Article

記事


2017.11.14
レスリング

[レスリング]新布陣で挑んだ内閣杯 川畑孔は3位、中村は5位に入賞!

第43回内閣総理大臣杯 平成29年度全日本大学レスリング選手権大会

11月11日(土)~12日(日)

おおい町総合運動公園体育館


男子フリースタイル


57㌔級 岡迫大(社2=霞ヶ浦)1回戦敗退

61㌔級 宮内(ラ2=埼玉栄)予備戦敗退

65㌔級 佐藤大(法1=秋田商)1回戦敗退

70㌔級 川瀬(済3=いなべ総合)準々決勝敗退

74㌔級 川畑孔(法2=樟南)3位

86㌔級 芝元(法2=宮崎農)予備選敗退

97㌔級 外山(法1=霞ヶ浦)予備戦敗退

125㌔級 中村(ラ3=宮崎工)5位



3位に入賞した川畑孔

中村はフリーでも意地の5位

内容のある試合を見せた川瀬

佐藤大も1年生ながら初戦を突破


 各大学が8階級1人の代表者を出し、大学の得点を競う内閣総理大臣杯(以下、内閣杯)が来年の国体会場である福井県おおい町で開催された。初日に行われた5階級のうち、唯一初戦を突破した125㌔級中村は、5位に入賞。2日目は65㌔級佐藤大、70㌔級川瀬が初戦を突破。川畑孔は敗者復活戦から勝ち上がり、全日本学生選手権(以下、インカレ)に引き続き3位で表彰台に上った。

 川畑孔は「リベンジしたかった」と語る。男子74㌔級の初戦の相手は、まさかの吉田(拓大)。5月のリーグ戦、8月のインカレで敗れている相手だ。0-4での敗戦に、「インカレとは違う点の取られ方だった」とし、勝つために更なる戦い方の追究が求められる。しかし、吉田が決勝に進出したことで、川畑孔は敗者復活戦へと回り、3位を目指すこととなった。敗者復活1回戦では片足タックルが冴えわたり、川畑孔らしいがむしゃらな戦いぶりで為房(同志社大)に3分12秒でテクニカルフォール勝ち。2回戦では、インカレにおいて3位の表彰台を分け合った阿部(日体大)との一戦。第1ピリオドは3-0とリードで折り返すが、外への押し出しと、2点技がラスト50秒で決められ3-3の同点に。このままだとラストポイント制により、敗戦が決まるところであったが、終わるわけにはいかない。すかさず川畑孔も場外へ押し出しで1点を追加し、4-3で熱戦を制した。3位決定戦は、安江(立命館大)に1点を許したが、4-1で勝利を収め、インカレに引き続き表彰台に上ると「3位以内に入ることが目標だったのでうれしい」と笑顔を見せた。コンスタントに結果を残す姿から、74㌔級において、大学選手の中では上位に名を連ねる存在であることは確かである。若松監督も「(吉田とは)やるたびに差は縮まってきている」と総評し、監督の期待もひとしおだ。

 男子125㌔級、1回戦を勝ち上がった中村は、準々決勝で魚見(日本文理大)と対戦。第1ピリオド開始1分45秒でコーションを2つもらいアクティビティタイムが始まるも、焦りを見せず投げ技を決め4点を獲得。その得点を守り抜き、難なく準決勝へとコマを進めた。準決勝の伊藤(国士舘大)、3位決定戦の倉中(福岡大)には2試合連続でフォール負けに喫し、不甲斐ない結果に。しかし、グレコローマンの選手であるので、フリースタイルでも5位という順位に食い込めたことは収穫もあった。それは、“最初に入れた点数を守り抜く”という自身の勝ちパターンを、点の取られやすいフリーでも通用することが実感できたこと。「グレコにもつながっていくと思う」と自信をのぞかせた。毎年5月に行われるリーグ戦は、フリーでの試合となることから、重量級を引っ張る役割として次期主将である中村の台頭がカギを握っている。

     また、70㌔級川瀬に出場した川瀬は赤萩(日大)との試合で、2-3と1点ビハインドのラスト10秒、バックを取り逆転勝ちかと思われた。しかし、ポイントは入っておらず準々決勝敗退。「負けは負けなので仕方ない、実力がそこまでということ」と語り、今後の練習で技に磨きをかけていくことを誓う。

     1年生ながら初戦を突破した佐藤大は、「片足タックルを取られないようにしたい」と大会を通して課題を明確にし、月末に控える新人戦での成長した姿に期待が高まる。男子97㌔級に出場した外山は、予備戦から今年の世界ジュニア選手権代表でもある二ノ宮(明大)にテクニカルフォール負けに喫した。1回戦に進んだ二ノ宮も今大会チャンピオンのバクダウレット(山梨学院大)に敗戦し、外山は敗者復活戦に回ることもできなかった。しかし、日本代表と戦うという機会は収穫が大きかったに違いない。新人戦でも当たる可能性があるため、敗戦を糧に残り2週間調整していきたい。

 4年生を試合にエントリーせず、新しい布陣で5月のリーグ戦を想定しエントリーを組んだという今大会。レスリングはくじ運が結果を左右することもある。しかし、強い相手とは勝ち進む上でいつかは当たるもの。日々の練習を積み重ね、誰といつ当たっても勝てるような自信や技をつけていくことが重要だ。まずは2週間後に控えている、1、2年生の新人戦、3、4年生の東日本選手権までに各々が見つかった課題を修正していきたい。

◼︎コメント

・若松監督
やはり、負けた選手は試合の中での崩しができていないので、2週間後に新人戦と東日本選手権があるので、そこに向けて修正して結果を残せればと思う。今回けが人が2人いて、65㌔級の成富のところは佐藤大が、86㌔級の内山のところは芝元が出場した。来年のリーグ戦に向けて内山を使って試運転してみたいなという気持ちもあった。今回は4年生は1人も出さず、来年に向けての新しいチームで挑んだ。川畑孔はまた吉田と当たって負けてしまったが、やるたびに差も縮まってきて、改善すべきところは本人も分かっていると思う。川畑孔の場合は新人戦もあるが、12月の全日本に向けて頑張ってくれれば。川瀬はリーグ戦が怪我で、インカレは減量に失敗して今年はなかなか試合に臨めていなかったが、70㌔級に出してみて試合内容は評価できるのでは。(川瀬の準々決勝について)展開の中でコントロールをしてないので、あれはポイントではない。コントロールをしていてポイントが入ってなかったらチャレンジしたんですけどね。外山に関しても、二ノ宮くんと戦って、まだ力の差はあるが、本人も何が足りないか分かったと思う。新人戦では表彰台も狙って欲しいな。岡迫大はスピードはあるんですけど、パワーがない。パワー負けしている部分もあるから、筋力トレーニングを重ねていければ。佐藤大は、練習よりは頑張って試合してたと思うので、まだ1年生なのでこれから出てきてくれればと思う。成富が怪我で出られなかったので、いい経験したと思う。中村に関しては気が抜いた部分もあったのかもしれない。3位にはなれると思っていたから、一発かかってしまったのは残念でもったいなかった。これもいい経験になって来年のリーグ戦で勝てるようになってもらいたい。

・中村(ラ3=宮崎工)
内閣杯は出るのは初めてで、今回はくじ運が良かったので決勝まで行きたいと思っていたので、悔しい。(最後、2試合ともフォール負けだったが)2回とも意識してなかった所に来た。普段はあまりフリーで戦わないので、タックルを警戒していた。投げだったり、足をかけられたり、自分の予想してなかったことが重なった。もっと基本をやっていれば対応できていたので、そこが足りなかった。(フリーでもこの順位に入れたことについて)最初に投げたりして点を取って、できれば点数を重ねていきたいがそこからできるだけ相手のいいようにはさせずに、その点数を守り抜くのが勝ちパターンというか、最近の自分の流れ。点の取られやすいフリーでもそれができたということはグレコにもつながっていくのかなと思う。(アクティビティタイムに入ってから点を決めるシーンもあったが)そこはあまり取られることは気にしなかったが、チャンスがあったから決めに行った。(キャプテンとしてチームをどう引っ張っていきたいか)見本を見せながら引っ張っていければ、自分がまず動いてどんどん後輩にも見せて行きたい。ライフデザイン学部で練習に出られない時もあるが、そこはみんなにサポートしてもらって、支えてもらいながらチームづくりをしていきたい。

・川瀬(済3=いなべ総合)
(準々決勝について)負けは負けなので悔しかった、仕方ない。点を取ったのかなと思ったが、入ってなかったので返そうと思ったけど返せなかった。勝っていれば、準決勝まで行けたのにと思う。今の実力がここまでなのだなと感じた。川畑孔と練習したりしてはいたが、まだまだ練習が足りないと改めて実感した。(東日本選手権に向けて)今回、動きは良かったので後はポイントポイントでしっかり取れるようにすれば上位も狙えると思うので、そこを練習していきたい。

・川畑孔(社2=楠南)
一試合の相手がインカレで負けた相手でしっかりリベンジしたかった。相手が何をしてくるかはわかっていたが、今回はインカレで取られたのとは違うパターンで取られてしまった。そこはまだ自分の練習が足りないなと思った。(くじで初戦吉田選手と当たったが)最悪だなと思った。一試合目はあまり動けないので、一回戦、二回戦でしっかり調子を上げて後で当たりたかった。(去年8位、今年は3位と順位が上がったが)今年は3位以内に入ることを目標にしていたのでとても嬉しい。(新人戦に向けて)しっかり優勝できるように頑張りたい。

・佐藤(法1=秋田商業)
片足タックルを取られたのが反省点。今後の練習で片足タックルを取られないように練習したい。(1回戦の手応えは)あまり動けなかったが、相手が組んでくるタイプで、自分も組んで戦うタイプなのでやりやすかった。(内閣杯に向けて練習したこと)最近フリースタイルよりもグレコスタイルをやっているので、しっかり構えることを意識してやっている。(新人戦に向けて)前回片足タックルをとても取られたのであまり取られないようにしたい。グレコでは組み投げを練習しているのでそれを頑張りたい。

TEXT=菊池美玖  PHOTO=渡部穂乃花