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2017.09.04
水泳

[水泳]インカレ最終種目4×200mフリーリレーは4連覇で大阪夏の陣ついに閉幕!

第93回日本学生選手権水泳競技大会

9月1日(金)~3日(日)東和薬品ラクタブドーム


(3日目・予選)

◆女子400m個人メドレー

4組
2着 露内 4'46"33
→全体3位で決勝進出

5組
1着 大橋 4'43"32
→全体1位で決勝進出
5着 清水 4'56"53



◆女子100m自由形

5組
5着 岩本 57"96

7組
3着 遠山 56"48
→全体3位で決勝進出
9着 布施谷 57"99



◆女子100m背泳ぎ

6組
4着 今井 1'02"85
→全体8位で決勝進出

8組
4着 渡邊 1'03"10
→全体11位でB決勝進出
5着 大久保 1'03"42
→全体13位でB決勝進出



◆女子200m平泳ぎ
5組
9着 三田村 2'41"78

6組
6着 松原 2'31"61
→全体14位でB決勝進出

7組
6着 江口 2'32"58



◆女子4×200mフリーリレー
3組
1着 東洋大 8'11"63
(露内ー岩本ー中野ー大橋)
→全体2位で決勝進出


(3日目・B決勝)

◆女子100m背泳ぎ

5着 大久保 1'03"33

6着 渡邊 1'03"42



◆女子200m平泳ぎ

2着 松原 2'30"80



(3日目・決勝)

◆女子800m自由形

5位 菊池8'45"03



◆女子400m個人メドレー

1位 大橋 4'36"48

2位 露内 4'40"29



◆女子100m自由形

2位 遠山 55"88



◆女子100m背泳ぎ

6位 今井 1'02"76


◆女子4×200mフリーリレー

1位 東洋大(大橋ー岩本ー菊池ー露内)8'02"55



東洋大女子はフリーの強さをみせつけた

最後のインカレワンツーフィニッシュを成し遂げた大橋と露内

100m自由形でも表彰台に上った遠山

決勝の舞台で順位を上げた今井

初のインカレでシーズンベストを出した松原


 

「負けられへん戦いが今ここに」。このスローガンのもと大阪で行われている全日本学生選手権(以下、インカレ)は最終日をむかえた。2年連続女子総合優勝を目指す東洋大。その前に立ちふさがったのは、一昨年優勝で昨年2位の日体大だ。二日目までで日体大に9点のリードを奪われてむかえた最終日。全てのレースでまさに負けられへん熱い戦いが繰り広げられたが、日体大が最後まで逃げ切り東洋大の連覇はならなかった。

 最初の決勝種目である800m自由形には菊池(営4=作新学院)が出場。今季で引退する菊池にとってこのレースは人生最後の800m自由形となった。前半逃げ切り型の菊池はこの日も積極的なレースをみせる。500m地点までは後続から体一つ分の差で、3位を守る。しかし徐々に差をつめられ650m地点で抜かれるとそこから巻き返すことができず結果は5位でフィニッシュ。自身のレースについて悔しいと振り返った。しかし「自分のレースを見て泣いてくれる後輩たちがいてくれたので、やってきて良かったという気持ちでいっぱい」と話し、レース後清々しい表情をみせた。

続いて行われた400m個人メドレーには大橋(国4=草津東)と露内(文4=京都外大西)が登場。スタート後すぐに頭一つ分抜け出したのは大橋。大きな泳ぎですぐにリードを奪った。そこに隣のレーンを泳ぐ露内も続く。最初の50mから1、2位でターンすると周りを寄せ付けず、その後はリードを広げていくだけのレースだった。露内と3位以下の差は1秒以内に縮まることはないまま1,2フィニッシュ。大橋は大会新記録を1秒以上更新、露内も4分40秒台で泳ぐ好タイムで東洋大の個人メドレーの強さをみせつけた。レース前、「今年は絶対に1,2フィニッシュしよう」と話していたという二人。最後のインカレでようやく悲願達成となった。

 良い流れのなか続く100m自由形では初日に50m自由形で3位入賞を果たした遠山(国2=八代白百合学園)が決勝へ挑んだ。予選から自己ベストを大きく更新したことからも今大会の好調ぶりがうかがえる。決勝のレースでも良い反応をみせると、そのまま勢いに乗り2位で前半を折り返す。後半に入ってもそのスピードは落ちずにゴール。今年の世界選手権で代表入りをしている五十嵐(日体大)に次ぐ準優勝。しかもタイムは55秒88と予選で出した自己ベストを0・6秒更新するものだった。昨年のインカレではこの種目予選落ちだったが今大会で飛躍的な成長ぶりを発揮。女子キャプテンの露内も遠山が今大会でのMVPと大絶賛だった。

 初日の200mではあまり結果の振るわなかった背泳ぎ陣。しかし100mでは今井(済2=宇中女)は決勝、大久保(国3=草津東)と渡邊(営2=東北)はB決勝へとそれぞれ駒を進めた。全員がベスト更新とはならなかったが、出場選手が全員揃って予選を突破したのはこの種目が唯一である。来年は3人の姿が決勝でみられることを期待したい。

 個人種目最後となった200m平泳ぎでは松原(営1=豊川)がB決勝に進出。今大会1年生のなかで唯一の予選突破となった。今シーズンはなかなか思うような結果を残せていなかった松原だが、予選から順位を大きく上げ2着でフィニッシュ。「今できる全力は出せた」と笑顔で初めてのインカレを終えた。

 インカレラストレースを飾るのは4×200mフリーリレーだ。この種目3連覇中の東洋大。会場の熱気もピークに達するなか大橋、菊池、露内という4年生女子トリオと3年生の岩本で最終決戦へ挑んだ。第一泳者は個人種目でも2冠を達成した大橋。150m地点までは競るレースを展開するも、ラスト50mは疲れを一切感じさせないラストスパートをかけ、200m自由形の大会記録まであと0・5秒という好タイムたたき出した。第二泳者は唯一の3年生である岩本。大橋がつくったリードをさらに広げ、2位の日体大を4秒以上突き放す。気付けば東洋大の一人旅状態で第三泳者の菊池へ。菊池は最初で最後のインカレ決勝でのリレーメンバー入りだった。普段はなかなか出場しない種目ながら周囲に全く劣らないタイムで泳ぎきった。アンカーを泳いだのは4年連続この種目に出場している露内。今までの3年間は内田(H28年度営卒)や宮本(H28年度法卒)などの先輩に支えられていたこのレース。しかし今年は自分が最高学年であるため引っ張っていかなければならない立場でむかえた。自身のなかでもっともレース数の多かったインカレだったが、この最終種目でアンカーという大役を担った。3人がつくった大きなリードを保ったまま1位でゴール。普段はあまり感情を表に出さない露内だが、応援席にむけ力強く大きなガッツポーズをした。この結果にリレーメンバーだけでなく、プールサイドから声援を送った多くの選手も目を赤くした。周りのチームは200m自由形で結果を残している選手を中心に出場しているなか、今大会東洋大女子はこの種目に出場者は0。メンバー全員が得意種目ではない中での優勝というのは「勝ちたい」という強い意志がもたらしたものではないか。4年生がみせたこの強い意志を来年からは、今回メンバー入りした岩本を中心に引き継いでいってくれるにちがいない。

 今年1年目標としていた女子総合優勝は達成できなかった。女子キャプテンの露内は「後輩たちに申し訳ない気持ちでいっぱい」と語った。しかし露内、大橋、菊池の3人の4年生が個人種目でもリレー種目でも活躍をみせたことは後輩に記録よりも記憶というかたちでやきついたのではないか。それは多くの後輩たちが3人に対して「偉大な先輩たち」といったことが表している。そして「来年こそは」とすでに闘志に燃えていた。4年生の背中をみてきた後輩たちが来年、その背中をこえていくにちがいない。



■コメント

・大橋(国4=草津東)

個人としても2冠2連覇出来たのはすごく嬉しい。でも何よりリレーで優勝出来たのが嬉しい。みんなユニバーシアードに行っていたりとタフなレースをこなしているメンバーばかりだったので、とにかく失格だけはしないように落ち着いていこうということと、最後に絶対優勝しようと気持ちを締めて挑んだ。自分も疲れはあったがそんなことは言ってられないので、とにかく自分が引っ張るぞという気持ちで泳いだ。菊池もコンディションがあまり良くないなか頑張ってくれたし、4年間一緒に頑張ってきた3人と三年生を引っ張ってくれている岩本で最高のレースが出来た。(チームの評価は)点数の取りこぼしがあったりと悔しい部分はあったが、それを取り返すぞという二、三年生の活躍があったので良かった。


・菊池(営4=作新学院)

レース前にチームメイトが言葉では無く、無言で握手とかをしてくれるのはとても感度した。(800m自由形では)最低でもメダルを取りたいと思っていたので、非常に情けない気持ち。ボロボロの結果でチームに対して申し訳ないという気持ちはあるが、自分のレースを見て泣いてくれる後輩がたくさんいたのでやってきてよかった。(そんな後輩たちへ)年々上の年代が抜けて苦しくなっていくと思うが、来年も総合優勝狙ってほしい。リレーでは最後に露内が絶対に良いレースをしてくれると思ったので自分はいつも通りのことをやった。同期3人で組んだことが今まで無くて3人とも違う時期に苦労してたので、最後の最後に全員で笑えたことは良かった。辛いことの方が多かったが、4年間通してやりきった思う。自分の今後の人生に向けてとても大きな経験が出来た。


・露内(国4京都外大西)

(400m個人メドレーの大橋とのワンツーフィニッシュは)ずっと目標にしていた。初日の400m自由形で悔しい思いをした分、絶対に目標を達成してやると意気込んで挑んだ。なので目標を達成出来てすごくうれしい。4年目ににして8レースで一番レース数の多い大会になったが、覚悟して臨んだ。最終日は正直きつかったが、勝ったときの喜びで疲れは吹っ飛んだ。(リレーでどう3人で出れたのは)本当にうれしい。菊池とはすっも一緒に練習している時期もあった。菊池が辛い時期とかも横で見てきたので、最後は一緒に笑って終わりたかった。大橋も1位で引っ張ってきてくれて、3人で揃って優勝出来たのはすごくうれしい。決勝前まで誰が泳ぐかわからなかった。岩本は100m自由形で予選落ちしてしまったが、リレーの予選はタイムが良かったので選ばれた。あと1人リレーの予選であまりタイムが良くなかったので、菊池がいくしかないということで選ばれた。レース前は勝つぞと一言。(女子主将からみた今年のインカレ)総合優勝とういう目標を掲げて挑んだ試合で、結果的には達成することが出来ずに終わってしまったが最低限フリーリレー2つは優勝することが出来て良かった。だが後輩たちには申し訳ないという気持ちの方が大きい。今回一番活躍してくれたMVPは遠山ひかり。50mも100mも1秒くらいベストを更新しどちらも表彰台に上る活躍をみせてくれた。女子のフリーは来年からも期待出来る。(国体は出場するが400m個人メドレーは最後のレースで)背負うものが違った。初日のレースで失敗しているので何が何でもという気持ちで泳いだ。(この4年間は)決して順調にいくことはなかったが、困難を乗り越えてきたからこそ今の自分がある。田垣先生や平井先生にはすごく感謝しているし、OBや親、チームメイトにも感謝の気持ちでいっぱい。


・岩本(済3=京都外大西)

自分の個人のレースがよくなかったので、決勝のメンバーから外れると思っていた。なので選ばれたときは、すごく不安な気持ちになった。でも死ぬ気で泳ごうと覚悟した。先輩に引っ張ってもらって先輩を信じて絶対に優勝すると思って泳いだ。良いタイムがでて、自分の最大の力がでてとてもうれしい。来年は最高学年になるので今年のような失敗を繰り返さないようにチームに引っ張っていける存在になりたい。


・今井(済2=宇中女)

タイム的には自己ベストに届いていなくて、納得いっているわけではないが、決勝で順位を上げられたのは良かった。緊張はしたが周りの仲間がたくさん応援してくれたのでリラックスして泳ぐことが出来た。今までは先輩についていくだけだったが、次は自分が3年生になって上級生になるので周りの後輩を引っ張っていけるようになりたい。


・遠山(国2=八代白百合学園)

去年は全くベストが出なかったが、2年目にしてようやく100mでは1秒、50mは0・7秒のベストだった。入学したときは今までと全く違う環境でレベルの高い方についていけないことが多かった。ようやく1年経って、自分も上を目指して練習出来たことが結果に繋がった。今までは高校3年生の最後のJOCの50m自由形で3位に入れたのが最高順位だったのでインカレで2番というのはすごくうれしい。来年は絶対にインターを切って、自分も代表入りを目指して上をみて頑張っていきたい。今回のインカレでまだまだだが、成長したなと思えた。インカレはチーム戦でもあるので、自分がチームを引っ張るという姿勢をみせないといけないな思った。


・松原(営1=豊川)

(200m平泳ぎは)自己ベストからいうと決勝に残れるタイムはもっているので悔しい部分はあるが、今シーズンあまり上手くいっていなくかったなかで予選、B決勝と自己ベストを更新出来たのは良かった。悔しい気持ちはあるが自分なりに頑張れた。大学生になって、質の高い練習やウエイトトレーニングも増えてきて高校までと違う部分を磨けてきていると思う。高校生まではすぐにベストタイムを更新出来たりしたが、大学生になりつまずいた部分もあったりした。でもそういうときに自分で修正出来る力とか、周りの人の力を気づけるようになった。(1年生からみた先輩は)すごく偉大な先輩方で、今年のインカレもすごく4年生が引っ張っていっているついていっている。(インカレは)チームで戦っているので、レースに行く前などにみなさんに握手してもらえたり送り出してもらっているので、普段のレース以上の力が発揮出来る。応援もすごく盛り上がっているのでみていても楽しい。


TEXT=梅山織愛 PHOTO=望月優希、森瑞季、越塚日南

ジャパンオープン2016
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