Article

記事


2017.10.10
サッカー

[女子サッカー]インカレ王者の壁高く⋯ 早大に7失点と完敗

第31回関東大学女子サッカーリーグ戦 1部リーグ 第5節 

 10月8日(日) 早稲田大学東伏見グラウンド

東洋大0ー7早大

<出場メンバー>

GK

垣内愛菜(食3=大商学園)

DF

井口遥菜(食4=神村学園)

久保真理子(食1=浦和LY)

常田菜那(食1=大商学園)

山幡あや(食2= 常盤木学園)

MF

松井彩乃(食3= 聖和学園)

田嶋みのり(食4=飛鳥) 

大島彩香(食2=久喜)

常田麻友(食1=大商学園)

FW

楠春佳(食3=千葉U-18) →83分 斎藤麻由(食2=常盤木学園)

大内梨央(食1=常葉学園橘) →76分 前田優乃 (食4=前橋育英


井口は早大の強さを痛感した

攻撃陣を牽引した田嶋


 およそ一ヵ月ぶりとなったリーグ戦は昨年のインカレ王者・早大と対戦。序盤から主導権を握られると、前半に2失点を許す苦しい展開となる。後半も開始直後に失点するなど5失点を喫し0-7で敗戦。インカレ王者の壁は高かった。

  早大は皇后杯予選でも対戦し0-5で敗れている相手。序盤から早大が積極的に裏を狙うが、井口(食4=神村学園)を中心としたDF陣が高いラインを保ちオフサイドを誘発。得点は与えない。すると時間が経つにつれ東洋大がボールを持つ時間が多くなる。最終ラインからボールを回し松井(食3= 聖和学園)、田嶋(食4=飛鳥)が前線へつなぐと、34分にCKを獲得。松井が上げたボールに大内(食1=常葉学園橘)が反応するがヘディングはミートしない。すると36分、ルーズボールを相手に取られ、スルーパスから裏に抜け出されると、GK垣内(食3=大商学園)との1対1も冷静に決められ、先制点を許してしまう。取り返したい東洋大にその後すぐにビッグチャンスが訪れる。38分、大内がGKと1対1になるが、大内はパスを選択。しかし、これは走り込んできた楠(食3=千葉U-18)には合わず、チャンスを逃す。すると再び早大に裏に抜け出される。井口がカバーしたが相手のミドルシュートはクロスバーに当たりゴールラインを割り、2点ビハインドで前半を折り返す。

 後半も早大が猛攻を仕掛ける。48分、右サイドを崩され中央へ折り返されると、垣内との1対1はループシュートを決められ0-3。そのわずか3分後にも同じような形からシュートを打たれると、1度は垣内が止めるが、こぼれ球を決められ0-4と点差を離されてしまう。ここで選手たちは全員が集まって「後半球際が全然拾えていなかったので、全員でもう1度しめてみんなで拾おう」(田嶋)と意識を共有。しかし、早大の猛攻は止まらない。63分にも失点し0-5とされてしまう。一矢報いたい東洋大は82分、田嶋が中盤でボールを奪うと、パスを受けた松井がミドルシュートを放つ。これは無情にもクロスバーに阻まれ1点を返せず。終盤にも2点を失い0-7で試合終了。戸田監督も「相手の方が一枚上手だった」と早大の強さに脱帽した。

  「全ての面で課題が見えた」と戸田監督が振り返ったこの試合、「個人のスキルが全く違った」(田嶋)と選手たちは早大の個々の能力の高さを実感した。「身体能力が高い相手に数的優位を作る場面がうまくできなかった」と井口が振り返ったように1対1や競り合いでは早大に軍配が上がることが多かった。しかし、目の前の勝ち点を取るよりも「昨年のインカレ優勝の相手に対してどこまで通用できるのか」ということを優先した戸田監督。「今後続く試合に対してチームの基準というのがある程度分かった」という大きな収穫もあった。

 次節の相手は日体大。井口は「他のチームと順位が並んでいて降格争いにいってもおかしくない状況」と危機感を募らせる。連敗してしまうのか、勝ってインカレ出場に踏みとどまるのか。大一番となるのは間違いない。


■コメント

・戸田監督

全ての面で課題が見えた試合だと思っている。ボールホルダーの状況によって、ラインの駆け引きをしろということで練習をしてきたが、それに対して相手の方が一枚上手だったという印象。(早大は)個々の能力があるので数的不利、数的同数ではなく数的優位な状況を常に作らないと厳しいということでラインを上げてコンパクトを保とうとしたが、そこが何回か突破されて1対1の局面になったときに相手の方が一枚も二枚も上手だった。勝ち点を取りに行くというプランよりは、自分たちの現在地というものを昨年のインカレ優勝の相手に対してどこまで通用できるのかというのを見たかったので、そこが最後まで選手は諦めずに続けてくれたことは収穫だと思う。目先の今日の試合だけではなく、その後の今後続く試合に対してチームの基準というのがある程度分かったのでそれは収穫だと思う。(次節に向けて)日体大も能力的にはすごいタレントが豊富な大学なので、そこに対してチャレンジャーの精神でいけるかというのがポイントというのと、あとは連敗するとチームの雰囲気は下降気味になってしまうので、連敗を避けたいというのがチームとしての次節の入り方だと思う。


・井口(食4=神村学園)

完全に崩された感じ。昨年も大敗はしているがこんなに点差が開くゲームというのはDFとしてありえなかったと思う。(早大の印象は)昨年とほぼメンバーが変わっていないのでイメージ通りと言えばイメージ通り。やれない相手ではないと思っていた。いけるかもとかそういう隙がこの試合の結果かなと思う。(この試合で見えた課題は)インカレを見据えるにあたってこういう相手とどう戦っていくかとか、自分たちより個の能力が高い相手に対してチーム力でどう頑張るかが課題だと思う。毎日のトレーニングを見直してまずインカレの切符を取ることからしっかりやっていきたいなと思う。(守備の面では)身体能力が高い相手に数的優位を作る場面がうまくできなかった。1対1で戦ったら相手のほうが能力が高いところで数的優位の状況をつくって自分たちで追い込んで自分たちから奪いにいく守備があまりできなかったと思う。(次節へ向けて)今日勝ち点が0ということで、他のチームと順位が並んでいて降格争いにいってもおかしくない状況なので、今日の結果をしっかり受け止めて、あと1週間あるのでチームとして見つめ直しながら勝ち点3しっかり取りにいきたいと思う。


・田嶋(食4=飛鳥)

この間の皇后杯でも戦っていたので相手のやることは分かっていたけれど、ここまでやられるのかという感じ。今までやってきたチームだと最悪シュートまでは持っていけたところが、相手に当たったり枠までいかなかったりしていたのでそこはさすが日本一のチームだなと思った。(後半途中集まる姿があったが)後半球際が全然拾えていなかったので、全員でもう1度しめてみんなで拾おうということを共有していた。(このような相手と渡り合うには)まずは個人のスキルがまったく違ったので、1対1で負けないとか球際での強さとか小さいところから変えていかないといけない。(次節へ向けて)この試合はもう終わってしまったので、切り替えて勝ち点3を取れるように頑張っていきたい。


[次節試合予定]

第31回関東大学女子サッカーリーグ戦 1部リーグ

第6節 10月15日(日) 対日体大 日本体育大学健志台キャンパスサッカー場にて 15:00キックオフ

TEXT=土橋岳 PHOTO=美浪健五、金澤瑞季