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2017.04.19
硬式野球

[硬式野球]亜大打線に屈せず 飯田主将、思い刻むグラブで完投勝利

平成29年度東都大学野球1部春季リーグ戦・亜大1回戦

4月18日(火)神宮球場

○東洋大13-3亜大



緩急自在な投球を見せた飯田

今日の試合は特に感情があふれていた



 全員でもぎ取った初勝利だった。先発の飯田(営4=常総学院)は初回から最速145㌔を放つ好調ぶり。三番・北村の空振り三振で珍しく吠えるほど、気持ちが大きく乗っていた。終盤も直球と変化球を織り交ぜ、強敵・亜大打線を8奪三振に無四球投球はさすがの制球力。9回を投げ抜き、昨年9月5日ぶりの完投勝利。13安打と味方の大量援護も盾となり、「とにかくチームが勝てたことが嬉しい」と念願の新チーム1勝目を喜んだ。副将の田中将也(営4=帝京)は飯田に対し「責任感が強い分、周りがサポートすべきと思っている。彼がエースだと感じました」と、周囲の支えも背中を押した。飯田自身も「とにかく野手陣に助けられた試合です」と、全員でもぎ取った一勝に、思わず白い歯を見せた。

 課題も見えた。3回に先制点をプレゼントされ、より良い投球が期待された。しかし「しっかり良い流れを、と思い過ぎてしまった」とテンポが乱れ、8番・山本に対し3球連続でボール球を与え、中安を許した。終盤にも「8、9回で悪くなってしまったことが心残り」と完封も見えながら、3失点と悔しい結果に。雨上がりで蒸し暑さが感じられる球場に、「9回は飯田も疲れていたのだと思う」と、女房役の西川(営4=浦和学院)も徐々に体力の消耗を感じ取っていた。これからの暑さに向け、スタミナ対策も必要となりそうだ。

 「捲土重来」。意味は『一度敗れたり失敗したりした者が、再び勢いを盛り返して巻き返すこと』。新チーム発足時にグラブを新調する際、飯田自ら刻んだ。昨秋、逆転負けを喫し勝ち点を取りそびれた失敗は二度としない。打の東洋にエースの完投。再び勢いを盛り返し、10季ぶりに亜大から勝ち点を取る。


■コメント

飯田主将(営4=常総学院)

先週中大に負けてから次に向けて投げられるように準備していた。とにかくチームが1勝できたことが嬉しいです。

(3回テンポが悪くなった点について)3点取ってくれたのでしっかり流れをと思いすぎてこうなってしまった。

前半に打線が良かったのでとにかく野手に助けられた試合です。中大にストレートで勝ち点を落としたので、原点に立とう、もう一度見直してやろうとチーム全体で話をした。何としても勝ちたいと、勝ちを意識して投げ抜きました。これを継続していきたいです。


TEXT=美馬蒔葉 PHOTO=美馬蒔葉、永田育美