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2017.10.13
準硬式野球

[準硬式野球]奇跡の逆転サヨナラ勝ち!強豪・中大から勝ち点奪取

平成29年度東都大学準硬式野球秋季1部リーグ戦・中大3回戦

10月12日(木) 上柚木公園野球場

○東洋大 6x-5 中大 


(イニングスコア)

3回戦








中大



東洋大








4x


(東洋大)


割石(社3=越谷南)、木村(工2=青森)-多田龍(ラ3=高松西)



逆転サヨナラ勝ちに、選手の笑顔が弾けた



高橋は今季2度目のサヨナラ勝ちを決めた


  強豪・中大との3回戦は、最大5点差からの逆転サヨナラ勝ち。最後まで諦めなかった選手の思いが待望の勝ち点を呼び込んだ。

 

 「終盤以外ずっと中大のペースだった」と学生コーチの山越(社3=横浜隼人)が振り返るよう、八回まで流れは常に中大にあった。三回に先制点を与えてから、七回までに野手の失策もあり5失点。一方の東洋大は、先発の小澤(中大)に対して七回までわずか2安打と、反撃の糸口が見つけられずにいた。

 

 奇跡の始まりは八回裏の攻撃だった。「逆に5点取られたことで、相手が無駄な放棄をしてくれた」と割石(社3=越谷南)が話すよう、中大が小澤をベンチに下げたことにより試合の流れが一変。先頭打者の印南(文2=浦和学院)が四球で出塁すると、伊藤(ラ1=成立学園)、若原(社2=九州学院)が単打で続く。1死満塁の好機から4番・内藤(営3=藤代)の右前適時打で1点返し、なおも1死満塁。高橋(法1=八戸学院光星)が四球を選び押し出しでさらに1点を追加する。3点差に詰め寄り最終回へ望みをつなげた。

 

 選手の諦めない気持ちが2アウトからのサヨナラ逆転勝利を導いた。3点ビハインドで迎えた九回裏。2死一塁から伊藤が内野安打でつなぐと、球場には逆転の空気が漂い始める。東洋大ベンチの盛り上がりが中大の投手に焦りを与えたのか、3連続四球とワイルドピッチで若松(法3=座間)、伊藤が生還。大きな2点を追加し点差はわずか1点。なおも2死満塁、この一打逆転の大一番で打席が回ってきたのは5番・高橋。「回ってきたときの準備はしていた」と気持ちは十分。カウント1-1から振りぬいた打球は二塁手のグラブを弾き、記録はヒットに。逆転の走者であった若原が勢いよくホームへ生還すると、思わずベンチから仲間が飛び出す。逆転劇で待望の勝ち点をつかみ取った選手たちの顔にはとびっきり笑顔があふれていた。

 

 3年生にとっては今季がラストシーズン。「このチームでやれる最後のリーグ。一戦一戦大事にしていきたい」と多田龍(ラ3=高松西)は話した。悲願のリーグ優勝への着実な一歩を歩み続けている彼ら。東都の頂に登りつく日はそう遠くない。


■コメント

・若松主将(法3=座間)

序盤はずっと中大のペースで、ピッチャーの小澤(中大)に対して七回までヒット2本という中で、正直やばいなと感じていたが、八回にピッチャーが変わって2点を返したくらいからベンチの雰囲気も上がってきて、それで九回表の守備で多田龍がランナーを刺したことによって流れを変えてくれた。そこから九回裏、フォアボールでランナーが出てチャンスを作り、最後は高橋がしっかりと決めてくれた。今日負けていたら優勝は無く、なんとしてでも勝つしかなかったので、本当に良くやってくれた。ピッチャー陣は辛抱強く投げてくれた。最少失点という意識が、最後のサヨナラ勝ちまで持っていってくれたのだと思う。(木村は)春よりもマウンドに立ったとき集中しているなと思うので、そこに成長を感じる。(次戦に向けて)専大に勝ち点を取らないと専大の優勝が決まってしまうので、何が何でも阻止したいと思う。2タテします。

 

・多田(ラ3=高松西)

ピッチャー陣が要所をしっかりと抑えてくれたので、最少失点に抑えることができた。だが、野手のエラーが絡んだ時に点を取られてしまっているので、そこをバッテリーでどうやって抑えていくかが課題。次戦の専大を倒したら優勝が見えてくる。このチームでやれる最後のリーグ戦なので、一戦一戦大事にしていきたい。

 

・山越(社3=横浜隼人)

今日は終盤以外ずっと相手のペースだった。相手のいいように野球をやらせてしまっていたので、そういうのを打破しようと仕掛けたりはしていたのですが、なかなか決まらず。でも、最後の最後で選手が諦めなかったことや、ベンチの雰囲気も落ちなかったことから、相手の隙をつき勝ててよかった。(ピッチャー陣は)割石で打たれる分にはもう諦めつくなと。そのくらい信頼しているピッチャーなので。途中から投げた木村もしっかり投げてくれて、よかったと思う。小澤(中大)から全然打てなかったので、そのあと投げてきた投手が荒れてくれていたのでありがたかった。東洋大の良いところでも悪いところでもあるのは、作るまでに時間がかかるが、そのチャンスとか流れを作ったら勢いにのるので、それが大量得点や、ビッグイニングにつながるのだと思う。(次戦に向けて)勝ち点を取られたら専大の優勝が決まってしまうので、目の前で胴上げだけは何としても阻止をしたい。専大だけに限らず、東海大、日大からも勝ち点を一個も落とさずに、優勝を決めたい。

 

・割石(社3=越谷南)

負けなくてよかった。奇跡でしたね。(最後はベンチから応援する立場だったが)相手がミスしてくれたので、流れに乗っていけたのかなと思うし、それこそ逆に5点取られたことで、相手が無駄な放棄をしてくれたので、新しいゲームになったのかなと思う。でもこんな試合をしていたら次は勝てない。優勝かかってくるので。(次戦に向けて)やれることだけやってしっかりつなげれば。僕らピッチャー陣がどれだけ抑えられるかで決まってくると思うので、もう一回調整し直してしっかりやっていきます。

 

・高橋(法1=八戸学院光星)

九回に7番から始まって、回ってくるとしたら一番いい場面でくるだろうなと思っていたので、回ってきたときの準備はしていた。(二度目のサヨナラ勝ちのバッターだが)この前は打った瞬間わかりましたが、今日は分からなくて、気持ちが追いつかなった。走ってたら、「えっ」みたいな。「あ、勝ったんだ」って走り終わって知った。打順も5番で、チャンスで打ってほしいと任されているので、そういう場面ではいつもより集中して打席に入っている。その前の打席で見逃し見逃しであまり自分のスイングができなかったので、初球から振っていこうと思っていた。初球はファールだったが、その振れたのが、大きかった。今日は本当に勝ててよかった。(次戦に向けて)胴上げは見たくないので、相手も一個も落としてないので、自分らが勝ち点とるという気持ちで臨めたらと思う。もちろん2タテで勝ちたい。


TEXT/PHOTO=永田育美