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2016.01.05
アイススケート

[フィギュア部門]瑛怜菜インカレ優勝 「本当に皆様の応援のおかげ」

第88回日本学生氷上競技選手権大会

1月5日(火)栃木県立日光霧降アイスアリーナ

◆女子Cクラス

1位 榎下瑛怜菜(社4=日本橋女学館)


◆女子Cクラス団体

1位


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笑顔で演技を終えた


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表彰台で満面の笑みを見せた


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多くの花束が贈られた


 4年間の努力を優勝という形で榎下は証明した。最初のジャンプでは転倒し、その後も本人の納得する演技ではなかったが、会場を魅了する演技で見事3年ぶりにインカレの表彰台の1番上に戻ってきた。


 有終の美で大学スケート人生を終えた。榎下がリンクに立つと、今日一番の声援が会場に響く。演技のイメージは普段の明るさとは真逆な、クールで大人のスケート。榎下がフィギュアスケートの一番楽しいところと語った、観客と一体となる表現力で会場を沸かせる。だが、最初のジャンプを転倒してしまい、その後ジャンプのミスが続く。演技終了直後は「あまり良くなかった。入賞できていれば…」と肩を落とし呟いた。しかし、ふたを開けてみれば、2位に約3点差をつけ見事優勝を勝ち取った。


 「自分の取り組んでることを最後まで取り組んでくれたらいいなと思う」。榎下が語るからこそ、重みのあるコメントを後輩たちに残した。1年生のころから「次はBクラスで」と何度も語っていながらも、なかなかBクラスに上がれなかった。やっと昇格したのが、4年生の中盤。「途中何度も諦めようと思った」と、実に7年半という長い道のりだった。インカレへの登録は間に合わずCクラスの出場となり、自分がBクラスであるプレッシャーとの戦いでもある演技であった。


 「本当に皆様の応援のおかげでこのスケート人生を歩めたと思うので、感謝の気持ちでいっぱいです」と、周りへの感謝を噛みしめるように語った榎下。彼女の諦めずに努力し続ける姿が多くの人を虜にし、つかんだ優勝であった。


■コメント

・榎下(社4=日本橋女学館)

最後の引退試合終わってしまったなーという気持ち。前日は緊張していたが、演技前は不思議なくらい緊張してなかった。普段は明るくて、よく笑うが、演技ではクールでかっこよいのをイメージした。80点余り納得のできるものではなかったが、結果優勝できたので。1年生の時優勝したが2、3年優勝できなくて4年生になってやっと表彰台の一番上に戻ってこれたという気持ち。本当に皆様の応援のおかげでこのスケート人生を歩めたと思うので、感謝の気持ちでいっぱいです。(自分がBクラスであることの)プレッシャーはあった。Bクラスとしての恥じない滑りを見せたかった。Bクラスを取るための7年半は無駄ではなかったなと思う。途中何度も諦めようと思うことがあったが、最後まで東洋大学アイススケート部フィギュア部門でやってきて良かった。今感謝の気持ちを伝えるなら両親に伝えたい。スケートを始めたのも母の影響で、母と見に行ったフィギュアを見てジャンプがかっこいいと思って始めた。今は観客との一体感が生まれた時が一番楽しい。観客からの声はとても力になる。応援を力に変えて滑れた。有終の美で終わることは本当に難しいけど、結果より課程が大事だと私は思うので自分の取り組んでることを最後まで取り組んでくれたらいいなと思う。


TEXT=星和典 PHOTO=中田有香、坂口こよみ