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2017.08.30
水泳

[水泳]インカレ直前特集④想いを背負うリレーでみんなを笑顔に~三好悠介~

水泳部 インカレ直前連続特集④ 三好悠介


※9月1日~3日に、学生日本一を決める第93回日本学生選手権水泳競技大会(以下、インカレ)が大阪府・東和薬品ラクタブドームで行われます。それに際し、インカレ開幕前日まで注目選手のコラムをカウントダウンでお届け!

今年のインカレのキャッチコピーは「大阪夏の陣・負けられへん戦いが今ここに」世界水泳、ユニバーシアード代表選手も数多く出場し、熱戦が繰り広げられること間違いなし!

 

 「また後でもいいですか?ちゃんと話したいんで」インタビュー途中で水泳部の活動に戻る際に三好悠が言った。インタビュー時間はもっと短いことが多い中、三好悠はインカレや水泳部、さらには学食のことまであらゆることを長い時間話してくれた。ここに三好悠の人の良さや本人も語る、「相手の立場になって物事を考える」という部分が出ている。

 今年の日本選手権、ジャパンオープンと大事な試合での自己ベスト更新が続き、インカレを自身のラストレースと語るのが4年生の三好悠介。200mバタフライでは日本代表で、1年先輩の萩野(H28年度卒=ブリジストン)に勝利し、インカレの200mもさぞ気合が入っていることだろうとインタビューに臨むと、予想とはまた異なる答えが返ってきた。個人とは別のベクトルで4×200mリレー、通称“8継”への思いが強いという。去年の8継は優勝を逃した萩野たちの悔しがる姿を見ているだけしかできず、400mメドレーリレーでも先輩の萩野や天井とのラストリレーを優勝で飾りたかったものの早大に惜敗。その分、リレーにかける思いは人一倍強いようだ。

 また、リレーを頑張るのは「今後の東洋のためにも」とも語る。最高学年として後輩たちへの声かけや、自分の立場から水泳部を見て気がつくことが増えた。周りを見て行動したり、相手の立場になって物事を考えることは三好悠が東洋大学に入学して身に着けた最たるものだ。そんな三好悠が“東洋大学水泳部のため”と思いを込めるというのだから注目しないわけにはいかない。

“強い東洋”を証明し、まだまだ続く後輩たちに伝えきれなかったことも背中で語ること。“全員で笑う”ために、周りがいい結果を出せるようにサポートするのはもちろんのこと、自分自身もいい結果を出すこと。三好悠、最後の勇姿が見られるまであと2日だ。

 

——ジャパンオープンお疲れ様でした。200mバタフライでは先輩である萩野さんに勝たれましたが、萩野さんから一言もらったり、自分から言ったことはありますか

その日は「絶対に(萩野)公介さんに勝つ」って思ってたのでそのことしか考えてなかったんで、公介さんはどうか分からないんですけど、自分は闘志むき出しにしてたんで一切話さなかったです。レース終わって「よかったね」って言われたくらいですかね。


——インカレについてお聞きしたいと思います。インカレで一番思い出に残っていることは何ですか

1年と3年のときのメドレーリレー。絶対に優勝できるっていうのが1年も3年のときもあって、全員、4人共、絶対とれるだろう、っていうのがあって。1年目はまぁほぼ自分のせいで負けて2番ですごい悔しい思いをしたのと、去年も去年で自分のせいでもあるんですけど。それでまた2番で公介さんを何が何でも自分は優勝させてあげたかったっていうのがあったので。まあ涙流しましたし、すごい悔しい思いをしたっていうのはやっぱり、うれしいことよりもなんかそっちの方が強いかんじはしますね、1年から3年を振り返ってみて。去年2バタ(200mバタフライ)で3位とったんですけど別にそんなことよりもなんかそっちの方が強い。


——今年のインカレでメインにしている種目は何ですか

本当は個人のレースを一番って言うべきなのかもしれないですけど。なんでか知らないですけど今年は8継、800mリレー。誰が泳ぐんだ、っていうときに自分は100%泳がなきゃいけない存在だなっていうのを今年始まってから認識しましたし。やっぱり去年、公介さんたちがすごい悔しい思いをしているのを見ていて。本当は自分があそこで泳がなければいけない立場だったんですけど、それをすることはできなくて。悔しそうな姿を只々、観客席で見つめてるだけ。今年こそは、公介さんがいなくても自分たちはこれだけできるんだっていうのを8継で見せたいって思います。今後の東洋の8継のためにも今年もう1回、カムバックじゃないですけど、“公介さんがいなくても強い東洋”を証明したいなと自分は思ってるので。本当は個人の方が大事なのかもしれないんですけど、やっぱりみんなの想いを背負って泳げるリレーが、自分の中で一番頑張りたいなって思う種目ですかね。(――個人の方は…?)そこら辺は自分の中でうまくわけてはいるんですけど。個人の目標もしっかりありますし、2冠したいっていう思いもありますし。でもその気持ちと全く別のところにある気持ちっていうのが8継とリレー種目っていうか。リレー種目の中でもメドレーだと思ってたんですよ、僕は。メドレーが一番熱くなるな、と初めはそう思ってたんですよ。自分の中でもメドレーは絶対に優勝したいってまあ思ってたんですけど、それよりも今は8継の方が強いかなっていうのはありますかね。


——インカレがラストレースとおっしゃっていましたが、今までの水泳人生で一番印象深かったのもインカレでのリレーのレースになりますか

振り返ったときに出てくるのは、うれしかったことよりも悔しかった思い出の方が強いかなってのはありますかね。なんだろ。難しいですね。これだ、っていうのは決めれないですかね、やっぱり。そうなってくるとやっぱりインカレのあのレースになってきますかね、悔しかったんで。


——最高学年として今年の後輩たちはどうですか

一人一人すごいいいものを持っているのでそれを100%、120%出せればすごいタイムがでるんじゃないかなと。それを引き出してあげるのも自分の役割でもありますし、残り40日でどうやってそれをやっていくか。あと、やる気をどうやって与えられるかであったりとか。みんな引き出し方が分かんなかったりっていう人が多いのでそれを上手く引き出してあげられるようにすれば、みんな化けるんじゃないかなって思いますね。


——三好さん自身、先輩に引き出してもらったな、ということはありますか 

いまだに覚えてるのは、大学2年の時のインカレで公介さんに言われた言葉です。公介さんがちょうど泳げなくて。自分はレース前に「絶対、ベスト出してきます」か「表彰台あがってきます」かなんか言ったんですよ。「いや、お前そんなんでいいのかよ。優勝してこい」って喝入れられて。それが人生一、なんて言うんですかね、ゾーンに入ったというか、よく分かんないですけど、本当に無の状態で入って。結果はそんなにはよくなかったんですけど。公介さんに喝を入れられたときは、自分の中で燃えるものがあったなっていう感じはします。やっぱり一番引き出してくれたのは先生かなと思うんですけど。先生方が普段接している中で、自分に対してのアプローチだったりだとか、声かけて下さったりとか。そういう自分が気づかないところでこう、うまくやってくれてたんだな、っていうのを振り返ってみるとすごく感じます。あとはまあ高井先生の言葉なんですけど、レース前に「耐えろ」という言葉を一言いただいたことがあって、200mの時に。もうそれからはずっと、150mターンする前に思い出しますね、絶対。「耐えろ」って言葉を思い出して、一番耐えるところで先生の言葉を思い出して最後泳いだりしてますね。先生方からいただく言葉っていうのはすごい、深くて熱いものがあるかなって感じますね。


——自分が東洋の水泳部でよかったなと思うことはありますか

 全員が全員フレンドリーというか、仲が良いってところですかね、やっぱり。あとはそう簡単にはいかない、一筋縄ではいかないところもまたいいのかなとかって思ったりしますけど。やりがいっていうか、上に立っていて分かることかなっていうのがありますね。


——男子寮寮長をなさってる三好さん。寮で良かったこと、苦労することなどありますか

どんな時でもみんながいるっていうのが一番良かったなと思います。苦労することもあるけど、まあ別にそれはそれで良かったなっていうのもありますし、みんな仲良いんで。(――練習終わってから集まったり?)いや、特にないです。自分の部屋こもってます(笑)


——続いて学生生活について。これは大学生だなあと感じたことはありますか

学食とか食べてるとやっぱ大学生だなってかんじはしますね。一番学校で記憶に残っているっていうのが学食!東洋の学食おいしいんですよね。自分はデリカフェのトマトとチェダーチーズかトマトとバジルのあのあれが一番好きで本当に!もうあれがでてないと「う~わ、まじか」みたいな、結構萎えますね(笑)


——東洋に入学して自分が成長した、変わったことはありますか

大学入るまでっていうのは自分のことだけ考えてればうまく進むような人生っていうか、自分のことだけ考えてればまあ良いかなって。そんなに他人のことを考えることもなかったですし。大きいチームでやってなかったっていうのもあるんですけど。そういった中で大学入ってきて、絶対に一人じゃやってけないっていう環境で。自分は元々コミュニケーションとるのが好きなんですけど、なんかうまくこう話しかけられないっていうか。自分の時間も大事なんで、別に喋らなくてもいいやって。そういうのをずっとやってて、壁にぶち当たって。本当に伸びなくなって、本当に辞めたいって思った時期もあって。それも先生に言いました。言った時に「じゃあお前それ、俺に言う前に同期に言ったのか。そういうところじゃないか。どんなに些細なことでも周りに、同期に言うようにしろ」って言われて、なんかそれから同期にいろいろ話したり、些細なことでも話すようになって。そういう部分でも変わったって思います。一番は、平井先生だったと思うんですけど「物事を俯瞰(ふかん)して見ろ」。第三の目っていうか。こうやって話しをさせていただいてる中でも、自分の位置っていうのを、話しながらここに置いてみたりだとか。相手がどうやったら話しやすくなるのか、相手の立場になって物事を考えたり、周りのことをそうやって見るようにしたことで、自分の中に余裕が生まれたのかな。つらいことがあってふさぎ込むじゃないですか、絶対に人間って。でもそういうときに周り見て「この人どうなのかな」とか思ってるんですよ、たまに。そういうことをしていく中でつらかった自分がどんどん薄れていって、他の周りのことをちゃんと見なきゃいけない、周りの選手のことを見てアドバイスしなきゃいけないっていう風になったことで、必然と余裕ができたから。気持ちに余裕ができて、うまく頑張れるようになったっていう。一番変わったのは、周り、全体を見る目であったり。相手の立場になって物事を考えられるようになったかなっていうのはあります。今でも相手が自分のことどう思ってんだろうとかって考えるとなんか話しかけづらかったり、なんかもしかしたら話してても(自分は)こういう人だから…。自分はあんまいい人ではないんで。なんでなかなか(うまくコミュニケーションをとれるとは言えない)、まあ自分が悪いんですけどね。


——インカレの前に他の選手たちに声をかけるなどということも?

一番は自分、選手一人一人に「頑張れ」と声をかけた時に、素直に「この人のために頑張ろう」って思ってもらえるような風になっていきたいなって思いますし。そのためにはやっぱり一人一人の悩みだったり、辛さだったりを相手の立場になって考えないといけないなって今も思ってます。どれだけの人がそう思ってくれるか分かんないですけど。そういう風になってみんなが頑張ってくれて、いい結果で、笑顔で終わるっていうのが自分の中で一番の目標なのかな。個人とか8継とかって話しましたけど、それはそれで、やっぱり一番は“全員で笑う”のが自分の目標なんで。自分だけ笑ってても駄目ですし、自分が悔しい思いをしても駄目だし。全員頑張らして、そのエネルギーで自分は頑張りたいなと。

 

——最後に、インカレへの意気込みを一言で表すなら?

うぅーん、、、一言で表すなら“伝える”ってことですかね。自分、4年間ここでやってきて、水泳を始めてから18年。その集大成を表わせる場だと思いますし。最後はかっこいい背中を、かっこいいっていうかまあなんか、なんて言うんですかね。いろいろあったけど最後は背中で、そして自分の行動とかでいろんなものを、伝えきれなかった部分をそこで全部伝えたいな。まあ意気込みなんですけど、「頑張る」とかあるじゃないですか、「絶対優勝する」とか。それも良いと思うんですけど、それで伝わるかもしれないですけど、やっぱりそうじゃない部分っていうのもあると思うので。まだまだ後輩たちは続くんで1年、2年、3年とあるので、自分にできなかったことを、やり残したことをないように、後輩たちは。伝えられるものを全部伝えられるレースにしたいなって思います。


■三好悠介(みよし・ゆうすけ)

学部学科学年/経営学部会計ファイナンス学科4年

生年月日/H8・1・3

血液型/A型

身長/177㌢

出身地/愛媛

出身高校/愛媛県立八幡浜高等学校

エントリー種目/100mバタフライ、200mバタフライ

TEXT=越塚日南

ジャパンオープン2016
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