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2015.11.30
陸上競技

[陸上競技]いろは坂女子駅伝 経験を積むチャンスに

第2回日光いろは坂女子駅伝

11月29日(日) 日光だいや川公園~日光二荒山神社中宮祠 6区間23.4㎞


 

総合 12位 東洋大 1:39'55

1区 14位 渡部志保(食2=流山南)18'22(通過 14位)

2区 15位 曽我笑夢(食1=須磨学園)20'37(通過 14位)

3区 7位 小笠原楓(食2=盛岡誠桜)15'46(通過 12位)

4区 12位 鈴木美歩(生4=津商)15'24(通過 12位)

5区 15位 柴田桃花(食3=三浦学苑)16'54(通過 13位)

6区 7位 岩崎陽香(食2=七尾)12'52


 

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 第1中継所 渡辺(左)―曽我


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 第2中継所 曽我(左)―小笠原


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第5中継所 柴田(左)―岩崎
 


日光で行われたいろは坂女子駅伝大会に、駅伝経験の少ない選手で構成されたチームで出場。昨年より順位を落とす結果となったが、駅伝の経験を積む実りのある大会となった。


  いろは坂女子駅伝は標高差875mもあるという登り坂に特化したコースを有する。そのため、特に1区から5区まではこの坂に対応できなければならない。「1区から出遅れたくなかった」という永井監督の思いのもと抜擢されたのが渡部だった。実力者が集うなか「ギリギリまで前の方でレースを進めて勝負してみよう」と積極的にレースに挑む。しかし、2km付近でコースがやや平坦になるとスピードに乗れず離されてしまい、14位でタスキリレーとなった。続く曽我は今大会が大学で初めての駅伝であった。前を行く東学大を追う展開になるが追い切れず、順位はそのままにタスキは3区小笠原へ。昨年は4区の急勾配を走った経験から「中盤区間として次につながる走りを意識した」と落ち着いた様子で前の選手を捉えると、小笠原は2人を追い抜く区間7位の快走を見せた。


レースは後半戦。大会名でもあるいろは坂が待ち受ける4区・5区は急な上り坂に加え、山道のカーブが延々と続く厳しい区間である。その4区を担ったのは4年生で唯一のエントリーであった鈴木だ。山道で前を行く選手が見え隠れするのに対し、自分のリズムを乱されることなく坂道を走り抜いた。5区の柴田は中継所ですぐ後ろまで迫ってきていた選手に序盤で抜かされ巻き返すことができず、13位でアンカー・岩崎へタスキをつなぐ。最終区間はいろは坂を上り終えた後の平坦なコースだ。昨年は故障が多くレースにあまり出られず、駅伝出場は今大会が初めてだった岩崎。きつい坂を上り、タスキをつないだ仲間たちのことを思い「最後まで東洋のタスキをちゃんとつなげよう」と1人を追い抜き12位でゴール。区間7位で最終区を駆け抜けた。


 今大会には駅伝の出場経験が少ない選手を多く起用することで、駅伝の経験を積ませる狙いがあった。早くも来年の杜の都、富士山駅伝を見据えた選手の駅伝に対する経験値の底上げとなっただろう。また、来年は関東や杜の都の出場メンバーに入れるようにと各人闘志を燃やしている。こういった選手たちの姿勢が、他のメンバーにもいい刺激となるに違いない。



■コメント

・永井監督

富士山駅伝のための記録会に参加しない選手を中心にエントリーし、その中で調子のいい選手を起用した。トラックで平坦な道を練習している分にはそれほど調子の悪い選手はいなかった。ただ、いろは坂は特殊なコースだったので少し練習と駅伝の結果というのが結び付かず、やっぱり駅伝は難しいなと。(区間配置は)1区から出遅れたくなかったので、前回の日体大の記録会のいい記録の順に前から並べていくオーダーだった。アンカーの岩崎、4区の小笠原は練習通りに走ってくれた。あとの選手はやはり坂道がきついのかなという状況だったが、なかなか駅伝を経験できない選手が駅伝を経験できた。来年の駅伝、杜の都や大きい大会を走れる選手に成長していって欲しい。(今後は)日体大の記録会の方に順調に調整できているので、富士山駅伝の出場権を獲得したい。


・1区 渡部志保(食2=流山南)

周りの人はみんな自分よりタイムが速い選手ばかりなので、付いていくのは難しいと思っていたが、ギリギリまで前の方でレースを進めて勝負してみようと考えた。2kmを超えたあたりの(コースが)平坦になる部分でスピードに乗ることができず離されてしまった。(1区に選ばれたことは)急だったので驚いた。でも1区は各チームの強い人が集まる場所だと思うのでそこで走れると思ったらうれしかった。走りの評価ではまだまだ力が足りない。ただ、強い人たちと一緒のレースを走れたのはいい経験になった。いずれは関東駅伝などの主要な大会に選ばれるメンバーになって、もっとキラキラした世界を見てみたい。


・2区 曽我笑夢(食1=須磨学園)

高校のときもこんなに大きな駅伝は体験したことがない中で緊張もあったが、監督が経験を積む機会を与えてくれたので自分が今できる走りをしようと思って走った。1区の志保先輩が前の選手が見える位置でタスキを渡してくれたのに前を追い切れなかった。もっと前を追えたと思うのでそこは次の課題。思っていたよりも坂がしんどかったけれど、周りの沢山の応援が聞こえて励みになった。今回走りは全然だめだったけれど楽しかったという気持ちが大きかったので、次は関東や全日本を走ってそう思えるようにしたい。(今後は)日体大記録会の大学で2回目の5000mに出るので自己ベストを出せるよう頑張りたい。


・3区 小笠原風楓(食2=盛岡誠桜)

去年よりは下の順位で来て、前もいたが慌てず自分のペースで走ろうと思った。去年走った区間(4区)ほど急な上り坂ではないので、中盤区間として次につながる走りを意識した。前の選手を目指して走ったが、ラスト1kmはきつかった。体があまり動かなかったので、もっとキレのある走りを手に入れたい。今後は、今日のようなサブメンバーが出る大会ではなく、仙台などで走れるような力を付けていきたい。


・4区 鈴木美歩(生4=津商)

去年は5区を走ったので、ある程度いろは坂がどのくらいの上りなのかは把握していたが、それでも(坂の傾斜に)圧倒された。前に選手が見えていたが、カーブも多く、選手が見えたり見えなくなったりという中で追いかけるレースをしていた。後半はリズムを崩さないことを意識した。(4年生1人だけのエントリーについては)自分の中ではこれが最後の駅伝になると思ったので、とにかくこのメンバーで楽しみたいと思った。後輩たちはこれからもっと強くなると思うので、いつかは監督を胴上げできるようなチームになってほしい。


・5区 柴田桃花(食3=三浦学苑)

全部上りのコースだったので、ペース配分を気にして少しでも前に前にと思って走った。(レース展開は)タスキを受け取ったときからすぐ後ろに選手がいて、1km過ぎに抜かされてしまい付いていけなかったのが残念だった。そこからペースが落ちてしまってずるずると引きずってしまった。坂を走った経験がほとんどなかったので、気持ちを切らさずに走ろうと思っていたが、後半に落ちてしまったところが反省点。(今後は)12月の記録会で今までで一番いいタイムを出せるようにして、また来年に向けていい走りとなればいいなと思う


・6区 岩崎陽香(食2=七尾)

6区ということでフラットな場所を走らせてもらえて、みんな坂がきついところを頑張ってくれたので最後まで東洋のタスキをちゃんとつなげようと思って走った。(レース展開は)1.5kmくらいで前を走っていた人に追い付けたので抜かして、そこから前は見えなかったがなんとかリズムをつくって自分の走りでいけた。(自己採点すると)60点くらい。まだみんなとの練習が最近できたばかりなので、これからもっと強い選手を相手に粘り強い走りができるようになりたい。(今後は)まずトラックレースできちんと自己ベストを出してから冬に走り込んで、春のトラックや秋の駅伝にもちゃんと出場できるようになりたい。


  

TEXT=吉川実里 PHOTO=伊藤空夢、吉川実里、野原成華