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2016.05.30
ボクシング

[ボクシング]番長・中川誕生!法大に快勝し開幕2連勝

第69回関東大学ボクシングリーグ戦

5月28日(土) 後楽園ホール


東洋大7-2法大


【LF】○村地(判定)齋藤●

【F】○福井(判定)榊原●

【B1】○木村(判定)竹原●

【B2】○馬場(判定)田中●

【L1】○秋山(TKO)鎌田●

【L2】●久野(判定)黒田○

【LW】○中川(判定)水口●

【W】○原田健(判定)石田●

【M】●宮内(判定)森脇○


安定の戦いぶりで勝利した福井


OBの村田に「一番良かった」と称えられた中川


大学デビュー戦を勝利で飾った原田健


軽量級が躍動し一挙に5連勝を挙げ、早々に白星を獲得。さらに中川(ラ2=高知)と原田健(営1=安芸南)がリーグ戦初勝利を飾った。

  「東洋の番長の登場やー!!」と威勢よくリングに上がったのはライトウェルター級の中川だ。「勝つ気持ちを前面に出していこう」と1ラウンド目から顔を中心に手数を重ねていく。時間が経過するごとに動きが軽やかになり、リーチの長い手を生かし相手を懐に入らせない。得意の距離を置くボクシングスタイルを貫き、3-0で圧勝した。試合後、OBの村田(H20年営卒=帝拳ジム)は「中川が良かった」と真っ先に名前を挙げ、「リング上で堂々としていた」と称賛した。前回の沖島(駒大)との苦いデビュー戦を経て、「成長に繋がった試合だった」と短い期間で著しい成長を見せた。ライトウェルター級の新たな番長の伝説がこれから始まろうとしている。

 続くウェルター級は初起用となった原田健が登場。「自信を持っていけ」と三浦監督に送り出されると、顔に何発も有効打を当てていく。「2、3ラウンドでスタミナが落ちて足が動かなかった」と反省したように動きが鈍くなっていったものの、持ち前のパワーでカバーし、見事大学初勝利を飾った。「今日一日ずっと緊張していた」と大舞台での一戦を終え、安堵の表情で語った原田健。今後の活躍に期待がかかるが同じ階級には兄の原田直もおり、レギュラー争いは熾烈。だが「出た試合は全部勝つ」と1年生らしからぬ頼もしいコメントを残した。

 開幕2連勝と好調な滑り出しだが、次戦の相手は強豪・東農大だ。過去10年間で1勝しかしておらず、「苦手意識のあるチーム」と監督も懸念を抱いている。また、負傷者が相次ぎ、ベストメンバーで試合に臨めない可能性も出てきた。だからこそ、「今のチーム力を信じて」。東農大撃破へ向け、気の抜けない2週間が始まる。

■コメント

 ・三浦監督
 やる前から故障者が多い状況で、ベストメンバーが組めない中でなんとか勝てるようにメンバーを選出した。結果7-2で勝つことはできたが、実際は一戦一戦苦しくて。相手は伝統校なので、数字以上に厳しい戦いになった。最初のライトフライ、フライ、バンタムの出だしは今年のチームの生命線。3連勝できたので、流れがつくれた。中川は調子もいいし、いいリズムでボクシングができるというのも知っていたので、やってくれると思っていた。しっかり自分のやるべきことを忠実にこなして、3-0で危なげなく勝てたのは良かった。原田健は1年生なので緊張しないように、自信もっていけと送り出した。なかなか、これだけ大きな舞台で経験したことないと思うので、少し緊張が見えて。自分の力をもう少し発揮できれば楽に勝てたのかなと思う。次の東農大は各選手100%の力を出せれば勝てる相手。過去の対戦成績を見てもここ10年で1勝しか挙げられてなくて、苦手意識のあるチームではあるが、今のチーム力を信じて全力でぶつかっていきたい。

・中川(ラ2=高知)

1ラウンド目は少し焦っていたが、2ラウンド目からは自分のボクシングができた。(1ラウンド後の監督からの指示は)1ラウンド目自体は悪くない、自分のボクシングを信じろと。(今季初勝利だが)この前の試合は悔しい結果に終わったが、成長に繋がった試合だった。でも今日は勝たないと成長できないと思って、勝つ気持ちを前面に出していこうと思っていた。(収穫と課題は)3ラウンド目の攻める姿勢は良かったと思う。1ラウンド目でパンチが当たらなくても焦らずいくことができた。でも自分の距離になるまで時間がかかってしまった。(次戦に向けて)次は優勝候補の東農大との試合だから絶対に倒して、優勝に繋げたい。(村田さんから何か言われたか)褒められてめっちゃ嬉しかった。

・原田健(営1=安芸南)
 1ラウンド目は自分の思い通りにできたけど2、3でスタミナが切れてしまってまだまだだなと実感した。今日一日中ずっと緊張していた。(大学初勝利できて)嬉しいけど課題が見つかったということもあって曖昧。試合中は勝てると思っていた。1ラウンドはスピードあって自分の距離でできたけど2、3でスタミナが落ちて足が動かなかった。(兄・原田直とは何か話したか)そんなに話してないですけど、アップのときにミットは持ってもらったりしてアドバイスもらった。(村田さんには何を言われたのか)村田さんにはちょっと怒られて。クリンチでブレイクって言われたんですけど、相手に打たれて。自分で防御しなきゃいけないのに気を抜いてた。もっと上を目指せって言われた。(今後の目標)まずリーグ戦に出ること。出た試合はすべて勝つ。
 ・村田(H20年度営卒=帝拳ジム)
 ライトウェルター級の中川が良かった。でも全体的に悪くはなかったけど、もう少し戦い方を覚えればもっといい試合ができる。まだ若いから難しいのかなという感じがした。中川は自分の距離をちゃんとつかんでいるし、自分のボクシングをやれば通用するということを自信を持ってやってくれたら。リング上で堂々としていた。


TEXT=髙橋雪乃 PHOTO=小河原裕一、玉置彩華