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2016.09.07
硬式野球

[硬式野球]切り込み隊長が大暴れ!阿部健、先制本塁打&3打点で勝ち点奪取

平成28年度東都大学野球秋季1部リーグ戦・中大2回戦

9月6日(火)神宮球場

○東洋大6-1中大

(イニングスコア)

2回戦









中 大

東洋大

×


(東洋大)

石倉、◯片山翔(1勝)、山下、飯田-西川元、澤田

本塁打:阿部健、笹川

二塁打:安西、阿部健


打順                    
守備
名前




(二)
阿部健(営4=帝京)


(右)安西(営4=聖光学院)


(指)
中川(法2=PL学園)

打指星(総1=日本文理)

(中)笹川(営4=浦和学院)

(一)
鳥居(営4=愛工大名電)

  打一
上島(営4=佐久長聖)


(三)
田中将也(営3=帝京)

(遊)津田(総1=浦和学院)


(左)
茶谷(営4=東北)



打左
西村(営4=広陵)



(捕)
西川元(営3=浦和学院)


宝楽(営3=PL学園)

澤田(営4=新湊)




2810



名前




石倉(営4=帝京)41/317
○片山翔(法3=大社)
山下(営1=東邦)
飯田(営3=常総学院)2/3


左越適時二塁打を放ち、笑顔の阿部健


勝ち点奪取がかかった2戦目は三回に主将・笹川(営4=浦和学院)、副将・阿部健(営4=帝京)がともに本塁打を放ち快勝。開幕2連勝で勝ち点を奪い、チームは最高のスタートを切った。

  切り込み隊長の勢いが、止まらない。三回、先頭で打席に入ると内角の直球にしっかりと腕をたたんで対応。「風のおかげです」と謙遜するも、捉えた打球は軽々と右翼フェンスを越えた。「どうしても欲しかった」という先制点を自分のバットでもたらすと、主将・笹川も中堅左に飛び込む2点本塁打を放ち、初のアベック本塁打。八回にも前進守備の左翼手の頭上を越える二塁打で2者が生還。三回以来得点の無かったチームに、貴重な追加点をもたらした。この日は3打点の大活躍に加え、連日の猛打賞を記録した。

 昨日の悔しさはしっかりと晴らした。前日の第4打席、阿部健はあわや本塁打かと思われる大飛球を放ったがフェンス前で失速。「打ち損じは悔しかった」と猛打賞を記録しながら、そこだけが心に引っかかっていた。そこで迎えたこの試合。「狙ってはいなかった」と言うが、今度は完璧に打ち返し文句なしの本塁打。「嬉しかった」と白い歯を見せ、本人も納得の一打となった。

 開幕2試合で打率.600と絶好調の阿部健だが、そのきっかけは春のリーグ戦最終カードでつかんでいた。今春、阿部健は開幕から厳しい攻めにあい、「当てにいく」ことが増え打撃フォームを崩していた。「(春は)踏み込む足がクロスしていた」と話すように、本来投手方向に踏み込む右足がベース方向へと流れ、しっかりと踏み出すことができなくなっていた。高橋監督と井上コーチからもその悪癖を指摘され、国学大1回戦から踏み出すステップの位置を修正。3年時に打てなかったとき、ノーステップ打法へ取り組んでいたこともあったが、その際は井上コーチの助言があった。しかし今回はその井上コーチが「指導したわけではない」と言うように、自ら打開策を考えていた。何か特別な練習をしたわけではない。練習でも試合でも、とにかくステップのことを意識し続けたという。その成果がようやく結果として表れてきた。「なんでこんなに打てているのかなという感じ。まぐれじゃないですかね」と話した阿部健は珍しく、顔をほころばせた。

 「キャプテンと副キャプテンが良く働きました」と指揮官は2人の活躍に満足げな表情を見せた。阿部健は自身もチームも幸先のいいスタートを切ったが「うまくこのまま行くとは思いません」と気を引き締める。「優勝は当然」と話す切り込み隊長が、打線に火を灯し続ける。


■コメント

・高橋昭雄監督

キャプテンと副キャプテンが良く働いてくれました。昨日の試合も去年までだったら点取られたらきついなと思ってたけど、今はしっかり(打線が)くっついていけてるね。うちの野球が出来てるんじゃないかな。(来週は空き週だが)もう一度落ち着いて、それからやっていきますよ。

・・阿部健太郎(営4=帝京)

(本塁打は)狙っていたわけではないです。風のおかげです。どうしても点が欲しかったので嬉しかった。昨日、打ち損じの右飛があって悔しかった。なんでこんなに打てているのかなという感じ。まぐれじゃないですかね。春はバッティングがダメで走塁、守備へと悪循環になってしまった。知らない間に力が入っていた。今は落ち着いてできています。(好調の要因)春の国学大戦でステップの位置を変えた。踏み込んだ足がクロスしていて、それは監督にもコーチにも言われていた。(春は)色々なコースに投げられて、当てにいっていたので、(足のことも)自分で意識していました。(2度のヘッドスライディング)自分は笹川とは違う。泥だらけになって一生懸命プレーする姿を、年下に見せていかないといけない。優勝は当然しなくてはいけない。でも、うまくこのまま行くとは思いません。気を引き締めてやっていきたいです。


TEXT=菅野晋太郎 PHOTO=青池藤吾