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2018.01.10
アイススケート

[フィギュアスケート]男子Aクラス菅原 納得のステップで会場を魅了!

第90回日本学生氷上選手権大会

1月7~8日(月)軽井沢風越公園アイスアリーナ


男子Aクラス 菅原

SP 43.81 22位

FP 101.60 18位

総合 145.41 21位


華麗なステップを踏む菅原


見事にLa La Landを演じ切った


今後へ期待のジャンプ



初の出場となった第90回日本学生氷上選手権大会(以下、インカレ)。菅原(社1=開志学園)が男子Aクラスに出場した。気持ちの面で負けた部分もあったようだが、2日目のフリーでは順位を上げて初めての舞台を演じ切った。


ショートプログラムは6月末ごろから練習を始めたというoo7の楽曲。滑り出しからチームメイトの歓声で盛り上がる中、最初のジャンプは勢いが余りつつもポーズまでしっかりと決めると菅原が会場の空気を一気に掴む。「シニアは、表現の大きさと表情まで表現する部分がうまいのでそこに負けずに」と、曲に合わせて体を大きく使った表現を心がけていき、鋭い表情も見せた。多少のジャンプのミスが気になったものの、本人も満足のステップでは観客を魅了。最後のスピンの最中に曲が先に終わってしまい、タイムオーバーではなかったものの「それはそれで良くないんですけど」と苦笑いした様子。納得のいく演技ではなかったというショートは22位という結果で終え、気持ちを切り替えて次の日のフリーへ。


全日本フィギュアスケート選手権大会(以下、全日本)にはジュニアの部で出場していた菅原にとって、演技時間が30秒増えたシニアのフリーは体力面でもハードなもの。それにも関わらず、プログラムには3回転ジャンプが5本ある構成だった。ジャンプの調子がなかなか上がらない菅原だったが、La La Landの軽快なリズムに合わせて滑り出すと鮮やかにジャンプを決めていく。トウループが1本抜けた部分がもったいなかったというが、その他の3回転は着氷まで素晴らしいものだった。リンク中央での得意のスピンも軸の安定したきれいなもので、観客からは拍手が起こった。また、ショートで高いレベルのとれたステップはフリーでも健在。ステップが苦手というのがわからないほど、明るい曲調やしっとりとした雰囲気に合ったステップを踏んだ。4分半、しっかりと演じ切った菅原はポーズを決めた後、声援を送ってくれた東洋大ベンチに両手でガッツポーズをして応えた。結果は18位と順位を上げたが、総合順位は21位で終えた。


東洋大のフィギュアスケート部に入って初めて迎えたインカレ。学校対抗の色の強いこの大会では声援も大きく、いい雰囲気であったからこそ気負いしすぎる部分もあった。しかし菅原は「学校対抗として、一人の部員として、頑張らなきゃなっていうのにも気づけて新鮮な大会だった」と振り返る。2年生のシーズンからは本格的にシニア参戦だ。練習からポジティブに向上心をもつ菅原は全日本にも出場していけるだろう。


■コメント

・菅原(社1=開志学園)

(ショートは)本当に今シーズン、調子がなかなか上がらなくてそれを引きずってしまった形になって、あまりいい出来とは言えなかった。(今回の曲は)6月の終わりごろから使い始めた。インカレからシニアに参戦で、シニアのみなさんは表現が大きいのと表情まで表現するというか、そういうのがうまいので。シニアのみなさんに負けずに、表現の大きさと表情をつけられるように心がけてはいた。良かったところはそんなになくて。でも、ステップシークエンスでレベルがちゃんととれて。今までが全然丁寧に踏むことができなかったけど、そういうところで余裕がようやくできてきて、きれいにステップが踏めたことはいいことだと思う。悪かったところはジャンプのミス。今シーズン、ジャンプの調子が悪かったからといってそれを引きずってしまったところが悪かった。(最後、曲が終わっていたが)ショートって2分50秒が規定で±10秒で2分40秒~3分の間でやらないといけないんです。3分1秒から-1減点で、10秒ずつ-1、3分11秒から-2っていう感じになってるいて。今回は一応、減点はなかったのでタイムオーバーという形ではなくて。ちょっと遅れちゃったということで、それはそれで良くないんですけど。(笑)(順位に関しては)ショートは自分でやった感じで「これは全然駄目だな」と思っていたので、本当は1番下かと思った。納得のいく演技ができてそれならすごく悲しいけど、別に納得もいかないしそんな大したことができていなかったので、仕方ないというか。フリーもあるから「振り切ってフリーをやろう」って感じに変えました。順位はすごく気にするタイプでもないんですけど、やっぱりフィギュアスケート部の一員として大学に入ったので。東洋大の生徒というか、フィギュアスケート部員として頑張らなきゃなっていうのはあったが、プレッシャーじゃないけど考えすぎたかなっていうところはある。そこがのまれちゃったのかもなとも思ったけど、もうちょっとコントロールができていればこうにはならなかったので。そこは悔しい。(応援に関して)部員も今年から増えたっぽくて。それですごくいい雰囲気があった中で、応援とかもすごくたくさんしてくれてありがたかったんですけど、そういうところで自分に負荷かけすぎたかなって思う。(「笑って!」と声もかけられていたが)僕はちょっと元々、表情が硬いので。そこで言われた。(フリーは)4分半を滑ったのが春ぶりで。インカレはシニアの内容だけど、自分が全日本とかに出たときはジュニアの部で出たので、そこからプログラムが30秒増えて、やっぱりスタミナとかそういう面できつかったところはあった。だけど、久々に3回転のジャンプを5本入れていった。1本、トリプルトウループが抜けちゃってダブルトウになっちゃったのがもったいなかったけど、それ以外はトリプルジャンプが今季一番きれいにきまったし、流れも途切れずにできたのでうれしかった。だけどダブルフリップとダブルアクセルで手をついてしまったので、そこはやっぱりもうちょっと気合が足りなかったかなと思っている。スピンもレベルとれていたし、ステップも踏めていたので、そこができればもう少し点数が伸びたかなって思ったので。気持ちの面で負けたというか、プログラムの構成がきつくなって自分がそれに負けてしまった感じですかね。(初のインカレの舞台は)シニアのクラスに上がって、周りの方もレベルが高くて、僕は自分で言ったら恥ずかしいんですけどスピンが得意なんです。でもスピンのレベルがとれていても、ジャンプが苦手で、そのジャンプができないからといって周りにのまれていた感じだったので、自分のレベルの中で自分のできることをどれだけシニアの舞台でできるかがカギなんだなというのを改めて感じたし、インカレっていう舞台に初めて出て、学校対抗として一人の部員として頑張らなきゃなっていうのにも気づけて新鮮な大会だった。(練習で心がけたいこと)今季本当に自分の中で流れが悪くなってしまったのは、自分がマイナス思考すぎて、できるものもできないと思ってしまう癖があったから。プラス思考に自分をもっていって、もっと「できるできる」という感じでやっていけば技術面もだし、精神的にももっともっと向上していくんじゃないかなというのは感じた。(2年生のシーズンの目標)本格的にシニアのブロックの方に参加するので、全日本に出場できるようにもっともっと自分の意識を向上させていくことです。自分の意識をもっとポテンシャル高いところにもってきて、全日本出れるように頑張ります。



TEXT=越塚日南 PHOTO=玉置彩華、森美香子