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2016.01.10
アイススケート

[ホッケー部門]3決明大に敗北 「明大に勝ちたかった」


第88回日本学生氷上競技選手権大会

1月9日(土) 栃木県立日光霧降アイスアリーナ


3位決定戦

東洋大1―4明大


[ゴール・アシスト]

10:09 出口(古川誠、人里)


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最後の試合何度も好セーブを見せたGK脇本


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来季からはFW人里がキャプテンとしてチームを引っ張る



 3位決定戦はまたも明大に勝つことができず、4位でインカレを終えた。先制されるも、1ピリに追いつき同点とする。しかし、2ピリからは徐々に明大に差をつけられ、2ピリに2失点。3ピリ開始間際にも失点し1―4で敗北した。


 接戦だった。明大は昨日の不完全燃焼だった試合を、振り払うような攻撃を序盤から見せた。1ピリ始まって5分。センターライン付近でパックを奪われると、明大得意の早い展開からカウンターを受け先制される。しかし、焦りを見せずに1ピリ10分にPP(パワープレー)のチャンスを得るとFW出口(社1=駒大苫小牧)の3試合連続ゴールで追いつく。2ピリでは互角の戦いを見せ、お互い点を奪えず時間だけが過ぎていく。だが残り3分のところで決定的なパスを許してしまい失点。そのわずか2分後のSH(ショートハンド)でも失点してしまう。また、3ピリ開始30秒の場面でも空いたスペースに、きれいにパスを通され失点。流れを完全に奪われ試合終了となった。


 アイスホッケーの神様の悪戯か。3位決定戦は皮肉にも昨年のインカレ決勝と同カードの対決になった。「明大を倒して優勝したかった」と鈴木監督は明大との対決を待っていた。今の4年生の代から一度も白星を挙げていない相手を倒す舞台を、アイスホッケーの神様は用意してくれた。勝って4年生を気持ちよく卒業させるだけではなく、明大への苦手意識を払拭して来季につなげたい試合だった。


 負けはしたものの、試合後は笑顔があった。「家族の様なチームだったので終わるのが寂しい。」と儚げに語ったFW今野主将(社4=清水・北海道)。今季のチームは「仲の良いチーム」と鈴木監督が話すように、今季のチームは4年生を中心とした団結力があった。そんな、最高学年の背中を見て育った後輩たちは、来年こそ日本一という最高の称号を手に入れる。



■コメント

・鈴木監督

結果的に負けてしまったが、これが今の選手たちの実力。この結果を受け止めて、また来年3年生以下はまだチャンスがあるので来年に生かしたい。4年生は就職も含めてそれぞれの道に行くので、人生自分が望むものが手に入るとは限らない。何かを得るためには何かを犠牲にしなければならない。今の負けがあるから将来的なチームの優勝があるに変えたい。点には繋がらないチャンスは何度もあった。スコアラーとなりえる選手は多くいるので、チームのレベルが上げることが勝利に繋がる。メンタル的な部分ではしっかりやっていたが、体力的に負けているところもスキルも足りないところがあった。全体的に数字通り。昨日中大に勝っていれば決勝は日体大ということで、優勝する可能性が大きくなったがもともと、私たちは明大を倒して優勝したかったので、今日勝てなかったのでまだまだだと思う。インカレが迎えて、秋リーグより団結力が高まりレベルアップした。4年生は今日で最後ということで気持ちのあるプレーをしてくれた。今シーズンは仲の良いチームだった。僕らスタッフの思い考えに最後までついてきてくれて感謝の言葉しかない。


・FW今野主将(社4=清水・北海道)

昨日の敗戦から切り替えるのが難しくて、相手も1度も勝ってない明大ということで昨日の夜今日の朝とミーティングして勝って終わろうと話した。相手に会わせないで自分のプレーをすることが大事だと思った。キャプテンまかされてすごい悩んで大変なシーズンだった。大変だったけどみんなと楽しくホッケーできたし、このような経験をさせてくれてありがたかった。凄く楽しいチームだった。家族の様なチームだったので終わるのが寂しい。(後輩へ)1年間素晴らしい練習してきたし、素晴らしいスタッフなのであとは結果だすだけ。中大に勝てるチームだと思うしそうなって欲しい。


・FW武尾(社4=八戸工大一)

精一杯はやったが、負けたということは何かが足りなかったということ。すごい一人一人頑張っていたし勝って終わりたかったが、来年明治に勝ってもらえるように願いたい。気持ちを切り替えるのが大変だったが、勝ったことのない明治と戦えるチャンスだったので、勝って終わろうと気持ちを切り替えた。今年はいろいろ大変な1年だった。一人一人の個性が強くてチームも最初はバラバラだったが、試合を重ねるごとに1つになっていった。熱い気持ちを持っている選手が多かった。熱いチームでした。


・DF岩野(社4=武相)

最後の試合だったので勝ちたい気持ちがあったが勝てなくて残念。4年間一生懸命戦い続けたのでそこはよかったが、4年間で1回も優勝することができなくて監督や学校に恩を返すことができず、後輩にも何も残すことができなかったので、そこは悔いが残る。(インカレは楽しかった、の一言。4年間のホッケー人生のまとめの大会だったので、チームメイトも4年生に勝たせてあげたいと思っていたと思うし、僕たちも後輩にいいものを残して卒業したいと思っていた。(この1年は)寮も変わっていろいろ大変なこともあったが、その中でもみんなポジティブに前へ前へ進んでいて、どんなに辛い練習にも「頑張るべ」という声を出していて、とてもポジティブだった。(後輩へ)僕たちが果たせなかった優勝をできるように頑張ってほしい。(同期へ)みんなの支えがあったからここまでこれた。ありがとう、という感謝の気持ちを伝えたい


・FW梅野(社4=武修館)

最初3位決定戦でモチベーションの上げるのが難しかったが、個人的には1度も勝っていない、明大に勝って終わることを考え挑んだ。東洋は凄い仲の良いチームだったが、仲が良すぎて仲間に甘えているところもあった気がする。後輩たちも僕たちを見ていたので、学んで来シーズンに生かしてほしい。同期には感謝している。もめたころもあったが、落ち込んでいるころに励ましてくれたのは同期だったので感謝している。後輩には何も残せてないのかなと個人的には思っている。後輩には自分たちのようにはならないで、何かを残してほしい。


・GK脇本(社4=苫小牧工)

昨日の試合で優勝というのはなくなってしまったが、僕らは優勝もしてなかったけど明治に4年間勝ったことがなかった。昨日のミーティングでも今日のミーティングでも最後勝って終わることがすごい大事だと言われていた。みんな気持ちも入っていて良い試合ができたと思う。僕もすごい気持ちが入っていて、悪くはなかったと思うが4失点してしまって、良くもなく悪くもなくという感じ。優勝はできなかったけど、本当にみんな頑張ってくれた。これから僕ら4年生は何かある度に連絡も取ると思うし本当に最高の同期と一緒にホッケーできたので良かった。同期だけじゃなく後輩たちもすごい良かった。良い後輩たちに恵まれて僕ら同期全員は幸せ者だと思う。東洋のアイスホッケー部は家族だと思っている。みんな仲が良いし、本当の家族よりもいる時間が長いので。試合に出てる選手、出てない選手関係なく支え合っている。(古川)駿は今年活躍して来年以降プレッシャーもあると思うが、宮川や梅庭もすごい努力している。一緒に練習してて、他のチームにいたら試合に出れると思うくらい頑張ってくれているので、そういう選手と一緒にまずは競い合ってまた来シーズンはゼロからのスタートだと思うので(同期に向けて)4年間ありがとう。キャプテンは辛かったと思うけど、チームを引っ張ってくれて。苦しいところも見てきたし、これからも何かあった時には助け合っていきたい。


・FW今村(社4=白樺学園)

最後の試合だったのでみんなしっかり準備もできていたし、体を張って守りもできていた。負けてしまったけど、悔いのないベストゲームだった。インカレ合宿で良い準備をしてきたので、初戦はちょっと固かったが、法政戦からみんな良いプレーができていた。準決勝は中央に負けてしまったが、日本一を狙えるような練習をしてきたので、良い状態で試合に臨めたと思う。貴人さんが来てくれて、山口コーチだったり内山コーチだったり。チームが良い方向に向かってくれたし、貴人さんたちに1年生の時からもう一回4年間やりたかったという思いもある。スタッフの方々には感謝しかない。活動できなかった時に、そういう環境にわざわざ自分たちから来てくれて、チームを作ろうとしてくれたということに本当に感謝しています。チームも成長できて、今後まだまだ成長するチームだと思っている。本当に監督、内山さん、山口コーチ、相澤さんには感謝しています。(東洋のホッケー部は)去年の4年生も一個下3年生、2年生、1年生、すごくみんな仲良くて本当に楽しく過ごせた。厳しい時は厳しいが、オフの時はみんなでふざけたり、じゃれ合ったりして、本当に家族みたいなチームだった。東洋に入ってきて良かった。(同期に向けて)またいつかホッケーできる時があれば一緒にやりたい。4年間本当にありがとう。(後輩に向けて)良いスタッフもいるし、環境も整っているので、このまま良い練習を続けていれば絶対に勝てると思うのでインカレ優勝目指して頑張ってもらいたい。


・FW人里(社3=白樺学園)

4年生と最後にできる試合だったので勝ちたいという気持ちがあった。4年生は1度も明大に勝ってないので、勝って少しでも良い終わり方で卒業させて上げたかった。4年生には最後まで諦めない姿勢だったり、多くのことを学ばせてもらった。(得点シーン)やることはだいたい決まっていたので、明大のプレッシャーが早いのでサポートを早く、焦らないで空いてるところにパスを出そうと出口に声をかけた。(来シーズン)勝ちたいという気持ちは全員あるので、そのためにはどんなことが必要なのかどんなプレーをするか、一人一人選手が考えて責任感を持って、一つのチームになりたい。


TEXT=星和典  PHOTO=中田有香