Article

記事


2016.05.15
レスリング

[レスリング]岡迫大ら下級生の活躍光る 来季につながる大会に

平成28年度東日本学生レスリングリーグ戦

5月11日(水)~13日(金) 駒沢体育館


[予選リーグ・Aグループ]

第1試合

●東洋大3―4明大○

57㌔級 ○岡迫大―平嶋●

61㌔級 ○岡迫優―喜多●

65㌔級 ○成富―石井●

70㌔級 ●鈴木岳―寺田○

74㌔級 ●川畑孔―奥田○

86㌔級 ●川畑光―大山○

125㌔級 ●黒木―二ノ宮○


第2試合

●東洋大0―7山学大○

57㌔級 ●井上―小柳○

61㌔級 ●宮内―松宮○

65㌔級 ●野島―初見○

70㌔級 ●南條―藤浪○

74㌔級 ●川畑孔―山下○

86㌔級 ●伊藤―牛水○

125㌔級 ●山口―オレッグ○


第3試合

○東洋大7―0国武大●

57㌔級 ○岡迫大―上野●

61㌔級 ○岡迫優―関口●

65㌔級 ○成富―榊原●

70㌔級 ○菊地―辻部●

74㌔級 ○川畑孔―相澤●

86㌔級 ○川畑光(不戦勝)

125㌔級 ○黒木―工藤●


予選順位 3位(1勝2敗)


[決勝リーグ・9~12位グループ]

第1試合

●東洋大3―4中大○

57㌔級 ○岡迫大―植木●

61㌔級 ●岡迫優―下司●

65㌔級 ●成富―曽根川○

70㌔級 ●菊地―小林○

74㌔級 ●川畑孔―尾形○

86㌔級 ○川畑光―福岡●

125㌔級 ○黒木―梶原●


第2試合

●東洋大2―5青学大○

57㌔級 ●岡迫大―藤田○

61㌔級 ●岡迫優―成國○

65㌔級 ●成富―竹之内○

70㌔級 ●菊地―澤田○

74㌔級 ○山崎―礒田●

86㌔級 ●川畑孔―藤井○

125㌔級 ○黒木―伊藤●


第3試合

○東洋大4―3大東大●

57㌔級 ○岡迫大―大倉●

61㌔級 ●岡迫優―五十嵐○

65㌔級 ●成富―工藤○

70㌔級 ○南條―神田●

74㌔級 ○川畑孔―藤松●

86㌔級 ○川畑光―丹野●

125㌔級 ●鈴木雄―宮原○


最終順位 11位(1勝2敗)


岡迫大の勝利でチームの士気を盛り上げた


初リーグ戦ながら全試合出場を果たした川畑孔


誰よりもチーム思いの黒木主将


 予選リーグでは因縁のライバル・明大に黒星を喫し、昨年同様に9~12位グループに臨んだ東洋大。昨年から二つ順位を下げ11位になるも、岡迫大(社1=霞ヶ浦)や川畑孔(法1=樟南)ら1年生ルーキーが踏ん張り来季につながる大会となった。

 

 1日目の予選リーグでは、第1試合に今大会最大の山場である明大と3年連続で激突した。57㌔級の岡迫大が1年生ながらも積極的な攻めで勝利しチームを勢い付かせると、61㌔級の岡迫優(社3=霞ヶ浦)、65㌔級の成富(社2=花咲徳栄)もこれに続く。3―1の優勢で迎えた74㌔級は、若松監督も「キーポイントだった」と話す川畑孔を起用した。勢いのある攻めで試合終盤まで5対5まで粘るも、ビックポイント制により惜敗。その後も活路を見出すことはできず3―4で明大に敗戦し、昨年の雪辱を果たすことはできなかった。第2試合では今大会4連覇を決めた山学大戦を落とすも、第3試合の国武大戦では今年2部リーグから上がってきた相手に7―0と圧勝し、底力を見せつける。これにより予選リーグを1勝2敗で終え、3位通過が決定。決勝リーグは昨年と同じ9位~12位グループに進むことになった。

 決勝リーグでは初戦の中大戦で57㌔級の岡迫大が4対4まで追いつめられる。「一番苦戦した」と振り返る今試合だが、得意の透かしタックルで確実にポイントを重ね接戦をものにする。その後4連敗を喫しチームの勝利はなくなるものの、86㌔級の川畑光(社3=樟南)、125㌔級の黒木主将(法4=宮崎工)が奮闘した。青学大を落とし迎えた大東大戦では、74㌔級の川畑孔が全6試合出場している中、持ち前の体力で実力を発揮。相手がバランスを崩した隙にタックルに入るなど着実に得点を稼ぎ、終盤には4点技も決めた。10対0のテクニカルフォール勝ちを収め、チームは4―3で勝利。これにより順位は11位に決定した。

 

 「来年以降も戦えるチームへ」と、先を見据えてのメンバーで挑んだ今大会。57㌔級の岡迫大、74㌔級の川畑孔を積極的に起用し、リーグ戦経験を積ませた。岡迫大は落とせないところで確実に勝利を重ね5試合中4勝とチームの勝利に大きく貢献し、川畑孔も「これから一番伸びしろのある選手」と若松監督の期待を寄せている。唯一4年生で125㌔級に出場した黒木主将の抜ける穴は大きいが、それ以外の階級のメンバーはほぼ残ることになり、来季以降も十分に戦えるチームになるだろう。仲良しな57㌔級―61㌔級の岡迫兄弟ラインと74㌔級―86㌔級の川畑兄弟ラインの新旋風にも注目だ。

 

 来月には新人戦が控ており、1、2年生を中心に出場することになる。例年越えられずにいるベスト8の壁を壊すためにも、今回のリーグ戦で培ったチーム力で個人力の向上を狙いたいところだ。また、今月末に開催される全日本選抜選手権に出場する黒木主将は、「最後の全日本になるので、表彰台に立ってみたいという気持ちは少なからずある」と意欲を語った。夏のインカレまではチームの先頭に立って仲間を引っ張ろうという思いが強い黒木主将。実力もあり心強い後輩たちに支えられながら、あとは夏に向けてまっすぐに進むだけだ。

 

■コメント

・若松監督

去年と比べて非常に若いチームで挑んだリーグ戦だった。最初の明治戦の74㌔級の孔明(川畑)がキーポイントだったのかな。勝てる見込みはあった。彼はこれから一番伸びていく選手だと思っているし、非常にこれから楽しみな選手。(決勝リーグでは)2日目は勝たないといけないというプレッシャーというか、うまく練習しているときの動きができなくて、ちょっと固いかなと感じた。来年、黒木主将がいなくなってもほとんどメンバーが残るので、それに向けて1年間やっていけば非常に良いチームができるのかなと。孔明は体力的にも疲れているところだったが、経験を積ませるために全試合使った。あとは大誠(岡迫)も山学大戦以外は経験を積ませた。これからパワーをつけていけば非常に良い選手に育つと思う。(今大会でMVPを選ぶとしたら)1年生ですね。大誠は最初に流れをつくってくれて、孔明なんか負けてますけど、それも答えられるような試合をしてくれた。(新人戦に向けて)試合を重ねていく中で、自分の欠点、弱いところを強化していけば強い選手になっていくと思う。(明治杯に関しては)黒木は、厳しい戦いにはなると思うが本人にとっては色々経験できる場になるんじゃないかなと。宮原は今回階級を53㌔に上げての試合になるので、未知な部分はあるが、本人は一生懸命毎日やってるので、練習してることを出し切れば自ずと良い結果がついてくると思う。メンタル的な部分でも高い気持ちを持っているので、楽しみ。

 

・黒木主将(法4=宮崎工)

明治戦が一番のキーポイントになっていたが、最後のところで自分が勝てなくて、キャプテンとしてすごく申し訳ないなという気持ち。みんな一つでも上にいきたいという思いはあったが、あと一つ勝ち切れないのは心に油断があって、そこを来年は乗り切らないといけないんじゃないかなと。特に57㌔級、61㌔級の岡迫兄弟は最初の二つをとってくれて安心する試合が多かった。そこから成富とつながって、今回はもう後輩に救われたなっていう気持ちがすごくある。(川畑孔に関して)人一倍練習はやっている。今回はリーグ戦初めてで、全試合起用ということもあり本人は見せないが疲れもあったと思う。少し僕らも頼りすぎたなと思うところもあって、プレッシャーかけたなって。これをばねにして、個人戦で頑張ってほしいという思いもあるし、来年は特に中量級の絶対的エースとして頑張ってほしい。(メンバーについて)来年もほぼ同じメンバーでいけるというのは強いですね。このメンバーだったら絶対来年は良いところまでいけると思う。どうしても自分のせいで明治に負けたっていうのがあって、気持ちを切り替えられなくて、悔しさと申し訳なさが残る試合になってしまった。(明治杯について)最後の全日本になるので、表彰台に立ってみたいという気持ちは少なからずある。そのためにももっと練習を頑張ります。

 

・岡迫大(社1=霞ヶ浦)

初めての大学のリーグ戦で、高校も団体戦メンバーで使われてたので少しは楽な面もあったが、大学生はみんな強いから緊張した。自分から良い流れの雰囲気をつくって、先輩たちにつなげたかったから、それで頑張りました。(プレーで意識したことは)東洋に流れを持っていけるように、自分からガンガンいって良い雰囲気をつくれるように意識した。(良かったところ、悪かったところ)良かったところは、練習通り自分から攻められて点を取ることができたところ。悪かったところは、強い選手と戦うにはまだ実力が足りないので、もっと力つけてパワーアップしていきたい。(1番苦戦した相手は)中央戦ですね。JOCの大会ではテクニカル勝ちだったが、今回7―4くらいでてこずってしまったので、たぶん研究されたのかなと。(新人戦に向けて)今回戦った藤田(青学大)さんが、新人戦のチャンピオンなので、藤田さんを倒せるように、力が強いので、力をつけるのと、得意技を磨いて確実に取れる技を練習していきたい。(得意技は)片足タックルと、透かしタックルです。(今後は)今回はリーグ戦の順位が11位と下がってしまったので、自分たちが勝って順位をどんどん上げていきたい。


・川畑孔(法1=樟南)
初めてのリーグ戦でとても緊張した。同じ階級の先輩を差し置いて全試合出させてもらったので、勝たなければ申し訳ないと思って頑張った。明大戦は自分が勝っていたらチームも勝っていたのに、自分が悪い流れを作って負けてしまった。山学大戦は74㌔級に強い選手がいると聞いていたので戦いたいと思って、これら自分から言って出させてもらった。結果はフォール負けだったが、経験は積むことができたと思う。他は僅差で負ける試合が多かったので、詰めを甘くせず確実に勝っていけるようにやっていかなければならない。(兄・川畑光の前に戦うことが多かったが)勝って兄につなげたいということは思っていた。階級が近いので一緒に練習もしていて、試合前は冗談を言ったりして緊張を和らげていた。(次戦の)新人戦では3位圏内に入って、できれば優勝したい。早大の山崎とか強い選手が多くいる階級になるが、倒して目標を達成したい。


TEXT=坂口こよみ PHOTO=坂口こよみ、木谷加奈子、梅山織愛