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2016.09.19
剣道

[剣道]全日本出場にあと一歩及ばず

第42回関東女子学生剣道優勝大会

9月17日(土) 東京武道館


2回戦

東洋大4ー1創価大

3回戦

東洋大0ー3日体大


全日本出場決定戦

4回戦

東洋大3ー0日文大

5回戦

東洋大1ー0大東大

6回戦

東洋大1ー2城西国際



最後の大会となった4年生の山本


大将としての貫禄を見せた田島


 昨年に引き続き、全日本出場をかけて臨んだ団体戦。全日本出場決定戦で大健闘を見せるもあと一歩届かなかった。

 シードのため2回戦からの出場だった。初戦の創価大との試合は余裕の試合展開で圧勝。しかし3回戦の相手は、今年7月に行われた全日本女子学生剣道選手権大会で優勝した選手を始め、強い選手が揃う日体大だった。強豪相手に健闘を見せるも、「実力差が出てしまった」と田島(ラ=磐田西)が振り返るように、0-3で敗北した。しかしここからが勝負。全日本出場決定戦(敗者復活戦)で勝ち進んだ2校にも出場権が与えられる。ここで東洋大は全日本出場権を争った。

 決定戦初戦は、先鋒の樺澤(文3=樹徳)の勝利で流れをつくり、大将の田島を出さずに勝負を決めた。2回戦目の大東大戦は、大将の田島まで引き分けという大混戦。勝負は大将の田島に託された。序盤はやや消極的だったが、慎重にチャンスをうかがい相手の積極的な攻撃をかわすと面を決めた。このまま逃げ切りたかったが、一瞬の隙を突かれ面を決められてしまう。1ー1の引き分けで試合はいったん終了し、勝敗は大将戦に持ち込まれた。1年生の時から大将を任されている田島だが、「プレッシャーを感じて少し弱気になっていた」という。しかし試合が始まる合図が鳴った瞬間、すぐに面で1本を決め大将の貫禄を見せつけた。3回戦、ここで勝てば2年連続全日本出場が決まる。相手は何度も練習試合をしたことがある城西国際だった。先鋒、次鋒が1本負けを喫したが、中堅の山本(ラ4=富山北部)が4年生の意地を見せる。ここで勝たなければ試合は終わってしまうという緊張感が漂う中、見事に突きを決めた。勢いそのままに面で1本取り、チームを敗北の危機から救った。しかし、副将の佐藤(ラ3=幕張総合)、大将の田島が大健闘を見せるも、引き分け。1-2で惜敗し、全日本出場への道は閉ざされた。

 「2年連続で全日本に出場して、奇跡ではないことを証明したかった」。田島はこう語ったが、今回全日本出場決定戦でここまで勝ち進んだことが、奇跡ではないことを証明している。来年はシード権もなくなり、1回戦から厳しい戦いが予想されるが、稽古を積んでさらに強くなった東洋大が見られることに期待だ。



■コメント

・山本 (ラ4=富山北部)
一本の重みとか一本の大切さを痛感した。今日の試合が最後だったので後輩を全日本に連れていくという気持ちで頑張った。(4年間を通して)厳しい中でいい同期とか後輩、先輩に恵まれて本当に良かった。3年生の時の全日本がすごく印象に残っている。いい経験になった。(後輩に向け)まだまだやれると思うので全日本で上位の結果を残してほしい。


・田島(ラ3=磐田西)

去年全日本に出させていただいたので、2連続で出場して奇跡ではないことを証明したかった。組み合わせが出たときに、日体大で、メンバー的に関東新人で優勝してるメンバー、その中でも今年7月に行われた個人戦で全国優勝している選手も1人いたので、相手の方が実力はあると分かっていた。でも、そこはチーム力で勝ちたかった。思いっ切りいったとは思うが、実力差が出てしまった。もちろんそこで勝てればよかったが、そこで負けてもあと3回あるということで、1人12分戦えば勝てると思っていた。日体大戦は、自分の出番の時にはもう負けは決まっていたので、背負うものもなくとにかく思いっ切りいこうと思った。自分の力は出し切れたとは思うが、結果的には2本負けで終わってしまったので、そこはこれからの課題になると思う。(大東大との大将戦について)相手は同級生で高校生の時から知っていて、自分の中で少し苦手意識があった。そこで大将戦に試合が持ち込まれて、みんなに頼んだぞと言われて、プレッシャーを感じて少し弱気になっていた。でもこの大将戦のおかげで、次からやっと強気になれたと思う。(1年生の時から大将を務めていることについて)1年生の時の方が大将としてのプレッシャーはあった。1年生のときも、自分のせいで全日本を逃してしまった。先輩方には本当に申し訳なかったが、そのときの負けがあったからこそ、2年目、3年目といろいろな意味で成長して挑戦できた。(最後の城西国際戦について)練習試合で何度もやっている相手で、相手は4年生で最後の意地があると思っていたので、それを上回る強い気持ちでやらなくてはと思った。手の内を知っていたので、最初の胴にかけたが、1本旗が上がらなかったのは実力不足だった。(先鋒、次鋒が負けたときにチームで焦りなどあったか)出し切れなくて1本負けだったら流れが完全に相手だったと思うが、2人とも出し切ったところを取られたし、絶対的に決められた感じではなかったので、まだまだ諦めないという気持ちだった。(来季に向けて)今回全日本を逃してしまって、来年はシード権がなくなるので1回戦目から、くじ運次第で相手が日体大とか強い相手に当たると思うので、それなりの稽古をしていかないと厳しいと思う。私たちの代は今回も一番多く試合に出ているし、大半がこの大会を経験しているので、後輩にも還元していかないといけないと思う。チーム力をうまくつけられるかが、来年のカギとなってくると思う。



TEXT=吉谷あかり PHOTO=大谷達也