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2017.05.09
アーチェリー

[アーチェリー・男子]「もう1点を射抜け」昨年のリベンジを達成し、悲願の1部昇格へ!

2017年度関東学生アーチェリー男子1部2部入れ替え戦


5月7日(日)立大富士見総合グラウンド


1位 東大 3801

2位 東洋大 3740

3位 中大 3691

4位 明学大 3616


※上位2校が来季1部リーグ


(上位6名の合計得点)


個人成績

      50m    30m  TOTAL

1中野 310  347  657

2飯塚 296  337  633

3石田 283  322  605

4星野 252  336  588

5中村 294  328  622

6速水 240  287  527

7竹内 276  317  593

8大澤 294  336  630

試合後に選手たちから胴上げをされる中野主将

630点と好成績を記録した大澤

中村は好射にガッツポーズを見せた

竹内は個人成績で593点と悔しさをのぞかせた

1部昇格を決めた男子チーム



 リーグ戦を全勝で勝ち進み、入れ替え戦へと駒を進めた男子チーム。勢いそのままに臨んだ試合では、上位6人の合計点で3740点を記録。東大に続き2位となった東洋大は、見事1部昇格を勝ち取った。


 1部昇格。それは昨年から続くチームの悲願だ。昨季出場した入れ替え戦では、3612点と健闘したものの上位2校に残れず、2部残留となった。同じく入れ替え戦を戦っていた女子チームは、1位で昇格を果たす。男女ともに昇格を狙っていただけに、女子だけが昇格への切符を勝ち取り、共に1部リーグの舞台で戦うことができなかった男子チームはさらに悔しさを感じた。石河監督は「雪辱戦だった」とこの試合を振り返り、今年こそという思いを胸に、入れ替え戦を挑んだ。


 昇格へのキーパーソンはやはり中野主将(法4=磯辺)だ。657点と高得点を叩き出し、数字でキャプテンがチームを引っ張った。中野は「主将らしく、最後に仕事ができた」と自身を評価。最後まで絶対的な柱として支え続けた。飯塚(ラ2=浦和西)と大澤(済2=千葉英和)も中野に続いてそれぞれ633点、630点と高得点を記録し、昇格へ向けて勢いを加速させる。昇格という目標に向けて、チーム全体で高い意識を持って戦った入れ替え戦を、飯塚は「負けるのではないか、という雰囲気が感じ取れなかった」と想起した。各選手が「チーム一丸で戦えた」と口を揃えて答えるほどの強い気持ちが、チーム全体の力となり、昇格という最高の結果をつかみ取った。


 「もう1点を射抜け」。これは石河監督がリーグ戦開幕前に挙げた目標の1つである。昨年の入れ替え戦では2位と39点差と、決して届かない点数ではなかった。それだけに各選手たちは、もう1点でも多く取ろうと1年間を戦い抜いた。前述した通り、チーム全体が同じ方向を向いて戦った結果が、この歓喜につながっている。

「勝因はやっぱり気持ち。全員が1部に上がろうっていう気持ちを持っていたのと、後ろもしっかり盛り上げて空気作ってくれて。全員で同じ目標を持って動けていたのが今日の勝因だった」。

中野は勝因についてこう語った。アーチェリーは個人の点数を競っているが、集団としてのサポートが大きく個人の点数を左右する競技でもある。それを強く示したのが、今年度の東洋大アーチェリー部であった。


 来年度は1部というさらに厳しい戦いが待っている。中村(文4=南陵)は「今は嬉しい気持ちを感じてもらって、これから切り替えて目標に向かって、すぐ行動に移してほしい」と後輩たちを鼓舞した。大澤は「今年よりもっといいチームを作れたらいいなと思う」と気合は十分だ。竹内(ラ3=豊島学院)も、「今の点数では勝てないと思っている」と厳しいコメントを残した。これから個人戦や新人戦もあるが、男子チームとしての試合はこれで最後になる。女子チームやOB、OGも駆けつけた最終戦。今年の目標だった1部昇格を達成し、そのために費やした努力が、チームを結束させた。そして作り出された最高の雰囲気がラストゲームに花を添えた。来季もさらなる団結力をつけた新チームが1部という新たな舞台で起こす快進撃がこれから楽しみだ。


◾︎コメント

・石河監督
雪辱戦だったが、念願の1部昇格が実現できて、本当に嬉しい。総力戦で、誰ひとりかけてもこの結果は得られなかったと思うので、全員が全力でやることを言ってた。その通りの練習と試合をやってきてくれたこのチームを誇りに思う。(選手へ)私がこのリーグ戦で目標にした言葉で、「もう一点を射抜け」っていうものがあった。それを実際にやってくれたことに対して精一杯褒めたい。


・中野(法4=磯辺)

今日は僕含めてみんな結構緊張していて。高い目標を持ってこの一週間、リーグ戦を頑張ってきていて、全員で勝てて1部に行けてよかった。緊張している中でも楽しめていたのでよかった。1年間目標を掲げてチームでやってきたので嬉しい。先輩方も気にかけてくださったりとか、周りがほんとに支えてくれて心配してくれて、それで後輩がしっかり育ってくれて。2年生で入れ替え戦を目指すのは大変だと思う。たった1年だったのに、同じ目標をもって同じ熱量で頑張ってくれた。後輩が色々と力を貸してくれたのが大きい。


・中村(文4=南陵)

全員で声をかけ合って、1人じゃ勝てないので、チームがあってこそ高い点数が取れた。みんなのおかげだと思う。(後輩へ向けて)1部リーグはさらに厳しい戦いが待っていると思う。今日は昇格したという嬉しい気持ちは感じてもらって、これから切り替えて目標に向かって、すぐに行動に移してもらえれば、1部でも強く戦ってくれると思う。


・竹内(ラ3=豊島学院)

去年の春に掲げた1位通過で1部に行くという目標を達成できたことは本当に嬉しかった。(リーグ戦を振り返って)去年全くリーグ戦に出れなかったので、全てが初めてだったけど、独特の緊張感の中でも射てたことは自信になった。(1部へ向けて)今年とは全く違う相手で、難しい試合が多くなると思う。正直、今の点数では勝てないと思っているので、個人個人がもっとレベルアップしていかないといけない。中野主将という絶対的エースが抜けてしまうので、その穴をみんなで埋めていければいい。


・大澤(済2=千葉英和)

いつもよりは緊張したが、集中もして良いペースでできたので、今日は良い日だなと思った。(リーグ戦は)4戦目まで調子が出なくて、苦しい時間が続いていた。前回の最終戦と今日の入れ替え戦で630点を2回出せたのは、自分にとっても大きな成長だと思っている。課題を見つけることができたし、克服することもできて、いいリーグ戦期間だったと思う。(個人戦へ)少しフォームを直して、個人戦はインカレには出れるように。1年後に向けて、1部に上がることができたので、必ず王座には行きたい。個人戦でもインカレで良いところまで狙えるように頑張りたい。


・飯塚(ラ2=浦和西)
1部あがれて本当によかった。そういう気持ちでいっぱいです。(試合に向けて意識したこと)あまり緊張し過ぎてもいけないので、いつも通り自分ができることを意識してやっていこうと心掛けていた。(チームの雰囲気)今までで一番良かった。みんなが1部に上がるんだっていう気持ちを持てていた。最後に本当に良いチームになったんだなと感じながら射てたし、チーム一丸で戦えたのが勝因だと思う。


・石田(文2=花咲徳栄)

これまでの試合と違ってリーグの上がったり下がったりが決まってしまう試合だったので、すごく緊張していた。それでも中野先輩、飯塚を含め近くの人たちが励ましてくれて、そのお陰で持ち直して調子あげていけた。まだ少しメンタル的に弱い点がまだあることを実感できる試合だった。(新チームへ向けて)これからまた雰囲気やメンバーが変わると思うが、今回のチームみたいに試合に臨んでいきたい。


TEXT=藤井圭 PHOTO=藤井圭、外狩春佳