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2017.09.06
硬式野球

[硬式野球]甲斐野最速151キロの好投で自身初勝利

平成29年度東都大学野球1部秋季リーグ戦

9月6日(水)神宮球場

○東洋大5-4日大




 七回の2死二、三塁のピンチを三振で切り抜けて叫ぶ甲斐野



 昨季はベンチ入りをしながらも登板の機会に恵まれなかった甲斐野(営3=東洋大姫路)は3回途中からからマウンドに上がった。この日最速151キロをマークし、九奪三振の好投でそのまま最後まで逃げ切り、神宮の地で自身初勝利をあげた。

 「素直にうれしかった」と笑顔を浮かべながら一言そう語った甲斐野。マウンド上では引き締まった表情を見せていたが、試合後の表情にはやっと勝ち取った初勝利に対する喜びが表れていた。

 先発の片山(法4=大社)が序盤で2点の先制を許し、なおも無死一、二塁のピンチで登板した甲斐野は初球から150キロを叩き出す圧巻の投球を見せる。「球速はそこまで意識していなかったが、低めに投げることを心がけていた」と自身の投球を振り返った。その後も積極的な投球で日大の強力打線の流れを止めた。

 七回には2死二、三塁と苦しい場面を向かえ球場全体に緊迫した雰囲気が漂う。続く打者もフルカウントまで粘られるが、最後に低めのフォークをしっかりと決め三振でピンチを切り抜けるとマウンド上で声を上げた。「まずは自分がしっかりと結果を出して活躍しなければチームのためにならない。3年生としての自覚と責任を感じながらプレーしている」という言葉通り気迫の投球を見せた。

  3年目にしてチームの勝利に貢献する大車輪の活躍を見せた影には、梅津(営3=仙台育英)や上茶谷(法3=京都学園)をはじめとする同世代の投手陣の存在があった。甲斐野は「周りの投手陣の活躍が刺激になっている。1番になりたい、負けたくないという思いでやっている」と語る。また強い思いとともに、しっかりと結果を出すために自分の課題を冷静に見極め、夏の間には下半身の強化を徹底し上半身だけで投げてしまいがちな投球フォームの修正に取り組むなど結果にこだわる貪欲な姿勢も忘れない。常に高い意識を持ち続け、周りの投手陣から受ける刺激を原動力にしながら成長を続ける甲斐野のさらなる活躍に期待が高まる。


▪️コメント

・甲斐野(営3=東洋大姫路)

(初勝利について)素直にうれしかった。ウイニングボールはまだもらえるなら欲しいですね。(3回からの登板については)いつでも出られるように準備していた。球速はそこまで意識していなかったが、低めに投げることを心がけていた。(最速151キロを出した時は)あまり見ていなかったので試合の時は全然気づかなかった。先頭打者を四球で出してしまったが、監督さんがそのまま変えずに使ってくれたのでしっかり期待に応えなければいけないと思った。周りの投手陣の活躍が刺激になっている。1番になりたい、負けたくないという思いでやっている。まずは自分がしっかりと結果を出して活躍しなければチームのためにならない。3年生としての自覚と責任を感じながらプレーしている。明日以降もチャンスが与えられたら期待に応えられるように頑張りたい。


TEXT=松本菜光花 PHOTO=永田育美