Article

記事


2017.10.26
硬式野球

[硬式野球]飯田粘投実らずサヨナラ負け 春秋連覇へ黄色信号

平成29年度東都大学野球秋季1部リーグ戦

10月26日(木)神宮球場

●東洋大0ー1x亜大


(イニングスコア)

1回戦










東洋大

亜 大

1x


(東洋大)

●飯田(3勝3敗)-西川


・打撃成績

打順守備
名前




(中)
田中将也(営4=帝京)3
(左)古田(法4=天理)
4
0
3
(指)原澤(営4=前橋工)11

打指蛭田(法4=平塚学園)100
4
(二)
中川(法3=PL学園)
00
5
(一)佐藤(法2=聖光学院)30
0
6
(捕)西川(営4=浦和学院)420
7
(遊)
津田(総2=浦和学院)3

8
(右)
宝楽(営4=PL学園)00
9
(中)
竹原(法3=二松学舎大付)
0





2970


二塁打:田中将也(5回)


・投球成績

名前


球数

四死球


飯田(営4=常総学院)81/335158


まさかの結末に飯田は悔しさを見せる


飯田は珍しく気持ちを前面に出した


田中将也は本塁にヘッドスライディングするもアウト


優勝争いの直接対決となった亜大1回戦。「勝つしかない」と一戦に臨んだ先発の飯田(営4=常総学院)は安打や四球で出塁を許しながらも無失点で抑えていく。しかし、打順を組み替えて臨んだ打線は、7安打ながら好機で一本が出ず。粘投を見せた飯田だったが、九回1死満塁でサヨナラ打を浴び敗戦。逆転優勝の条件は2連勝のみとなった。


 一球に泣いた。「野球は最後まで分からない」と常に諦めることなくマウンドに上がる飯田は九回、4番・頓宮に左安を許すと、暴投と敬遠気味の四球で1死満塁の今日一番のピンチを招く。西川(営4=浦和学院)が「今日一番良かった」と語った渾身の直球を亜大・高橋優に中前に運ばれると、158球の熱投を見せた飯田は膝から崩れ落ちた。

 前日のミーティングで「明日が勝負だぞ」と話した飯田。「気持ちを見せてチーム一人ひとりに思いが伝われば」と普段はガッツポーズを見せることすら珍しいが、1アウトを取るごとにグラブを叩き、好守を見せた津田(総2=浦和学院)には頭を撫でるなど、ナインを鼓舞し続けた。「今シーズンで一番気迫のこもった投球」と、受けていた西川はボールから感じ取り、高橋監督も「飯田はよく頑張ったよ」と、エースをねぎらう。

 「打線がだめだったね」と指揮官は嘆くように、打線がつながりに欠けた。4回1死二、三塁の好機にも2者連続の内野フライで先制点を奪えず。幾度となく得点圏に走者を進めても得点には結びつかなかった。「飯田を見殺しにしてしまった」(原澤・営4=前橋工)「飯田さんに申し訳ないことをした」(津田)と、エースの責任感をナイン全員で感じ取っている。

 優勝するには2連勝と、ここからが勝負。これまで2年前の入替戦も初戦は敗れたが、2連勝で1部昇格まで登り詰めた。「優勝して監督を胴上げしたいのはリーグ開始時からの全員の思い」と田中将也(営4=帝京)。試合後、選手一人ひとりが決まって口をそろえた。「明日必ず勝って優勝する」。08年以来となる春秋連覇へ向け、チームの思いはただ一つだ。


■コメント

・高橋監督

飯田はコントロールが良かったね。点が取れないのがだめですよ。飯田はよく頑張りました。勝ちへの執念が足りないね。明日が決勝戦になるわけだから。ふさわしい戦いをしたいね。明日で終わらないように。

・井上コーチ
もう明日勝つしかない。これで終わったわけではないので今日帰ってからまたしっかり練習して選手に頑張ってもらうしかない。もう優勝に向けてやるしかないので全力で戦っていきたい。

・飯田主将(営4=常総学院)

1-0のスコアで勝負が決まると思っていたが、チームを勝たせることができなくて申し訳ない。今日は何としてでも勝ちたかった。(ドラフト当日となったが)チームのために勝つことしか考えてなかった。自分よりチームの優勝なので、試合に集中したいと思っていた。まだ終わったわけではない。明日また何が何でも勝ちに行く。

・西川(営4=浦和学院)
一戦必勝で臨んだ。打撃は自分の中で感覚はつかめていた。チャンスで打つことができず、悔しいです。(先発の飯田について)受けていて、今シーズンで一番気迫のこもった投球をしていた。今日は直球が良くて、球が走っていてコースにも決まっていたと思う。最後の一球も直球だったが、甘くなってしまった。(明日に向けて)勝ちます。

・田中将也(営4=帝京)
今日、先頭打者なのは一週間前から決まっていた。高校の時から打ってる打順だから特に意識はしないし、むしろ打ちやすい打順。五回のタイムリーはインコースの直球に反応して、少し詰まってた。次の塁を狙う意識はずっと持ってた。七回の打席では、直球を狙っててその間の変化球を上手くファウルにして粘れてた。(ファウルチップの)抗議の時間が長くなったので、集中を保つのが難しかった。その間に飯田(営4=常総学院)に「決めてきてくれ。頼んだぞ」と声をかけられたのに決め切れなかった。最後相手投手にインコースにしっかり投げ込まれてしまった。チームの調子自体は悪くない。台風が来て雨が長くなる中で室内での練習が多くなって調整は難しかった。優勝して監督を胴上げしたいのはリーグ開始時からみんなの思いとしてある。もう負けられないので切り替えてやっていきたい。

・原澤(営4=前橋工業)
明日勝つしかない。みんなで戦って勝ちにいく。飯田を見殺しにしてしまったので、明日は点数を取って勝ちたい。

・中川(法3=PL学園)
一戦負けたことで負けられない戦いになる。勝ちにこだわって優勝までやっていきたい。

・甲斐野 (営3=東洋大姫路)
ここまできたらやるしかないので、明日必ず勝って優勝したい。今日負けてしまったことはしっかり切り替えて明日勝ちにいくしかない。

・竹原(法3=二松学舎大附)
もう負けられない。全力を出し切るだけ。4年生と長く試合するには、勝って優勝して、神宮大会に行く。

・飯塚(営2=藤代)
明日があるので、気を引き締めて頑張りたいと思う。

・津田 (総2=浦和学院)
今日は1点も取れず飯田さんに申し訳ないことをしてしまった。明日は1点でも多く取って絶対に勝ちたい。

・村上(総1=智弁学園)

ここから2連勝して優勝するドラマを作るしかない。投げるか分からないけどチームに貢献したい。

・納(総1=智弁学園)
ベンチから見ていて、互いに気迫のこもった試合をしていて、1点でも取られた方が負けるような感じがした。ベンチワークをしっかりして、4年生と1日でも長く試合を出来るようにしたい。

・山本(法1=作新学院)
負けてしまったのはもうしょうがないので明日の朝を迎えたらみんな切り替えると思う。雨の中で練習ができなかったから、左腕対策をするのは普段と変わらないが、いつも以上に基礎練習をやってきた。代打待機となって調整は難しいけど出番が来たらしっかり結果を残していきたいと思う。


TEXT=美馬蒔葉 PHOTO=伊藤梨妃、川口朋珠