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平成29年度東都大学野球秋季1部リーグ戦
11月4日(土)神宮球場
〇東洋大4-3亜大
(イニングスコア)
3回戦 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 |
東洋大 | 0 | 1 | 0 | 2 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 4 |
亜 大 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 1 | 0 | 0 | 3 |
(東洋大)
飯田、甲斐野(5勝1敗)-西川
・打撃成績
打順 | 守備 | 名前 | 打 | 安 | 点 |
1 | (三) | 田中将也(営4=帝京) | 4 | 1 | 0 |
2 | (中) | 竹原(法3=二松学舎大付) | 4 | 0 | 0 |
3 | (左) | 古田(法4=天理) | 3 | 0 | 0 |
左 | 納(総1=智弁学園) | 2 | 2 | 0 | |
4 | (二) | 中川(法3=PL学園) | 4 | 1 | 0 |
二 | 小川(法1=霞ヶ浦) | 0 | 0 | 0 | |
5 | (捕) | 西川(営4=浦和学院) | 3 | 2 | 2 |
6 | (一) | 佐藤(法2=聖光学院) | 2 | 1 | 0 |
7 | (指) | 原澤(営4=前橋工) | 2 | 1 | 0 |
走指 | 蛭田(法4=平塚学園) | 0 | 0 | 0 | |
打指 | 山本(法1=作新学院) | 1 | 0 | 0 | |
8 | (遊) | 津田(総1=浦和学院) | 4 | 0 | 0 |
9 | (右) | 宝楽(営4=PL学園) | 4 | 1 | 2 |
計 | 33 | 9 | 4 |
三塁打:納(九回)
二塁打:中川(二回)、田中将也(三回)、宝楽(四回)
・投球成績
名前 | 回 | 打 | 球数 | 安 | 四死球 | 振 | 責 |
飯田(営4=常総学院) | 41/3 | 20 | 81 | 5 | 1 | 7 | 1 |
甲斐野(営3=東洋大姫路) | 42/3 | 17 | 74 | 1 | 5 | 3 | 1 |
最終順位
①東洋大 9勝5敗 勝率.643 勝ち点4
②亜 大 7勝5敗 勝率.583 勝ち点3
②立正大 7勝5敗 勝率.583 勝ち点3
④国学大 8勝7敗 勝率.533 勝ち点3
⑤中 大 4勝8敗 勝率.333 勝ち点1
⑥日 大 4勝9敗 勝率.308 勝ち点1
表彰選手
最高殊勲選手:飯田(営4=常総学院)
最優秀投手:甲斐野(営3=東洋大姫路)
ベストナイン
投手:甲斐野 6票 初受賞
捕手:西川(営4=浦和学院) 11票 初受賞
一塁手:佐藤(法2=聖光学院) 15票 2季連続
二塁手:中川(法3=PL学園) 14票(3度目、二塁手として2季連続)
この日2打点を挙げた西川
先発の飯田は力投を見せる
優勝の喜びを分かち合う選手たち
勝ったチームが優勝となる亜大3回戦。休日開催となり大勢の観衆で球場が盛り上がる中、主将兼エースの飯田(営4=常総学院)が輝くナイター照明を浴び満を持して登板。初回から球威のある直球と随所に光る変化球で7奪三振の巧みな投球を見せた。二回の西川(営4=浦和学院)の左前適時打と四回の宝楽(営4=PL学園)の左適時二塁打で3点を先制。五回に飯田が適時打を許し2点を献上するも、七回に西川の適時打で1点を取り返す。直後、本盗で1点差に迫られるが、五回途中から登板した甲斐野(営3=東洋大姫路)が自身の最速152㌔の直球などが冴え、最終回は一二塁間での挟殺で試合終了。接戦をものにし、08年以来となる春秋連覇の栄光を手に入れた。
「熱くぶつかる」。この日のテーマを掲げた西川は、優勝をかけた決戦で5番に座った。初回、先発の飯田が得点圏に走者を置きながらも得点を許さずリズムを作る。すると二回、中川(法3=PL学園)が二塁打を放ち無死二塁のチャンスを迎えた。「追い込まれていたから直球を待っていた」と振り抜いた打球は左翼前へ。二塁走者の中川が力強く三塁を蹴り、本塁に帰還し先制の適時打となった。五回に(味方の失策が絡み、2点を失い追加点が欲しい七回。納(総1=智弁学園)が左前安打で出塁し、盗塁を決める。その後、4番の中川の二塁ゴロの間に進塁し、1死三塁の好機を迎えた。放った打球は三塁へ。凡退かと思われたが一塁を駆け抜けると塁審の腕が大きく開かれた。この安打に自身も「ラッキーな内野安打」とはにかんだ。
この日、二人の投手をリードし接戦をものにした頼れる正捕手。「先発の飯田は気持ちも乗ってたし直球が良かった」と主将としてチームを春秋連覇へ導いたエースを絶賛。失策絡みの降板に「本人も悔しいだろうが、キャッチャーとしても悔しい結果となってしまった」と無念さを滲ませた。一方、飯田の後を受けマウンドに上がった甲斐野については、「今日は全体的に荒れてた。それだけに色んな球を使うことを意識した」とベストナインバッテリーの底力を見せた。「今日は走られすぎた」と自らの修正点を見出し、すでに視線の先は明治神宮大会へと向けられている。
ナイター照明が点灯した神宮球場。2年前に東都大学野球1部リーグへの昇格をかけた一戦を彷彿とさせたこの日の試合には、選手たちの熱い思いもあった。「入れ替え戦の時に先輩方もそうだった」と西川が語るように、選手たちは入れ替え戦同様にユニフォームからアンダーシャツの袖が見えない選手が多くいた。だが、「誰一人として示し合わせたわけではない」とチームの団結力の強さを物語る。
全日本選手権大会では無念の初戦敗退となったが、今季はより一層の決意を抱き望む。「監督にとって最後の4年生。最後の花道を作れるのは自分達だけ」とやる気は十分だ。歴代のOBたちの想いも胸に、さらなる高みに挑む。
◼️コメント
・飯田主将(営4=常総学院)
春優勝してから全日本選手権での悔しい経験でまたチームが大きな目標に向かっていくことができた。秋の優勝は、一人ひとりが主役と脇役の役割があったと思う。春のリベンジを秋の大会で果たしたい。神宮大会では東都の代表として支えてくださる人に感謝して、一日一日を大切にしたい。監督さんを胴上げしたいです。
・田中将也(営4=帝京)
勝って泣いたのは初めて。(リーグ戦を振り返って)副主将としてチームを引っ張らなければいけなかったけど、逆に足を引っ張ってしまった。悔しい。(最終カードは)期間もそうだし、本当に長かった。3試合とも生きた心地がしなかった。楽に勝てた試合は1つもない。(明治神宮に向けて)監督を日本一にしたいと思っている。それを達成できるように、チームを引っ張っていきたい。
・西川(営4=浦和学院)
春秋連覇ができて素直に嬉しい。全国大会でのリベンジができる。ただ、秋は春と違って苦しい戦いも多かった。副将として1年間戦ってきたが、自分は飯田や田中将也と違ってリーダーシップを発揮するタイプじゃないから、その分チームに元気が足りないと思ったら積極的に声を出して貢献できたと思う。(高橋監督と過ごした4年間は)かけがえのない4年間。自分としてもOBの方々と話した時も監督を日本一にしたいという思いは聞いていた。ご指導、ご支援いただいているOBや関係者の方々全員で日本一を取りに行きたい。監督にとっての最後の4年生として、明治神宮大会を勝ち抜いて最後の花道を作り上げたい。
・古田(法4=天理)
(前試合から今試合までの過ごし方は)普段通り、いつも通りのことをやろうと思っていたので、特別なことはしていない。(途中交代した納選手の2安打は)嬉しいです。チームが勝ったらなんでも良いので。(ベンチからチームを盛り上げている姿が印象的ですが)試合に出るよりベンチにいる方が好きで、誰かのためにやっている方が良いっていうか。あんまり主役にならないような性格してるので。(ベンチからかけている言葉は)後悔しないようなプレーをして欲しい。基本的にはプレーしている人に全部任せているので、気持ちを託す感じですね。(4年間一緒に戦ってきた4年生に向けて)ずっとやってきて、誰がっていう飛び抜けた選手はいないが、それぞれの足りないところをみんながみんな補えるような、チームワークがよいチームだと思う。(優勝が決まって)チーム的にマウンドに集まって優勝っていうのが初めてだった。素直に嬉しかった。(神宮大会に向けて)先発かどうか分からないがもう練習するしかない。上手くなれるように頑張ります。
・佐藤(法2=聖光学院)
今日は正直難しい試合だったが、やっぱり優勝決定戦で自分の結果がどうかよりも、チームの勝利を、という感じだった。ヒットを打ったときは、点を取られた後の先頭打者だったので、出なきゃなっていうような気持ちがあった。それで1本でたのは嬉しかったですね。(3試合ぶりの安打が出るまでは)監督さんに昨日や今日もマンツーマンでつきっきりで教えてもらっていて、「キーマンはお前だぞ」と言ってもらっていた。そこをしっかりできたのが良かったなと思う。(優勝が決まって)4年生と長くできるのが一番うれしいですし、ずっと飯田さんのチームで、春優勝して秋も優勝できたので余計に嬉しかった。(神宮大会に向けて)自分の母校が出るので、そこも嬉しい。頑張ってコーチや監督に挨拶できればなと思う。
TEXT=須之内海 PHOTO=川口朋珠、菅野晋太郎