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2017.05.10
硬式野球

[硬式野球]ルーキー小川、憧れのユニまとい村上へ捧ぐ適時打放つ

平成29年度東都大学野球1部春季リーグ戦

5月10日(水)神宮球場

○東洋大9-2国学大

(イニングスコア)

2回戦










国学大



東洋大


(東洋大)

○村上(2勝)、山下―西川


・打撃成績

打順                    
守備
名前




(中)
竹原(法3=二松学舎大付)
413
(左)古田(法4=天理)323

(三)田中将也(営4=帝京)400
(二)中川(法3=PL学園)400
(一)佐藤(法2=聖光学院)
310
(捕)西川(営4=浦和学院)520
(右)宝楽(営4=PL学園)
310

(指)杉本(営1=中京大中京)000

打指末包(営3=高松商)100

打指蛭田(法4=平塚学園)000
打指若原(営4=愛工大名電)100

(遊)小川(法1=霞ヶ浦)322

打遊
津田(総2=浦和学院)
0
0
0




3198


・投球成績

名前


球数

四死球


○村上(総1=智弁学園)6 2/329104916
1

山下(営2=東邦)
2 1/39311110


2本の適時打を放った小川



今季2勝目を挙げた村上



昨日の劇的逆転勝利で勢いに乗り、迎えた国学大2回戦。1回、相手先頭打者の当たりを古田(法4=天理)が好捕球したように見えたが、判定は二塁打。高橋監督の抗議で9分間のインターバルを挟んだ。小川(法1=霞ヶ浦)の適時二塁打や竹原(法3=二松学舎大附)の走者一掃の適時三塁打などで9得点し難なく快勝。先発の村上(総1=智弁学園)は4番の本塁打と7回の連打で失点するも、後続の山下(営2=東邦)がきっちり抑え、今季2勝目。この連勝で首位浮上。優勝マジック2が点灯した。

 

 思い切って振りにいった。2回、連打と死球、さらに捕逸により先制点を取ると、確実に流れが来た。2ボールからの3球目、「まっすぐを狙っていきました」と得意のインコースを逃すことなく捉え、適時二塁打を放った。3回にも、二死満塁の好機に狙い球をストレートから変化球にシフトチェンジし、適時打を放つ。先発の村上とは普段から仲が良く、「すごく話すんです」と笑う。昨晩に村上から「明日頼むよ」と尻を叩かれ、今日の試合は「なんとしてでも援護したい」と特に奮起。同期の今季2勝目をアシストした。

 憧れの舞台に立った。高校野球の引退後、「どうしても憧れの東洋で野球がしたい」とバットをペンに持ち替え、受験勉強に励んだ。他の部員のほとんどが推薦で大学合格を決める中、小川は一般入試で法学部に合格。晴れて硬式野球部の門をたたいた。開幕前から「頭のいい子。守備もうまいし期待できる」と指揮官も絶賛。昨年から経験を積んでいる1学年上の津田(総2=浦和学院)に加え、昨夏の甲子園で優勝を経験した同級生の山本(営1=作新学院)などのライバルが多く、激しさを見せる正遊撃手争い。「自分のセールスポイントは肩の強さと守備です」と言い切るほど自信がある。今後の試合では守備にも注目したい。

 「レベルが高いのでとにかく練習している」と、大学生活をおう歌する顔はいきいきしていた。再来週の決戦に向け、思いは一つ。「一日一日を大切に練習していきます」。夢に見たユニフォームでプレーできる喜びを噛みしめ、13季ぶりの東都の頂へ若き力が躍動する。


■コメント

・高橋監督

村上は危なげあったけど何とか勝ってくれたね。小川くんはガッツがあっていいところがあるよ。DH起用した杉本も含め、1年生が頑張ったね。あと2勝して頑張っていくよ。

・村上(総1=智弁学園)

とにかく集中を切らさないようにした。1点は取られても取り返すからと言われていた。ストレートで押していったのは気持ち。初回のピンチを抑えられて、その裏で点が入らなかったが、次の回抑えれば流れが来るかなと思った。自分が投げると、大量に援護点が来るので気を楽にして投げられた。優勝するために落とせなかった一戦でそこを任せてもらったのはありがたいことで、いい経験をさせてもらった。チームに貢献したいという気持ちが強い。いい緊張感を持って投げることが出来た。(亜大2回戦で)完封勝ちしたことで自信を持ってマウンドに上がることができた。昨日の試合がいい流れで終わったので、そのままで行くことができた。(七回に失点した時は)あそこまで行ったなら仕方ないなという気持ち。最小失点でいこうと思った。球はいいので自信を持ってと言われていた。前回の登板の時はカウントを取るのに必死だったが、今日はそうでもなかった。高めに浮いた変化球を打たれてしまうのが課題。

・西川(営4=浦和学院)

初回のアクシデントの中、村上がよく抑えてくれたことがチームの流れを作ったと思います。村上の調子自体は良くなくて、決めにいったスライダーでは空振りを取ることができず、まっすぐも走っていませんでした。山下も調子があまり良くなく、本人が試合中に修正していった感じですね。去年の4年生が春秋ともにあと一歩のところで優勝を逃し、悔しい思いをしたので、そういう思いを含めて日大戦までの2週間、しっかり練習をしていきたいと思います。

・小川(法1=霞ヶ浦)

今日が一番大事な試合で先発が村上だったので援護したい気持ちで試合に臨んだ。中断であれだけ時間が空いたが、とにかく打てるように気持ちを切り替えた。ルーキーなので技術云々よりまずは自分のスイングをしようと心がけている。プレッシャーのかかる試合が多いが、田中さんや中川さん等の先輩方が後ろについているので、思い切ってやるだけだと思っている。ただ、試合に出る以上先輩後輩関係ないので、強気で試合に臨んでいる。空き週は一日一日を大切に、一からまた練習していきます。


TEXT=美馬蒔葉 PHOTO=美馬蒔葉、伊藤梨妃