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2017.12.28
硬式野球

[硬式野球]特集 連続独占インタビュー~春夏連覇の歩み~第5日 田中将也

 08年ぶりのリーグ戦春秋連覇を成し遂げ、今年度で勇退する高橋監督の有終の美を飾った硬式野球部。春の笑顔の優勝から一転、秋は多くの選手から涙があふれるほど、戦国東都の頂は険しかった。Vロードを歩んだ選手の心境をお届けする。



第5日目は田中将也(営4=帝京)。副将として、主将の飯田を支え続けた1年間。そして、「こんなにいいチームにはもう出会えないんだろうな」と話したほど、仲が良く、信頼していた同期の仲間と、日本一を目指し、支え合い、共に歩んだ4年間を振り返ってもらった。(取材日・11月26日、聞き手・永田育美)



――秋季リーグを振り返っていかがですか

今季は打率が1割台と、全然打てませんでした。実はリーグ戦中、左手の有鈎骨が折れていたんです。いいバッターが折れるらしいですよ。全部言い訳になってしまうんですけどね(笑)ずっと前から手首の調子がおかしくて、「痛いな」「おかしいな」と思いながらプレーしていて。亜大1回戦で強引に二塁打を打って、「やばい」と思いながらもその後ホームにヘッドスライディングをしたことで悪化させてしまいました。2回戦はテーピングをして死ぬ気で出場しました。

 


――怪我のことは誰かに相談したのですか

試合の次の日に病院に行ったら「折れているね」と言われました。骨折を隠して出場して、もし打てなかったら責任問題もありますし、まずはしっかり監督さんに言おうと。それでも出してくれたら頑張ればいいだけだと思っていました。ですが、「よし、お前無理だな。原澤、サード練習しとけ」と言われてしまい、亜大戦で二塁打打ったのに結構切る時早いなって思いましたね(笑)それでも試合の3日前くらいから練習に参加したら、シートで自分だけ打ってしまい、「お前1番で行くぞ」と監督さんに言われて、結局3回戦も出ることになりました。二塁打を一本打てて良かったのですが、神宮大会はもう無理でしたね。手に力が入りませんでした。

 

 

――東洋大での4年間を振り返っていかがですか

長かったですね。終わったらあっという間だと言いますが、全然あっという間ではなかったです。毎日が長くて、本当にしんどかったです。年がら年中強化練習でした(笑)「東洋大は野球するのに最高の環境。本気で野球するならおすすめ」と高校時代に仲の良かった先輩に言われたことがきっかけで入部を決めました。1年生で2部の辛さを知って、2年生で1部に上がれて、3年生のときはAクラスで。4年生で春夏連覇なので、自分たちは一番いい代だったのではないかなと思いますね。期待されていなかった代だったので、最初の方は優勝できるなんて思ってなかったし、2部に落とさないように頑張ろうという雰囲気でした。そういう中で、自分と飯田が「日本一を目指そうよ」って話しをして。日本一は取れなかったけど、そういう意思があったから連覇できたのではないかなと思います。

 


――どういう代でしたか

仲が良い。こんなまとまるチームがあるのかっていうくらい、まとまりのあるチームでした。4年生になるまでは、こんなんでやっていけるのかなと思っていました。自分がキャプテンだったら、こんなにまとまりのあるチームにはなっていなかったと思います。飯田だったから、みんなが認めるやつだから、メンバー、メンバー外問わずに腐る人が少なかったのだと思います。今年は主役が飯田だったので、自分と西川がサブに回ることができました。飯田が先頭を切ってやっていくなかで、自分が後ろから後を押していけるような副キャプテンでいることを目標にしていました。なので、その意味では、飯田が先頭を切ってやってくれていたから、こういう風に自分がサブに回って、ある意味楽なポジションで自分のことも考えられたかなと思います。でも多分飯田は俺が先頭を切ってやってくれていたと言ってくれていると思います。そういうやつだから。

 

 

――4年間で一番うれしかったことは何ですか

(2年前の)駒大との入れ替え戦で今永さん(現・横浜DeNAベイスターズ)からタイムリーを打ったことです。その2年前にも今永さんには完封されていて、一度も点を取ったことがなかったし、1回戦でも完封されていたので。20イニングぶりくらいにタイムリーヒットを打ったのが自分で、その時はうれしかったですね。

 

 

――高橋監督はどんな方でしたか

愛情深い人です。すごく厳しい事を言われてきましたが、やはりやっていくうちに言っている意味が分かるようになりました。高橋監督以上の監督は見たことがない。最高だと思います。メンバー外のこともこれだけ考えられる監督はいないと思います。あと、タイムを取るタイミングが抜群。これは、自分と飯田がずっと言っていたのですが、タイムを取るタイミングで、「えっ」と思うことが一度もなかったんです(笑)


 

――最後に、今後、社会人という立場で野球をしていく上での目標をお願いします

お金は責任と同じになってくるからプレッシャーもあるし、自分の入るチームは都市対抗で歴代最多優勝していて歴史もある。そこで1年目からレギュラーを取って、都市対抗優勝と日本選手権優勝することが目標です。両親には、なにかしらの形で恩返しだけは生涯していこうと思っています。