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2017.11.07
相撲

[相撲]創部初の2連覇達成!黄金時代は終わらない

第95回記念全国学生相撲選手権大会・2日目

11月5日(日) 大阪・堺市大浜公園相撲場


団体戦Aクラス 優勝


(Aクラス優秀8校決勝トーナメント)

決勝

東洋大
3対2
日大
○白石
はたき込み
●木崎
●西野
寄り切り
○中島
●寺沢
あびせ倒し
○古川晴
○深井
はたき込み
●廣尾
○城山
押し倒し
●片村


大将・城山が勝利するとガッツポーズの嵐に


得意のはたき込みで勝利し、勢いをつけた白石


望みをつないだ副将・深井


優勝旗は再び東洋大に戻ってきた


インカレ2日目の団体戦は一人一人が与えられた責任を果たし、見事創部初の2連覇を達成。前日の開会式で返還した優勝旗が再び東洋大に戻ってきた。

 2連覇は常に世代のトップを走る2年生が引き寄せた。1ー2とされ、連覇のためにはもう負けられない副将戦。深井(法2=金沢市工)は「思いっ切り行くだけだ」と土俵に上がる。そして、はたきこみで勝利すると「繋いだ」と大きくガッツポーズ。風向きが大きく変わった。そしてもう一人の2年生である城山(法2=金沢市工)に連覇の望みを託す。

 城山は、前日の個人戦で3位に入賞していたが、優勝を狙っていただけに「消化不良でフラストレーションがあった」と団体戦にかける想いは強かった。しかし、大将という役割には苦い思い出がある。「2―2で来ると負けている」と言うように、高校3年次の高校総体では大将を務めるも破れ、準優勝に終わっている。さらに、相手大将の片村(日大)には1度も勝ったことがなく、苦手意識があった。それでも、高校時代から互いに切磋琢磨してきたチームメイトである深井から託されたバトンは「モチベーションは最高だった」と城山を奮い立たせた。そして、中嶋(法3=愛工大名電)の「自信持っていけよ」との声掛けに「わかりました」と答え、土俵に上がる。真正面からぶつかっていき、左へ逃げた片村を押し倒す。そして相手を土俵の外へ出すと、城山は「自分で最後に決めることができて、全部報われた気がした」とうれしさを噛み締めるようにガッツポーズ。ついに2連覇が決まった。すると、東の溜まりからも、花道からも、観客席からも歓声が上がった。そして、メンバーそれぞれが雄叫びをあげながら花道へ戻ると、その勢いのままに胴上げ。1年間チームを率いてきた新保主将(法4=鰺ヶ沢)の目には光るものが。「ありがとうと伝えたい」とチームメイトをねぎらった。また、今大会から新しいまわしで出場。縁起がいいという徳島の藍染を使用したものだ。中嶋は「いつも以上に気合が入った」と言うように、選手だけではない、たくさんの人の思いのこもった新しいまわしがさらに選手を後押ししていた。

 今年の団体戦のメンバーも若い。決勝を戦った5人のうち、4人は2、3年生。浜野監督は「もう1、2年はやれる」と話せば、メンバーの中嶋や深井、城山も「3連覇を狙う」と口々に話す。また1年、稽古を重ね、さらに強さが増していく東洋大の黄金時代はまだまだ続く。次なる目標は団体3連覇に変わった。



□コメント
・浜野監督
よくやりました。一人一人が責任を果たしてくれた。(オーダー変更は)結果を予想して。決勝は5分くらいの戦いで、どちらが勝ってもおかしくなかった。選手のことを信頼して待っていた。(選手達には)おめでとうと言いたい。まだ残る選手がたくさんいるので、さらに強化をしていきたい。

・新保主将(法4=鰺ヶ沢)
優勝できて、とにかくほっとした。(試合後に胴上げされていたが)もう一生されることないなって思いながら、あげられていた。安定感は抜群だった。(出場したメンバーには)ありがとうと伝えたい。

・寺沢(法4=金沢市工)

(団体戦振り返って)優勝できてよかった。(今大会が最後のインカレになったが)緊張で体がかたくなってしまい、自分の思うような相撲をとることが出来なかった。自分は最後になるが、後輩は次があるので次にむけて頑張ってほしい。(次大会最後になるが)出場して、悔いの残らない結果になればいいと思う。

・白石(法3=専大松戸)

(団体戦振り返って)優勝できてよかった。(今回先鋒をつとめたが)他大学(特に日大、日体、近大)の先鋒の選手の方が自分との相性がいいので、先日の東日本学生相撲リーグ戦では大将だったが今回は大将ではなく先鋒で出場することになった。(得意技)今大会でも使用した引き落とし、はたき込み。(次シーズンにむけ)今シーズンそろそろ終わりになるが、次シーズンは4年生として挑むことになるが、今まで方針は「自由にやる」なので次シーズンも「自由」を大事にやっていきたい。

・中嶋(法3=愛工大名電)
決勝トーナメントで負けたが自分の1年間練習してきたことができた試合だったかなと思う。(決勝戦について)見てる方がどきどきした。なんとも言えないが自分はやってた方が良かった。本当に手に汗握るというか、差は本当にない。本当にわずかな差で勝ててうれしかった。感動した。(大将の城山になんと声をかけたか)深井が勝ったときに2ー2だったが城山にもうお前は(インカレ個人で)3位にもなってるし、国体チャンピオンにもなってるし自信もっていけよと声をかけて、分かりましたと出ていったので本当に自信をもってよくやってくれたと思う。(まわしが今大会から変わったが)いつもと違うので、またいろんな人の思いが入ったまわしだと聞いたので気合いが入った。いつも以上に気合が入った。(来年から最高学年になるがどんなチームにしていきたいか)まだ早いがやっぱり目標は3連覇に向けて雰囲気がいいチームになればいいなと思う。

・城山(法2=金沢市工)
深井が繋いでくれた。誰が繋いでくれたとしても一緒だけど、深井は2年生だし、高校からずっと一緒に稽古してきたので特に思い入れは強く、モチベーションは最高になっていた。自分が大将になって2対2で来ると負けているので苦手意識はあった。去年1度インカレを経験しているので気持ちの上げ方はわかっていた。場所は違うが、経験が生きた。緊張はしていたが、しすぎて笑ってしまった。自分で最後に決めることができて、全部報われた感じがした。個人戦が消化不良で、その分のフラストレーションがあった。個人が勝てなかった分団体は優勝しようと思っていた。大将はプレッシャーで気負いもあったが、チームメイトがつないでくれた重みが大きかった。2年は(深井と)二人でトップをはっていこうな、世代のトップだぞという意識でやっていて、同世代としても負けられない。(新しいまわしは)湿気で固くなり、とれない。東洋大の黄金時代が来ている。3連覇を目指せるメンバーなので、また頑張っていきたい。

・深井(法2=金沢市工)
先輩のために2年生で繋ぐことができて、2連覇できて本当によかった。すごい嬉しい。満足。(決勝は)後がなかったので、思い切り行くだけだと思っていた。「お前らまだ下だから、思いっきりやれよ」と自分と城山は(寺沢)樹さんとかに声をかけてもらった。(はたき込みを決めて)よっしゃ繋いだ!って思った。来年も優勝します。


TEXT=伊藤梨妃、PHOTO=仲宗根優介、永田育美、水野桜

第67回東日本学生相撲新人選手権大会
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