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2016.05.21
硬式野球

[硬式野球]阿部健、今度は足で魅せた!最終戦を白星で飾る

平成28年度東都大学野球春季1部リーグ戦・国学大3回戦

5月20日(金) 神宮球場

東洋大6-5国学大

(イニングスコア)

3回戦










国学大



東洋大




×

(東洋大)

石倉、飯田、○片山翔(1勝)―西川元、澤田

本塁打:田中将也(1回)、西川元(2回)


打順                    
守備
名前




(中)
笹川(営4=浦和学院)


(遊)
阿部健(営4=帝京)



(指)
中川(法2=PL学園)


(一)
鳥居(営4=愛工大名電)



(三)
田中将也(営3=帝京)


(二)
津田(総1=浦和学院)


(左)
西村(営4=広陵)


(右)
安西(営4=聖光学院)


(捕)
西川元(営3=浦和学院)


宇佐川(営3=済美)

澤田(営4=新湊)




29


名前




石倉(営4=帝京)
60/324
飯田(営3=常総学院)
2/3

○片山翔(法3=大社)
21/3


阿部健は気迫のヘッドスライディングでチームを鼓舞した


勝ち越しのホームインに笑顔の阿部健

 

※掲載が遅くなり申し訳ございません。


 首位・国学大を相手に粘り勝ち。初回に田中将也(営3=帝京)の公式戦初本塁打となるスリーランが飛び出し先制。二回にも、今度は西川元(営3=浦和学院)が公式戦初本塁打を放ち2点を追加。七回に同点に追いつかれるもその裏、相手投手の暴投の間に阿部健(営4=帝京)が生還し、これが決勝点。7回途中から登板した片山翔(法3=大社)が安定した投球で大学初勝利を挙げた。

 

 一人でもぎ取ったと言っても過言ではない、副将の執念が感じられた走塁だった。七回、3点差を追いつかれると直後の攻撃も二者続けて凡退。勝てば優勝が決まる相手の勢いに押されている中で阿部健が打席に向かう。昨日は決勝の適時打を放ち、この試合でもすでに2安打を記録。前カードまでの不振が嘘のように完全に復調していた。この打席も追い込まれてからしっかりと見極め四球で出塁する。阿部健はこのカードでは積極的な走塁を見せ、2試合でいずれも1つずつ盗塁を決めていた。するとこの日も「けん制が早くなかったのでスタートが遅れてもいけると思っていました」と初球からすかさず走り、二盗を決める。勝ち越しの場面を演出したかと思えば「あまりにもフォームが大きかったので」と得点圏に走者を置きながら無警戒だったバッテリーの隙をつき、今度は三盗を敢行。完全にタイミングを盗み、悠々三塁を陥れた。この盗塁に相手バッテリーは動揺を隠せなかった。中川(法2=PL学園)に対して投じた7球目がベース手前で跳ねると、捕手が止め切れずまさかの暴投。いつもは感情を出さない阿部健だが、この時ばかりは雄たけびを上げながらホームベースを踏んだ。

 最終カード3連戦は全試合でマルチヒットを放ち、打率と出塁率は.600を越えた。開幕前に「今年は増やしていきたい」と話していた盗塁も4つ決めて見せ、「話にならないくらい働いていなかった」という今季の悔しさを晴らし、秋に向けてもいい終わり方ができた。決勝打を放った2戦目の最中には、指揮官に、鈴木(大地=千葉ロッテマリーンズ)を引き合いに出され、はっぱをかけられた。「同じ内野で左打ち。入学したときから似ているなと思いながらずっと意識してやってきた」という大先輩に追いつくためにもこの夏が勝負となる。

 今春は勝ち点4を奪いながら、優勝には届かなかった。まさに戦国東都の厳しさを教えられたこの春。しかし「8勝もできましたから」と高橋監督が話すように1部昇格直後にも関わらず、見事な快進撃を見せたのは間違いではない。今春果たせなかった東都王者に向けて、チームはもう次の視線を向いていた。



■コメント

・高橋監督

 粘って勝てたから良かった。片山翔も良く投げました。(今日が最終戦)優勝には届かなかったけど、8勝もできましたから。選手がよくやりましたよ。


・阿部健(営4=帝京)

 (七回は)けん制が早くなかったのでスタートが遅れてもいけると思っていました。昨日の初回では、走らないでゲッツーにを取られてしまった。もっと走って行けと監督さんにも言われていたので積極的にいった。(三盗は)狙ってはいなかったです。あまりにもフォームが大きかったので。早いカウントで走ると中川に悪いと思ったので、追い込まれたら行こうと思っていた。ラッキーです。今季は全部がダメで、話にならないくらい働いていなかった。でも、このカードからやっと当たりが出てきた。タイミングの取り方やステップを修正していたのが、やっと自分の形になってきたと思います。それで気持ちが乗っていたので、どんどん走っていけたんだと思います。


TEXT/PHOTO=菅野晋太郎