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第48回男鹿駅伝競走大会
7月2日(土)男鹿温泉郷〜入道崎 7区間 62.595km
大学の部
3位 東洋大学A 3:05'22
1区(9.6km) 中村駆 29'29"(区間4位、通過4位)
2区(9.5km) 野村 28'01"(区間2位、通過4位)
3区(13.195km) 山本修 38'37"(区間2位、通過2位)
4区(9.1km) 相澤 27'50"(区間4位、通過3位)
5区(7.62km) 高森 23'02"(区間4位、通過3位)
6区(3.9km) 今西 13'48"(区間3位、通過3位)
7区(8.38km) 荒武 24'35"(区間6位)
7位 東洋大学B 3:10'04"
1区 小早川 29'02"(区間3位、通過3位)
2区 小室 28'52"(区間6位、通過5位)
3区 福井 40'18"(区間7位、通過6位)
4区 大西 29'40"(区間9位、通過7位)
5区 中野 23'29"(区間7位、通過7位)
6区 定方 14'09"(区間6位、通過7位)
7区 菅原 24'34"(区間5位)
小早川は復活への手応えをつかんだ
エース区間で好走した山本修
野村は区間2位の走りで力を示した
秋田県男鹿市で第48回男鹿駅伝競走大会が開催。2つのチームが出場した東洋大はAチームが3位、Bチームが7位となり2連覇はならなかった。
Aチームは1区の中村駆(済1=西京)が区間4位とまずまずの滑り出しを見せると、続く2区・野村(済3=鹿児島城西)と3区・山本修(済2=遊学館)が区間2位の好走で順位を2位に上げる。ここから東海大との2位争いが展開されるが、アップダウンが激しくなる4区、5区で立て続けに差を広げられ、急きょエントリーされた6区・今西(済1=小林)と7区・荒武(済3=小林)も巻き返すことができず、3位に終わった。毎年30度近い気温の中行われる男鹿駅伝だが、今年は雨の影響により気温が低下。それに加え、大学の参加数も増えた今年はよりハイレベルな争いになり、1位日大と2位東海大が大会新記録を更新し、区間新記録も5つ誕生した。初出場初優勝を成し遂げた日大は2~4区で連続区間賞を獲得。4区終了時点で東洋大との差は1分40秒にまで及んだ。Aチームの監督を務めた杉本コーチは「逃しちゃいけないところで逃がしてしまった。3区以降は厳しかった」と敗因を語った。
その中でも、収穫となる走りも見られた。Bチームの1区を担った小早川(済3=武蔵越生)は区間3位の結果に「自分の走りが取り戻せてきた」と不調から抜け出す手応えを得た様子。さらにBチームを率いた谷川コーチは「小室(済1=仙台育英)と福井(済1=諫早)は他大の選手と競り合って走れたというのは今後に生きてくる」と大学初駅伝を終えた1年生を称賛した。
季節は7月。本格的な鍛錬期を前に、男鹿のレースが選手たちにどのような変化を与えるか。来たる夏に向けて、谷川コーチは「走力を2段階も3段階も上げていきたい」と意気込んだ。
■コメント
・杉本コーチ
(区間オーダーは)本来であれば組みたかったメンバーがいたが、故障などで欠いてしまったため、苦肉の策で組んだ。使わないでおこうと思っていた6区、7区の今西、荒武に関しては走りきってくれればいいからということで出場してもらった。他のメンバーはここに合わせてやってきた。その中で走ったのには、収穫もあり課題もあった。3位には入れたが、まずまずというよりはまだまだという気持ち。取りこぼしもあったので、これを夏に向けた課題にしていきたい。(収穫は)1年生をたくさん起用できたこと。A、B共に今後の駅伝に向けて1年生の今の状況を確認できたことは収穫だと思う。(課題は)筋力であったり、体幹であったりのフィジカル的な部分はチーム全体で取り組んでいかなければならない。トラックではなく、上り下りのあるロードへの対応にまだ弱さを感じた。(レース展開については)やはり他の大学には勝ちたかった。追い付いて追い付かれて、そして競った時に前にいかれてしまった。逃しちゃいけないところで逃がしてしまった。3区以降は厳しかった。(今後は)夏に向けて全員が同じスタートラインに立てるように7月で体調を整えていきたい。
・谷川コーチ
走力という意味では(Bチームは)1年生が中心だったのでまだまだ。(1年生が多く出走したのは)走りを見たいのと駅伝の経験を積ませるため。選手が後ろから来たときにそこで簡単に離れるのではなく、小室や福井は並走できて一緒に走れたというところは良かったと思う。まだ後半大きくペースダウンするので、走力と体幹の強さを夏合宿でしっかり補えればいいと思う。小室と福井は他大の選手と並走して競り合って走れたというのは今後に生きてくると思う。(課題は)まだまだ走り込み不足で後半のスピードダウンかと言って、前半速く突っ込めるかというとそういう駅伝の醍醐味の走りもできていない。そこは全体的な走力を上げていかないと最初から速いペースでおしていけないと思う。(夏に向けて)まず体づくり、足作りをしっかりして距離を踏む。走力を2段階も3段階も上げていきたい。
・小早川(済3=武蔵越生)
区間賞を狙って出場して、残り2kmで仕掛けようと思っていたが、その少し前で相手の選手に仕掛けられてしまい対応できなかった。(収穫は)岐阜のハーフから徐々に記録会などにも出始めて、自分の走りが取り戻せてきた。今回も自分が思っていたよりは動けていた。駅伝に向けて調子を上げていけると思っている。
・山本修(済2=遊学館)
チームとしては優勝、個人としては38分20秒の区間記録を抜くことを目標にしていた。(走りを振り返って)4位でタスキをもらったので、前半は積極的にいった。1位が留学生だったということもあり、できるだけ離されないようにして、少なくとも日本人トップは取れるようにした。前半はすぐに2位までをとらえることができたがその後ペースが落ちてしまった。ラストも離すことができたが、中盤の走りが良くなくてタイムが伸びなかったと思う。アップダウンは苦手ではないので、男鹿駅伝のコースは自分に向いていると思う。(最長区間だったが)今年は長い距離を走っていこうと思っていて、ハーフや30kmを走っていくので13kmは長いという意識はなく、集中して走れていた。(夏の課題は)トラックよりもロードで勝負することが自分の持ち味を生かすために必要だと思うので、今年の夏はしっかり走り込んで体力を付けて、ハーフや30kmで記録を出していきたい。
・小室(済1=仙台育英)
トラックの試合が連続していて先週も日本選手権があって、入学してから3km以上は走っていなかったので9.5km走れるかなと思っていたがある程度まとめられたと思う。ギリギリ合格ラインだったと思う。前と20秒差でスタートしたが前には追いつかず、3km過ぎくらいで東洋のAチームに追い付かれた。野村さんと日大の選手に追い付かれたが、そこに1kmくらいは付いていけたのは良かった。そこから離されてしまったが、我慢して付いていけたのは力がついたと思う。そこでタイムが多少上がったのが、ある程度タイムをまとめられたことにつながったと思う。(課題は)まだ走り込んでいないので夏合宿乗り越えて、駅伝でも一人で走れないと使ってもらえないので、走力をつけて一人でもハイペースで押していけるようにしたい。
・福井(済1=諫早)
小室が持ってきた位置が日体大の少し前だったので、日体大に追い付かれてからは8kmくらいまでは一緒に着かせてもらった。ただ、そこからペースが落ちてしまった。(大学初駅伝だったが)緊張してはいたが、走り出したら大学も学年も関係ないので1年生から走らせていただいてるということで、経験のつもりで走った。(課題や収穫は)課題はスタミナ。収穫は、並走した日体大の選手がすごくいいピッチだったので、それと一緒に走れたことはいい収穫だったとコーチにも言われた。秋の駅伝に向けて参考にしたい。(今後の目標は)走り込みをしてスタミナを付けていく。出雲や全日本は厳しいと思うが、箱根一本に集中して頑張る。
TEXT=伊藤空夢 PHOTO=畑中祥江、伊藤空夢、福山知晃