展開を打開するべく、田中に変わって杉山が投入され攻撃のギアをあげるが、76分にカウンターから失点してしまう。これで昇格に必要なゴール数は”2点”に。とにかく追加点を奪うしかない終盤は人数をかけて攻めるも、相手の固い守備を崩すことができず、試合はこのまま終了。

 同時刻に行われていた関学大が負けたため、2点差での勝利で昇格が決まったこの試合は、1点が遠く、あと一歩の所で決めきることができず。すべてが決まる最終節のプレッシャー、さらには悪天候だったこともあり、いつものような素早いパス回しは精彩を欠いていた。

 これで今季のリーグ戦は終了し、4位で終えることとなった。夏には創部初の全国大会も経験し、また天皇杯予選ではJクラブとも対戦し、チームとしても個人としても大きく成長したが、後期序盤の東海大、拓大に勝てず1年間を通した勝負強さに課題を残した。エースでキャプテンの遊馬などチームの要が多くいなくなる来季だが、昇格に向けてチームは新たに進み続ける。


■コメント

・古川監督

昇格の条件は選手も認識していた。前半で先制点が欲しいというのと、守備のところは失点を与えてしまうとその分得点が増えてしまうのでしっかりゲームを作って行って、攻撃の方はチャンスをしっかりモノにするという、いつも通りの気持ちで臨んだ。前半はパーフェクトな内容だった。その状況の中で攻撃的な選手の交代枠をどんどん切って行った。2点目を目指したが残念ながらカウンターから同点ゴールを献上してしまった。あと2点というのは重たかった。最終節までに可能性を残して直接対決を迎えるのが目標だった。ここまで引っ張て来てくれた4年生には感謝の言葉しかない。



・遊馬将也(国4=武南)

2点目以上で勝たなければいけない試合だったが、うまく先制して流れを持っていけるかと思いつつ、筑波も前がかりに来ることを想定していた中で、押し込まれる時間帯が長くなってしまって、その悪い流れを断ち切れずに失点をしてしまったという印象だった。そういったことは来年以降、悪い流れでも断ち切れるというところをもっと上げていかなければいけない。(4年間を振り返って)最初は1年と2点ではリーグ戦に絡めなくて、正直悔しい思いもしたが、下でもしっかりと結果を残してきたおかげで、去年や今年もこういう舞台で試合ができているということは、この大学4年間、しっかり努力してやってきたのでここまで来れたと思っている。そういったところはスタッフを含め、いろんな人に支えてもらってサッカーができたのではないかと思う。そういうところは良かった。(特に来年期待する選手は)今年試合に絡んでくれた選手はもちろんだが、2年生の小澤佑太。彼も同じストライカーで、自分よりも身長があって、怪我をしていたがようやく練習にも参加してやってくれているので、他にも良いFWはたくさんいるが、彼にはもっと成長して試合にも絡んできてほしい。怪我明けたばかりだが自分に対してもっと厳しくやってどんどん試合に絡んでいってほしいという思いがある。(来年の進路について)サッカーは続ける。けれど、正直具体的な進路だったりとかはまだ決まってない中で、今日で大学サッカーの日程が終了してこれからがまた勝負になってくるので、コンディションを落とさずに、自分に厳しくしてもっとレベルアップしていけたらと思っている。



・石坂元気(国4=広島Y)

自力ではないが2点差以上で勝って関学が負ければ、自分たちが1部昇格できるという試合の中で、先制点を良い時間で取れてチームの勢いも乗って、そのまま2点目、3点目を取れて昇格に繋げられれば良かった。後半は筑波も1部昇格がかかっていたので、押し込まれていた。そこで我慢して無失点で抑えるか、1点取られて引き分けて昇格の可能性が無くなるのかは、何かが足りなかったから去年も今年も、1部昇格に繋げられなかったのかなと思う。この1年自分たちが最上級生としてやってきて、全国初出場だったり天皇杯で良いところまで行ったり、最後まで1部昇格を目指してやれたということは、今後の自分のサッカー人生にも繋がると思う。4年間やってきた仲間と最後まで一緒にできたって事は良いことだった。悔しい思いもあるし、自分は途中交代だったので、自分の情けなさや最後まで出れなかった虚しさを感じ、自分でやってきたことが足らなかったから途中で変わったし、最後まで試合に出れなかったのかなと感じた。(最後集まってどんな言葉かけがあったか)あと一歩のところで、去年も今年も一部昇格を目の前にして逃しているので、そこで監督も何かが足りなかったと話して、そのあとに遊馬から一言あって、今年1年生がたくさん試合に出ていて、2年3年生が上級生となって引っ張っていくことで、今年成し得なかった1部昇格を後輩たちがやってくれると思うので頑張ってほしいと思う。(来年の進路について)まだ進路については、最終的にはまだ決まってないが、サッカーの方は続けていこうと思っている。チームの練習参加なども行くので、そこでやっていければ良いと思う。東洋でやってきたことをアピールできるように頑張りたい。

・小山北斗(国4=帝京

2点差以上で勝たないと昇格というものが無かった中で、前半良い形で点が取れて、後半を迎えたが失点してしまったので難しくなった。(4年間を振り返って)入ってきたときは周りの先輩も同期もみんな上手くてまた1からサッカーを頑張ろうと思ってコツコツ自分なりに頑張ってきた。(下級生の選手たちにはどのような言葉を)去年も今年もあと半歩で昇格を逃して、この半歩を縮めるのは相当難しい作業だと思うが、今の下級生たちはみんな技術もしっかりあって、サッカーも頑張っているので過信せずに頑張ってほしい。(来年の進路について)これからもサッカーを続けていきたいと思っている。



・今井裕基(国4=埼玉栄)

前期は勝てなかったりして難しい試合も多かったが、夏の大臣杯や天皇杯を経験して、後期にはいい形で迎えられた。初戦は勝てなかったがみんなで声を掛け直して昇格争いまで行けたのは良かった。(自身に関して)出たり出なかったりでつらい時期もあった。最後も出れなくて辛い時期の方が多かったが、全員で一つ一つの試合に勝とうとは思ってたので最後も勝ちかったけど... (今後の去就は)サッカーを続けたい。JFLやJ3といった少しでも上のカテゴリーでやりたい。(後輩に向けて)今季全国出たというのもあって、特に1個下の後輩なんかはいい経験積んでいると思う。来年は1部昇格して欲しい。


・池田稔樹(国4=桐生第一)

前期の最初とか悪い時期が多かったが、天皇杯とか大臣杯でいい結果を残せて、後期もいい感じで勝ててた。ただ最後(昇格争いに)負けちゃって昇格できないのはまだ足りないところがある。上がれないのにも原因がある。来年はもっとそこを突き詰めてやって欲しい。(自身に関しては)シーズンが始まる前にケガしちゃって関東リーグであまり関われなかった。ただ最後はチームのために応援もちゃんとできたのでいい1年になった。(今後は)考え中。ちょっと休んでやるのかやらないのか(決めたい)。練習参加はまだすると思うので、それで時間が経ってから決めたい。(後輩に向けて)今年目の前で上がれなかった悔しいのを目で見て感じていると思うので、また来年しないようにスタートダッシュから勝って、昇格とか、また全国に出てもっと上に行くとか、そういう結果で残して欲しい。


・郡司昌弥(国4=柏U-18)

最後の試合だったので、自分ができることは最大限出したいなと思っていた。前半押し込んだ中で、先制点をとれたのはよかったが、その後(昇格のために必要な)追加点が取れなかったのは現実だし、失点もしてしまった。後輩たちには来年頑張ってほしい。昇格するためにシーズン、とくに後期は頑張ってきたわけだからそこで結果が出なかったのは悔しい。けどその戦いの過程というか、練習とか見てても厳しさだったりいい緊張感の科でやれていたからこれを続けていってほしい。(4年間を振り返って)高校時代、僕はそこまで才能があるほうではなかったというか、試合には出ていたが特別何かすごいものをもっていたかというとそうではなかった。でも、ここに来て同じ価値観の元でサッカーができたので本当に古さん(古川監督)には感謝してるし、このサッカーをずっとずっと東洋大学がつなげていってほしい。とくに来季の4年生には頑張ってほしい。(進路は)サッカーを続けていくか?って言われたら続けていきたいけど断言はいまのところできない。どこの道に行っても自分らしさをもって進んでいきたいと思う。



TEXT=豊川拳大 PHOTO=横山恵美、當麻彰紘、村田真奈美