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2017.04.17
サッカー

[サッカー]前期リーグ開幕戦 決定力欠き専大に黒星を喫する


第91回関東大学サッカーリーグ戦 1部リーグ(前期)
第1節  4月16日(日) 東洋大学朝霞グラウンド


東洋大0ー2専大


<出場メンバー>

▽GK
伊藤俊祐(国4=柏U-18)


▽DF
浦上仁騎(国3=大宮Y)

渡邉拓也(国2=FC東京U-18)

渡辺星夢(国3=前橋育英)

朝妻佑斗(国2=大宮Y)


▽MF


原田守(国4=藤枝東)60分→勝野瑛(国3=浦和Y)

高橋宏季(国3=FC東京U-18)

宮野直也(法4=西武台)33分→宮吉悠太(国4=京都橘)

松崎快(国2=大宮Y)


▽FW


坂元達裕(社3=前橋育英)

丹代藍人(国3=青森山田)75分→小林拓夢(国2=帝京長岡)



今シーズンは1部リーグに挑戦する


果敢に突破をはかる坂元


浦上は粘り強い守備を見せた


 第91回関東大学サッカーリーグ戦1部リーグ(前期)が開幕した。戦いの舞台を1部に移して臨む最初の相手は専大だ。開始から激しい中盤での攻防が繰り広げられ、なかなか両チームとも決定機を作り出せない。しかし、44分にペナルティーエリア内で痛恨のファウルを犯し、PKを献上。これをきっちり決められ、先制点を許す。後半、巻き返しを図るも10分、短いパスワークで中央を突破され追加点を与えてしまう。その後、セットプレーなどから反撃を試みるも及ばず、開幕戦は黒星スタートとなった。


 4月ながらも気温は25℃と、晴天に恵まれた中行われた開幕戦。試合開始の笛が吹かれ、4年ぶりの1部復帰を果たした東洋大の新たな挑戦が始まった。全選手にとって初めての1部リーグだったため、古川監督は試合前から「恐れずにチャレンジしよう」とチームの奮起を促した。その言葉どおり東洋大は開始から積極的に仕掛けていく。4分右サイドを駆け上がった松崎(国2=大宮Y)が早い段階でクロスを上げると中で待っていた丹代(国3=青森山田)が頭で合わせる。惜しくもボールは枠の上へと外れたが、立ち上がりから得点の可能性を感じさせた。前半は守備陣の奮闘も光った。激しい中盤の攻防からボールをつながれ、ピンチを迎えることもあったが、DFの浦上(国3=大宮Y)、渡邊(国2=FC東京U-18)がギリギリの所で体を投げ出し、シュートをブロック。2人は相手のロングボールに対してもしっかりと打点の高いヘディングで対応し1部でも戦える空中戦の強さも見せつけた。

 スコアレスのまま前半が終わるかと思った44分、試合が動く。左サイドからのクロスのこぼれ球に頭を出した相手に対し、足でボールを迎えにいった原田(国4=藤枝東)のプレーがファウルを取られPKが宣告された。辛抱強く守っていただけに悔やまれるファウルとなった。これを決められ、追いかける展開となって前半を折り返す。後半に入ってからは、専大の前線からの組織的なプレスに苦しめられる。「厳しいチェックをはがせるような組立てがしたかった」と浦上が試合後振り返ったように、思ったようにパスが回せなかった。すると後半10分、自陣でボールを奪われると、本来は自分たちがやりたい細かいパス回しで中央を突破され、最後はゴール右隅へ突き刺された。リードを2点に広げられ、古川監督は「後手を踏んでしまうケースが多かった」と相手の寄せの厳しさに唇を噛んだ。

 まずは1点を返したい攻撃陣は、「取られてもいいから仕掛けようと思った」と坂元(社3=前橋育英)が得意のドリブルで相手を揺さぶりゴール前まで攻め込むが、専大もゴール前に人数をかけ、シュートをなかなか打たせてもらえない。後半途中から勝野(国3=浦和Y)、小林(国2=帝京長岡)を投入し多くのチャンスを作り出すものの、あと一歩のところで決めきることができず、最後までゴールネットを揺らすことはできなかった。リーグ初戦は無得点に終わり、1部の難しさを知る結果となった。

 しかし、チームは決して悲観的にはなっていなかった。「もっと頭の回転のスピードを上げていく必要がある」と古川監督はこの日の敗戦からすぐに次への課題見出した。専大と総合的なチャンスの数を比べても、そこにはさほど大差は無かった。「1回のシュートを決めきること」と坂元が言うように、決定力の向上がこの先1部リーグを戦い抜く上で重要になってくる。2週間後、第2節の相手は昨年度のインカレ王者である筑波大だ。この2週間を利用してもう一度しっかりと準備し、挑戦者として王者に挑む。


■コメント

・古川監督

久しぶりの1部というところで選手全員が初めての経験だった。その中で恐れずにチャレンジしようと伝え、選手たちはピッチ上でそれを体現してくれたと思う。ただ、ちょっとした隙に対しての相手の寄せの早さや狙いの厳しさに後手を踏んでしまうケースが多かった。もっと頭の回転のスピードを上げていく必要がある。(今日の攻撃陣は)ボールの出所に相手の寄せが早かった分、なかなかボールを落ち着かせられる状況を作り出せなかった。途中で勝野が入ってちょっと落ち着きどころができてそこから何回かいい形もできていたと思うので、すべてがネガティブなものではなかった。(次節の筑波大戦へ向けて)ある程度やれているところもあっただろうし、コンセプトは変わらない。前回1部にいたときのように、拮抗したゲームの中で惜しいだけで終わってしまうと、ただ試合の数だけ増えていって勝ち点が積み重なっていかないことになる。ある程度拮抗した試合のときにはしっかり勝ち点を持ち帰るというのが大事。今日のところもやられなければ勝ち点1は取れただろうし、何回かあったチャンスを決めきることだったり、クロスに飛び込む形だったりというのを次までにもっと徹底していけたらなと思う。

・浦上(国3=大宮Y)

前半自分はまず失点をしないようにゲームを作っていきたかったけれど、前半に失点してしまった。そこから立て直そうとしたけれど、1部はまた違うなと思った。(相手の前からのプレスに関しては)スカウティングで前からくることはわかっていた。その中で自分たちはボールを大事にするサッカーなので、厳しいチェックをはがせるような組み立てがしたかった。でも、最初は飲まれないように割り切るっていうことは必要だったので、そこはできたかなと思う。(後ろからみた攻撃は)チャンスは何回かあった中で1部のレベルだとチャンスも少なくなってくる。攻撃の選手は少ないチャンスを決めきるだったり、自分の場合だとセットプレーで点が取れたら楽になると思うので、そういうところはもっとやっていきたい。(次節の筑波大戦へ向けて)開幕戦の筑波大の試合を見たけれど、やっぱり今日の相手以上のクオリティはあると思う。ここで落ちないように、リーグ戦は長いので今日の試合を引きづらずに、もう一回伊藤くんを中心に全員で準備して、一試合一試合戦っていきたい。

・坂元(社3=前橋育英)

(後半のドリブル突破が目立ったが)2失点してやるしかないという気持ちになった。取られてもいいから仕掛けようと思った。抜くことはできたが、得点もアシストもできなかったので、全然だめだった。(1部の舞台は)通用するところもたくさんあるが、1部は毎試合簡単に勝たせてもらえないので、1回のシュートを決めきるというのが、自分にはまだ足りない。(次節の筑波大戦へ向けて)筑波大は全国でもトップレベルチームというのは、昨日の開幕戦を見ても全員わかっていると思う。それで自分たちがどのくらいできるのか、勝ちきれるのかというのを、自分はもっとやっていきたい。


[次節試合予定]

第91回関東大学サッカーリーグ戦 1部リーグ(前期)
第2節 4月30日(日) 対筑波大 龍ケ崎市陸上競技場たつのこフィールドにて 14:00キックオフ


TEXT=美浪健五 PHOTO=藤井圭、土橋岳