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平成27年度学位記授与式・卒業式
3月23日(水) 日本武道館
インタビューに応える服部勇
会場となった日本武道館を背に記念撮影が行われた
最後は4年間を共にした陸上競技部の仲間と肩を組んだ
平成27年度学位記授与式・卒業式が日本武道館で行われ、陸上競技部からも多くの4年生が卒業の日を迎えた。式典終了後には、昨季駅伝主将を務めた服部勇(済4=仙台育英)が4年間を振り返るとともに実業団での意気込みについて語った。
卒業生数6315名の中行われた今年の卒業式。その中で、学長賞と創立125周年記念スポーツ報奨金の授与が行われ、受賞者を代表して服部勇が登壇した。卒業式を終えた後の気持ちを「入学式以来の武道館。ここまであっという間で寂しい」と話した服部勇。大学陸上での一番の思い出は「全日本駅伝」だという。1年時は東洋大史上初の5000m13分台・10000m28分台の自己ベストを合わせ持つスーパールーキーとして入学するも、アンカーに起用された全日本駅伝では逆転負けを喫し、悔しさを味わった。しかし、最終学年の昨季は主将を務め自らも区間賞を獲得。激戦を制し、チームを大学史上初の全日本駅伝優勝へ導いた。
駅伝では無類の強さを誇り、今年の箱根駅伝でも2年連続の2区区間賞に輝いた。卒業後は全日本実業団駅伝2連覇中の強豪・トヨタ自動車に入社し、マラソンで世界を目指す。初マラソンとなった先月の東京マラソンでは30km過ぎにペースアップすると、一時は日本人トップに立つなど潜在能力の高さを見せつけた。現在は、来年のロンドン世界陸上での代表入りを目標にしており「大学から(マラソンに)取り組んだおかげで、他の同世代の選手たちより少し前に出ている」と自信をのぞかせた。
式が終わると武道館を背に硬式野球部の原(営4=東洋大姫路)と並んで記念撮影に応じた。しばらくすると陸上競技部の卒業生らも服部勇のもとに集まり、4年間苦楽を共にした仲間が集まるとその場は笑顔であふれた。「鉄紺のエース」として走り続けた彼が、今後は「日本のエース」を目指す。服部勇の最大目標は「2020年東京五輪でのメダル獲得」だ。
■コメント
服部勇馬(済4=仙台育英)
入学式以来の武道館。ここまであっという間で寂しい気持ちが今は強い。この4年間はほとんどが学業と陸上競技が2本の柱としてあったが、特に陸上競技でいえば最初は箱根駅伝を目指して入学してきて4年生になった今ではマラソンの五輪代表選考レースを走ることができたので、4年間ですごく成長することができた。初めは箱根駅伝に出たくてここに来たが、出場しているうちに優勝することもできたので、それからは自分を高めていく上で段々と世界に目を向けるようになってきた。一番の思い出は、全日本大学駅伝。1年生のときにアンカーで逆転負けをしてしまって、そこからずっと優勝できなかったが4年生になってようやく大学初優勝することができてうれしかった。ただ、最後の五輪選考レースでは最大限の力が発揮できなかったので、それは社会人になった実業団で自分の力を発揮できるような選手になりたい。マラソンに挑戦したいという気持ちが表れたのは3年生になってから。それと同時に東京五輪の開催が決まって、そこでメダルを取るためには今から取り組んでいた方が良いと思った。異例と言われるが、間違ってなかったと思う。他の同世代の選手たちがこれからマラソンに挑戦するときでも、自分は大学から取り組んだおかげで少し前に出ていると思っている。(一番大切にしたい言葉は)やはり「その1秒をけずりだせ」は、これからも自分自身の心に刻んでどの試合でも1秒をけずりだす走りをしたい。トラックでのリオ五輪の標準はまだ切っていないので5月あたりで切れたら日本選手権でも勝負していきたいと思っている。ただ、当面の目標としてはロンドンで世界陸上があるのでそこにマラソンで出場したいという気落ちの方が強い。実業団にいくことで環境も変わってその環境に適応できるかどうか不安な気持ちもある。また、トヨタ自動車はニューイヤー駅伝3連覇もかかっているので、そういうチームで競え合えることはワクワクしている。(後輩に対しては)箱根駅伝ですごく悔しい思いをしたので、ぜひ王座奪還してもらっていい形で卒業してもらえればと思う。またすごく個性的なメンバーがそろっているのでチームとして大きな力が生まれると思っている。
TEXT/PHOTO=伊藤空夢
服部勇馬選手並びに卒業生の皆さま、ご卒業おめでとうございます!
なお今回、陸上競技部からは以下の選手が表彰されました。
・「学長賞」
服部勇馬、口町亮(法3=市立川口)、服部弾馬(済3=豊川)、松永大介(工3=横浜)、堀龍彦(済2=大牟田)
・「創立125周年記念スポーツ報奨金授与」
服部勇馬、口町亮、服部弾馬、松永大介、辰野充(法4=西武台千葉)、戸塚優太(法4=深谷商)、桐生祥秀(済2=洛南)、池田仁(法1=岩村田)、ウォルシュ・ジュリアン(ラ1=東野)、櫻井朴也(総1=國學院栃木)