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2017.10.10
硬式野球

[硬式野球]主砲・中川「勝たせる打撃を」 値千金打で延長制す

平成29年度東都大学野球秋季1部リーグ戦

10月10日(火)神宮球場

〇東洋大10-7国学大


試合を決定づける適時二塁打を放つ中川


好機はこの男のために用意されていた。延長十一回、2死一、三塁の好機に、打席が中川(法3=PL学園)に回ってくる。無失点投球をみせた村上(総1=智弁学園)、そしてこの好機を作り出してくれたチームメイトのためにも「なんとしても4番が決めないといけない」と気合は十分。初球を振りぬくと、打球は中堅手の頭上を越え、フェンスを直撃。走者一掃の適時二塁打になり、「みんなが繋いでくれたので死ぬ気で打った」と、歓声鳴りやまぬベンチ、そしてスタンドにベース上から両手のガッツポーズで答えた。

 打棒が止まらない。公私ともに仲の良い原澤(営4=前橋工)の大学初アーチに触発され、3回にこの試合初安打となる適時二塁打を放つ。7回、9回にも安打を重ね、この日だけで4安打の固め打ち。シーズン序盤にはなかなか結果が出なかった男が、ようやく本来の姿を取り戻した。

理想とする4番は「こいつにまわしたら絶対大丈夫と信頼されていること」。自身の残した結果に慢心することなく、「チームを勝たせるバッティングをするのが自分の役割」と飽くなき向上心で練習に取り組む中川だからこそ、一打勝ち越しの好機を引き寄せることが出来たに違いない。試合が決まる大一番を「好きというか、打てたら気持ちがいいです」と笑顔で答えた中川。念願のリーグ連覇へ向け、主砲の打棒は波に乗り続ける。


・中川(法3=PL学園)

(十一回の適時打は)感触は良かったが、打球が低かったのでセンターが取るかなとは思った。抜けてくれて良かった。配球がまっすぐで外というようにあまり変わらなかったので、アウトコースを狙っていて、思いっきり打ちました。延長戦の展開だったので、ここはなんとしても4番が決めないといけないと思い、みんなが繋いでくれたので死ぬ気で打ちました。村上が頑張っていて、いつまでもつかわからない状況だったので、早めに決めてあげたいと思った。みんなが繋いでくれていたし、4番の仕事をするだけかなと思った。(試合が決まる大一番は)好きっていうか、打てたら気持ちがいいですよね。今日はすごい気持ちよかったです。一戦を取れたというのは大きいことなので、これで優勝争いを出来るというか頂点を目指すことが出来るので、明日もしっかり気を引き締めて、もう一度みんなで勝ちに行きます。

TEXT=永田育美 PHOTO=望月優希