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2018.01.04
コラム

第588回 FOR REAL~スポトウでの3年間~ 執筆者・青池藤吾

 フレッシュな1年生からバトンを受け取りました、3年の青池です。このコラムを上げようとしたらスポーツ東洋のサーバーがダウン。何か持っているようで持っていないような。往路優勝を遂げた箱根駅伝の興奮冷めぬ中、今日は東京ドームにプロレスを見に来ています。東洋大レスリング部出身の小松選手、ベルト落としてしまいましたが、腰を怪我しながら頑張ってました。そんなこんなで自分の最後のコラムが回ってきたわけです。ありきたりですが、スポトウでの自分を少し振り返ってみたいと思います。

 東洋大に入学を決めると、サークルガイドという大学の公認サークルが載っている冊子が届くのですが、その中に真面目そうな名前をしながら紹介写真は海での集合写真という割と奇抜なページがありました。そうそれこそがスポトウでした(笑)。その時点での東洋大の運動部のイメージは陸上競技部のみ。ただ、「新聞」と銘打っているのでやるときはやるサークルなんだろうなと思いながら上京前にはすでに入部を決めていました。なにか自分を変えられる、いいきっかけになると思いながら。

 入学後、時間を作って部室に行き新歓の情報を得て、新歓に行って体験取材の日程聞いて取材に行くと。7月の編集まで右も左も分からない状況で、ある意味怒涛の半年でした。自分が担当すると決めた部会は硬式野球、ラグビー、準硬式野球、レスリング。野球の2つは単純に野球が好きだから、ラグビーは経験者、レスリングはプロレスが好きだからと理由は単純明快。1年生の時一番印象に強く残ったのは、原樹理投手(H27年度営卒=東京ヤクルトスワローズ)の大車輪、大エースという名に恥じない活躍でしょうか。自分の出身校は特に運動部が強くなかったので、「運動部の強い学校ってすごいなぁ」と改めて感じました。ドラフト1位でプロに行き、後輩には1部昇格という最高の置き土産を残していった原投手は自分の贔屓している球団に所属してはいませんが、いまだに大ファンです。

 2年生からはカメラを持ち始め、硬式野球部の取材は神宮球場にスケールアップし、記事を書くのが当たり前になってきました。初めての神宮球場での取材で、コメントの取り方の勝手が変わってしまい、記事の主役のコメント抜きで記事を書くなど割と大変なことも多かったですが。ラグビー部での取材では高野監督を基本的に担当することになり、自分の知識を生かしながら高野監督や選手のコメントを取って記事を書く。今では当然なことがルーティンになり始めていました。そんな自分に転機が訪れたのは16年のラグビー部のリーグ最終戦。普段通りコメントを取り、自分は2年生なので来年も高野監督を取材しますという旨を伝えるとこういうことを言われました。「東洋大の中でラグビー部をもっと盛り上げてほしい」。今まで、客観的でいたかったので使命とか大義名分とかは考えずに取材をして、記事を書いてきました。ただ、こういうことを言われてしまったらからには記事を書きあげることで高野監督の理想に届かなければいけません。これが記事を書くという使命なんだろうなとその時、初めて気づかされました。

 そして最上級生となった今年度。ラグビー班と準硬式野球班でチーフに。ラグビー班では受け取った使命にどう応えていくか、準硬式野球では意欲的な後輩に恵まれたので色々任せながらまとめる時はまとめる感じでチーフを務めました。硬式野球班もチーフを支えながら、同学年の中では白一点だったのでそこも意識しつつ取材していました。硬式野球部が春秋連覇、高橋監督退任、準硬式野球部は久々の全国大会出場と実りのある取材ができたと感じています。

 ラグビー部は「A戦はほかの取材がなければ行くのが当たり前」と考えながら実家のある名古屋で行われた全日本大学駅伝と被った試合以外はすべて行きました。チーフとして当たり前のロジックなのでしょうけど、「俺にはこれしかない」という意識の下で取材していました。今年のラグビー部の結果は第81号の通り。山学大を撃破し、高野監督が就任してから初の3位と好成績を収めました。自分が初めて取材した年に4位になり、引退する年に3位。3年間通して取材をしていて、成長していく様子を記事にして追いかけられたことを誇りに思います。

 スポトウの活動は取材以外にも新聞製作があり、3年生にて4号連続で紙面構成に関わりました。「大見のセンスがない」と色々センスのなさを突っ込まれながら作っていましたが、スポーツ新聞の会社に就職しないと経験できないことを経験してとても良かったと思います。

 簡単に3年間を振り返ってみました、いかかだったでしょうか。ここから9週、3年生のコラムが続いています。3年生の人数はちょうど9人。以前、ふざけて9人を野球の打順に当てはめていったとき思ったことは、個性が強い人々の集まりなので「どこからでもホームランが出る」こと。9人9色、いろんなコラムが続くと思いますので、最後まで楽しんで読んでください。