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2016.10.02
アイススケート

[アイスホッケー]宿敵・明大に引き分け 勝てるホッケーが求められる

平成28年度関東大学アイスホッケーリーグ戦

10月1日(土) ダイドードリンコアイスアリーナ


東洋大3―3明大


[ゴール(アシスト)]

23:01 人里(渡邉、古川誠)

35:58 田中(中澤、柴田)

56:46 人里(出口、佐藤)


同点ゴールに雄叫びをあげるFW人里


DF田中は攻守でチームに貢献

GK古川駿は3点に失点を抑えた


 ここ数年の公式戦では未だ勝利を挙げられていない宿敵・明大との対戦。3ピリまで1点を追う展開が続くが、ラスト3分でFW人里主将(社4=白樺学園)による同点ゴールが決まる。しかし、その後チャンスはつかめず3―3の引き分けでリンクを後にした。

 「明大に勝てない」。近年抱え続けていた問題だった。明大に勝利を挙げたのは2011-2012シーズンのインカレ3位決定戦にさかのぼる。引き分けでさえも3年前の秋リーグから遠ざかっていた。だからこそFW人里も「意識したくなかったけど、明治だから勝ちたいという思いはあった」と本音を漏らしたように、勝利への執着は大きかった。

 勝ちたいと望んだ明大戦。1ピリでは両校譲らず攻守攻防を見せる中ラスト1分で明大に先制される。2ピリでは開始早々に1点を返すが、明大もすかさず得点。反則が続きSH(ショートハンド)のピンチにはまたもや明大に追加点を許してしまう。しかしこの流れを経ち切るように決まったのがDF田中(国4=ロックリッジ・カナダ)のゴール。2―3と点差を縮めて3ピリに突入した。1点を守る明大と1点を追う東洋大、リンクはまさしく緊迫状態。同点ゴールを決めたのはまたしてもFW人里だった。慶大戦・中大戦でも同点ゴールはこの男が放っていた。ラスト3分で同点に追い付き、場内も盛り上がりを見せた。しかし3―3が変動することはなく、引き分けで試合は終了した。

 「明大に対して引き分けたことは選手にとって収穫になった」と鈴木監督。しかし「悔しい試合だった。勝ち切るためにはスコアリングを高めなければならない」と気を引き締め直す。3試合連続で引き分けが続いている今、”勝ち切る力”が試されている。

 秋リーグ前半最終戦となる相手は早大。春の大会では勝利したものの、サマーカップでは1―4で敗れており気を緩められない相手である。DF田中も「優勝のためには負けないホッケーから勝てるホッケーにしていきたい」と闘志を燃やしている。引き分けはもう十分だ。勝ち切るホッケーで優勝に向かって挑む。


◾︎コメント

・鈴木監督
結果的に、勝ちたかったので悔しい試合だった。ただ1ピリいいスタートがきれたが相手に失点されて、反対に2ピリは明大の勢いが強かったがそこをしのいで1点差で終われた。収穫としては3ピリまでうちの選手が走りきることができて、夏からのトレーニングがいい方向に出たと思う。ただ引き分けが続いているので勝ち切るためにはスコアリングの精度を高めていかなければいけない。(60分間スケートするという部分では)若干の波があって押され気味な場面もあったが3ピリ通して見るとよくスケートしてくれたと思う。きょうの試合で明大に対して引き分けまでもっていったことは選手にとって悔しさももちろんあるが収穫のあった試合になったと思う。お互いの実力はそこまで開いていないと感じた。リーグ戦前半の試合しっかり振り返ってつぎの早大戦は折り返しになるがしっかり勝って後半に臨みたい。 


・FW人里主将(社4=白樺学園)
勝てなかった、勝てた試合を自分たちのミスで同点で終わらせてしまった。決めれるところを決め切れなかったし、反則で失点してしまったり、自分たちで改善できるミスが響いた。チームの動きは悪くなく、東洋のホッケーができていたと思う。(自身のプレーの評価)決めれたことは良かったが、もっとチャンスはあったしもっと自分が決めていればチームも勝てたと思う。結果として勝てなかったので、自分の中ではあまり良いとは思っていない。(明大に対しての意識)入学してから一度も明治に勝ってないし、今年こそ今年こそで毎年勝てなくて、意識したくなかったけど、明治だから勝ちたいという思いはあった。(早大戦に向けて)サマーカップで負けているので、いい準備をして頑張りたい。


・DF田中(社4=ロックリッジ・カナダ)
結果から見ると引き分けということで、負けなかった点ではよかったが、優勝するには勝ちきらないといけない。追いついてから追い越していくという部分を詰めてやっていきたい。明大は攻めるホッケーに優れている大学なので、DFとしては自分の1対1で負けないこと。チームとしては5人で守るという意識をもっていたことが3点に抑えられたことにつながったと思う。(自身の得点は)山口コーチからは「いい守りをしてから攻めに参加する、参加できるのであればシュートで終わる」と言い聞かされていて、その日常的にもってる意識がチャンスでシュートを打てることにつながった。(引き分けが3試合続いているが)負けないホッケーはできているのかなと。厳しい状況にも強いメンタルで臨んで失点を抑えている。やはり優勝のためには勝たなきゃいけないので、負けないホッケーから勝てるホッケーにしていきたい。


・GK古川(社2=八戸工大一)
点差がついた時、いつも通りずるずるいくのかと思ったが、今日は違った。集中力が切れなかったし、勝てはしなかったが、最終的に追いつけた。今まで点差がついて負けていた明大だったので、こうやって追いつけたのは成長した証かなと思った。(自分のプレーを振り返って)悪くはなかった。(明大を意識していたか)勝ったことのない相手だし、自分がいる前からずっと勝てていなかったから、もう負けたくないという気持ちがある。(早大戦に向けて)サマーカップで負けているので、その借りを返して、久しぶりに勝点をとりたい


TEXT=玉置彩華 PHOTO坂口こよみ、望月優希