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2017.05.22
サッカー

[サッカー]攻守に躍動した勝野、ゴール後には兄へ捧げるゆりかごダンスも

第91回関東大学サッカーリーグ戦 1部リーグ(前期)


第6節 5月20日(土) たつのこフィールド龍ヶ崎


東洋大 3-0 流経大


得点後ゆりかごダンスをする勝野

攻守両面でチームを支えた


 その瞬間は、前半32分に訪れた。左サイドのパス交換から巧みに崩すと、駆け上がった宮吉(国4=京都橘)がマイナスのクロスを上げる。待っていた勝野(国3=浦和Y)が左隅に沈めて、首位・流経大を相手に貴重な追加点を決めた。

   振り抜いたシュートは、ニアポストに当たってネットを揺らした。「ボールが弱かったが、良いところにコースが入ったので良かった」と安堵の表情を見せた勝野。ゴールが決まった後には、先週の月曜日に男の子が生まれた兄の勝野洸平コーチ(H23年度国卒)へ 送るゆりかごダンスのパフォーマンスを見せた。「父に決めたら(パフォーマンスを)やってねと言われたので」と勝野は笑顔を見せ、兄の勝野洸平コーチはパフォーマンスについて「(やることは)全然知らなかったですね」と話した。追加点を加えた後も、勝野は攻守に渡ってチームを支えた。ボランチでコンビを組む高橋(国3=FC東京U-18)と共に、相手の攻撃の芽を積んでいく。そのままカウンターへつなげていくなど、90分を通して中盤を制圧。無失点での勝利に大きく貢献した。

   2ー0になった時点で、選手は2週間前の悪夢を忘れていなかった。集中応援日だった第4節の明大戦では、2点リードしている状態から、3点を取られて逆転負けを喫する。勝野は「ハーフタイムやコーナーキックとかでも絶対に緩めるなと皆で声をかけあっていた」と話し、集中力の高さをチーム全体で保っていた。昨季は途中でスタメンから外れることが増えて、今年の開幕戦には勝野の名前はなかった。それでも出場機会を与えられると、高いパフォーマンスを披露し、位置を確保。チームの勝利に貢献するなど1部の舞台で躍動している。さらに勝野は、3年生で学年のキャプテンを任された。勝野洸平コーチは「ピッチ内外でリーダーシップを取れるように、やっていかなければいけないし、それが使命だと思う」と1人の選手として強く期待している。これから勢いを増していく東洋大で、中盤の底に安定感を与える勝野の活躍は、必要不可欠だ。

■コメント

・勝野(国3=浦和Y)

早い時間に1点取れて、自分も2点目を取れて、そのまま2ー0で押し返して、後半もまた良い時間に追加点を取れて、押される時間は最後長かったが、守備陣が皆が頑張って0に抑えてくれて、完封勝利ができたので良かった。(得点シーンは)良い形でボールを奪って、宮くん(宮吉)が奥まで侵入してくれて、自分のところにスペースがあったので、最初ボールが弱かったが、良いところにコースが入ったので良かった。(中盤での守備が良かったが)最近は1部の舞台を戦って、守備の意識が練習から高くなっている。公式戦でも守備のスライドの部分や球際が良くなってきたので、0に抑えられたことにつながっている。(次戦へ向けて)これで3勝3敗と五分に持ち込めているので、このまま連勝して勝ち越せるように頑張りたい。


TEXT=藤井圭 PHOTO=鶴田華穂