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2017.11.21
空手道

[空手道]男女とも2回戦敗退 次の世代へ希望託す

る第61回全日本大学空手道選手権大会

11月19日(日) 日本武道館

男子団体組手

2回戦敗退

女子団体組手

2回戦敗退


空手人生最後の試合となった東出

大将を務めた古怒田


 今シーズンの最終戦となった今大会であったが、男女ともに2回戦敗退で終わった。思うような結果を残すことはできなかったが、下級生が多く出場し、これからの飛躍を期待させた。

 「楽しむ」をモットーにこの試合に臨んだのは東出主将(法4=青森北)。1回戦では落ち着いたプレーで3ポイントすべてを中段突きで決めた。そして2回戦。先鋒と次鋒が敗北し、後がない状態で中堅の東出に回ってきた。「負ければ終わり」。積極的に攻めていくも、技を決めきることができない。ついに2分間が終わり、両者ポイントを取ることはなく、引き分けで終わった。勝利への望みを託された副将・幸保(法1=横浜創学館)だったが、開始16秒でポイントを奪われると、そのまま立て続けに2ポイント奪われてしまう。そこから先はポイントを取っては取られての繰り返し。逆転することはできず、敗北となってしまった。試合を終えた幸保を東出は頭をなでて出迎え、「いい試合だった」と後輩たちをねぎらった。社会人で空手は続けないため、今大会が空手人生の最終戦となった東出。「すっきりしていいる」と悔いなく空手人生を終えた。そして、「来年からはもっと期待が持てる。今回の悔しさをバネに後輩たちに頑張ってもらいたい」とエールを送った。


 女子は1回戦で札幌大に不戦勝し、2回戦に進む。相手は前大会団体2位の近大。先鋒を宮坂(法3=日本航空)が務めるも有効打が決まらず時間だけが過ぎ、引き分けとなった。「緊張してがくがくだったが試合中の後輩たちの声に背中をおされた」という中堅別府(法4=埼玉栄)。しかし、試合序盤に突きを決められてしまう。その後も必死に前に出るが、試合終盤に上段蹴り、突きを決められ試合0—5で落とす。続く大将古怒田(法2=御殿場西)はお互い拮抗するが終盤に試合が動く。残り45秒から続けざまに突きを決められ0-5で敗れた。強豪の高い壁を感じた試合だった。

 大きな壁に阻まれて2回戦敗退したが、彼女たちの目はしっかり前を向いていた。宮坂が「強いほど最後は当たって砕けろという気持ちで4年生の為に試合をしようと目標を立てた」と語り、古怒田は「チームの目標は悔いの残らないように」だったと振り返る。主将別府4年生の登録は一人だったが「同期が支えてくれた」と振り返りの感謝の言葉が溢れた。

  今回出場の機会はなかったが女子下級生の成長がめまぐるしい。さらに来シーズンはメンバーもリセットされ新入生という新しい風が吹く。チームに張り合いが生まれ盛り上がり今年を超える結果を出すことを期待がかかる。

 

□コメント

・東出(法4=青森北)

最後ということで今日は楽しむをモットーにやった。結果は2回戦負けだが、自分の中ではすっきりしている。4年生は入っているのが自分ひとりだったので来年から彼らの時代になった時、今の代がほとんど下なので来年からの期待が持てると思うし、今回の悔しさをバネに後輩たちに頑張ってもらいたい。(2回戦は後がない状態で回ってきたが)とにかく今日のモットーはどんな試合でも悔いのないようにだったので、いい試合をしようと思って臨んだ。4年間空手をやってきてあっという間だった。4年間も、これまでも。小1から続けてきて、今日で空手人生が終わった。さみしい部分と、ここからまた新しいスタートという気持ち。試合で、座りながらいろいろ今までの空手人生を振り返って、いろいろあったなあとじみじみ思いながらコートに立って試合をしていた。一番最初に浮かんだ場面は、入りたての小さい頃の右も左もわからず基本から初めて怒られたとき。あれがあったから今こうしていられるとしみじみ感じた。空手とは、今まで当たり前のようにあり、人生の半分以上を一緒に過ごした。親友とか相棒と言うかそんな思いでやってきた。親しみのある仲間。(キャプテンとしての1年間は)クセのある後輩たちがいっぱいだったが、楽しくまとめてこれた。これと言って悔いはないのであとは後輩たちに託して来年また頑張ってもらいたいと思う。(4月のインタビューで熱い青春物語のようなチームを作りたいと言っていたが)空手は個人競技。団体戦だとしても個人で勝敗が付く。その中でも試合前に後輩たちがしっかり声をかけあっていた。今日の試合も自分が何も言わなくても何々先輩~とか言っていて、チームとして熱かった。今日の試合に負けた時、自分はすっきりしちゃっていたが、下で後輩たちが「先輩すみませんでした、悔しいです自分」みたいなことを言ってくれたので熱いチームだったんじゃないかなと思う。(これからどんなチームになってほしいか)大学の体育会系は伝統とか歴史とかあってそれに縛られがちだが、それに関係なくキャプテンの色を生かして、1人1人の色をより濃く光らせたチーム作りをしてほしい。しがらみに縛られない、オリジナルの自分たちにあったチーム作りをしてほしい。

・成海(法3=仙台城南)

1回戦はよかった。(大将を務めて)自分に回らないで終わるのは初めてだった。これから練習を見直して修正していきたい。4年生のためにも1つでも多く勝ってつなげたかった。2試合目が終わって「いい試合だった」と東出主将(法4=青森北)に言ってもらえてよかった。(東出主将は)ユーモアで盛り上げてくれる人。来年はそれを超えられるように、周りも気にできるようになりたい。1年生の時に東日本3位になって、そこから入賞できていないので、もう1年でもう1回入賞したい。(今日の試合は)先にポイントを取られて巻き返せなかった。すぐに返せるように技の引き出しを増やしていきたい。また、勝っている時の戦い方、ポイントが足りない時にどう戦うかという点も課題。

・別府(法4=埼玉栄)

初戦まさかの不戦勝で、実質的な初戦が関西一位の大学で緊張してがくがくだったが、後輩が結構応援してくれたので悔いの残らない試合ができた。(2回戦までの時間)各試合を見たりした。午後になって再びアップをした。(オーダーについて)コーチの方から当日聞かされた。(メンバー登録で4年生がひとり)プレッシャーを感じた。でも練習中と今大会も声かけてくれたり、背中を押してくれたので思いっきりやれた。

・宮坂(法3=日本航空)

(今日振り返って)初戦を不戦勝で勝って、私たちにとって最初の試合が去年の全日本団体2位の近畿大で、私たちより練習量も技術も上の大学と試合だった。中堅の先輩が4年生最後というのもあって相手が強いんですけど、強いほど最後は当たって砕けろという気持ちで4年生の為に試合をしようと思って試合に臨んだ。(コートからみた別府の背中)前の大会で調子が悪くてメンバーから外されてしまったがずっとお世話になっていたので一緒に試合に出たい気持ちが強かった。それにこれまで見た先輩の中で一番強気で頑張ってる姿を見て4年生についてきてよかったと思った。(来年チームを率いることになるが)今年の結果、状態を一旦リセットして、誰が試合に出ても大丈夫なようにする。また自分もメンバーから外されないようにしっかり練習したい。なおかつ今年の結果を超えた結果が出せるようにいちから頑張りたい。

・古怒田(法2=御殿場西)

(今日振り返って)四年生最後の試合。チームの目標は悔いの残らないようにと決めた。結果としてはもう少しできたと思うが、みんなで楽しくできたのでよかったと思う。(去年と比べて)去年は1年生で初めてだったので焦り、緊張あったが、今年は先輩たちが前にいたので、先輩たちの背中を見ることで変に緊張しないで試合に臨めた。(今シーズンが終わるが)メンバーが入れ替わるので、心機一転で頑張りたい。今年は怪我に悩まされたので、しっかり治して万全の状態で次の試合に臨みたい。



TEXT=伊藤梨妃、仲宗根優介 PHOTO=仲宗根優介