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2018.04.02
サッカー

[男子サッカー]ラスト2分の逆転劇! 小林2ゴールで天皇杯出場に大きな一歩

第23回東京都サッカートーナメント予選 学生系の部 決勝

3月31日(土) 東洋大学朝霞グラウンド

東洋大3-2法大


<得点者>

89分 小林

90分 小林

95分 中村


<出場メンバー>

▽GK

小池大喜(国3=大宮Y)

▽DF

渡辺星夢(国3=前橋育英)

浦上仁騎(国3=大宮Y)

土田直輝(国1=大宮Y)

朝妻佑斗(国2=大宮Y)→66分 小林拓夢(国2=帝京長岡)

▽MF

野本幸太(国1=市立船橋)→78分 中村陸(国1=柏U-18)

高橋宏季(国3=FC東京U-18) 

長澤昂輝(国1=前橋育英)→75分 斎藤拓海(国2=ジェフ千葉U-18)

市原亮太(国1=横浜創英)

▽FW

松崎快(国2=大宮Y)

丹代藍人(国3=青森山田)



同点ゴールを決めて喜びを爆発させる小林


松崎は2アシストの活躍で逆転勝利に貢献した


中村は公式戦初出場初ゴールとなった



 第23回東京都サッカートーナメント予選(学生系の部)決勝の相手は、共に第92回関東大学サッカーリーグ戦(以下、リーグ戦)1部に所属する法大。前半に先制を許すと、後半にも追加点を献上し終始2点を追う苦しい展開となる。しかし、試合終了間際に途中出場の小林(国2=帝京長岡)の2ゴールで追いつき、決着は延長戦へ。95分に途中出場の中村(国1=柏U-18)が公式戦初ゴールを決め3-2。土壇場で逆転劇を見せた。


 勝てば創部初の天皇杯出場に大きく近づくこの試合。1分、松崎(国2=大宮Y)がドリブルでゴール前に持ち込みチャンスを演出する。しかしこれは連携がかみ合わず決めることができない。その後は右サイドから崩される場面もあったが、GK小池(国3=大宮Y)を中心に体を張ってしのいだ。しかし、36分に一瞬の隙を突かれ失点。1点を追う形で前半を終える。

 勢いを取り戻したい後半だったが、立ち上がり早々追加点を許してしまう。2点ビハインドの状況の中で、攻撃にシフトするため古川監督はFW小林、MF中村を投入。思うようにパスがつながらず、なかなかチャンスを作ることができなかったが、貪欲に攻め続けた。その中で試合が動いたのは89分、松崎からのクロスに反応した小林が相手GKとの1対1を決め切り1点差に詰める。これで勢いに乗ると、その1分後にはまたも松崎のパスを小林が落ち着いて決め同点ゴール。これには小林も「何か貢献できたらという気持ちだったので、得点を決めることができて良かった」と喜びを爆発させた。

 勝負は延長戦にもつれ込んだ。延長前半開始早々、相手ゴール前で細かくパスを回すと最後はフリーの中村が決め逆転。これが勝利を決定付け、最終スコア3-2で逆転勝利を果たした。


 先制は許したものの、途中交代の選手たちが躍動したこの試合。古川監督は「選手たちの頑張りを褒めたい」と評価した。また、4月7日から始まるリーグ戦を前に「戦力の上積みができた」と天皇杯予選を通して得たものも多い。開幕戦の相手は前年2位の順大。この試合で2アシストの活躍の松崎は「開幕戦で勝てるかでこの先勢いに乗れるかが決まる」と気合十分だ。大逆転の勢いそのままにリーグ戦に臨む。



■コメント

・古川監督

0-2までいったゲームを選手たちが諦めずにやってくれて、その結果がこういう風な劇的な勝利につながったと思う。鳥肌もののゲーム。選手たちの頑張りを褒めたい。(試合展開は)立ち上がりいい入りをして、ゴールチャンスも最初の15分に2回くらい決まっていてもおかしくないような動きがあって。法大も力があるので、そこからちょっとずつ押し込まれる時間もあった。失点しないで折り返しても十分見合うくらい、そこまで危ないピンチが多かったかと言われればそうではなかった。その中で1点とられて折り返して、自分たちがペースを握ろうと思ってビルドアップのところで引っ掛けて2失点。重たい2点目だったが、ロングボールどんどん放り込んでということをせず選手たちが焦ることなくしっかり自分たちでゲーム進めながら続けてきてくれたので、最終的には不用意な3点目を失うことなくすんだことは攻撃でコントロールしながらやれていたと思う。その中で途中交代で入って2点取った小林もそうだし最終的にシュート打った中村もそうだし、齋藤も取りにいかなければならない状況でバランスを保つことは難しかったと思うが、途中から入った選手がパワーを注いでくれたと思う。(途中から選手のポジションを変えたことは)自分たちは追いつかなければいけなかったので、どうやって攻撃に移行していこうかと選手を代えたりや出ている選手を動かしながら攻撃にシフトしていったような感じ。ベンチの思惑で配置したところでそれぞれが仕事してくれたという感じ。後期リーグ、なかなか勝ちきれない試合があった。天皇杯予選を通じて戦力の上済みができた。


・松崎(国2=大宮Y)

同点にするまでの試合の運び方の部分でまだ問題を抱えていると思う。ビハインドに置かれた状況でやっと自分たちのポゼッションを高めるのではなくて、ある程度イーブンの状況でも自分たちがボールを持って主導権を握る戦い方をしないと、リーグ戦では厳しいと思う。(法大の印象は)前線に特徴のある選手がいて、サイドバックも上手いですし個々にいい選手がいっぱいいる。やっぱりそういう相手とこの先リーグ戦でも戦うので、今日勝てたのは大きいと思う。(得点のアシストについて)1点目はギリギリのボールだったので、折り返すだけで誰かいてくれればって感じだった。2点目は浦上選手がいい形でドリブルで入ってきてくれて、スペースでいい形で受けれたのであとは流し込んで、小林選手のシュートが上手かったと思います。(リーグ戦の開幕に向けて)開幕節で順大、法大、筑波大と続くんですけど、開幕で勝てるかでこの先勢いに乗れるかが決まるので、まずは順大。去年2位で強いですけど、勝てるように頑張ります。


・小林(国2=帝京長岡)

2点ビハインドで投入されるというのは、自分が点を取るしか貢献できることはないと思っていた。なにかしらやってやろうという気持ちで試合に入りました。(2得点について)プレシーズンはずっとけがをしていて、チームに遅れをとっていた。キャンプとかにも参加できていない状態が続いていて、途中から監督にチームに入れてもらった。何か貢献できたらなという気持ちだったので、得点を決めることができてよかったです。(タフな2試合をものにして)前の慶大戦を乗り越えてから練習からもみんなすごい気合いが入っていて、あの試合があってもう一段階練習の質が上がったなというのは全員が分かっているので、いいスタートが切れたと思う。(次週開幕の関東リーグについて)リーグ戦今年はタイトルを狙っているので、自分のよさをもっとチームに還元できたら出場機会も多くなってくると思うので、自分を信じて一つ一つやっていけたらいいなと思います。


・土田(国1=大宮Y)

前半は慶大戦のときと一緒で失点してしまったが、0ー1で耐えた。後半も決められたが、諦めない気持ちというのが出たことによって2点追い付くことできて、勝てたということは大きい。失点シーンは宏季くんに入ったときにもっと自分がサポートできたのかなとも思うし、取られた後もっと自分がスプリントして相手に圧力をかけるとかできたと思うので次の試合に生かせるようにしたい。ボランチになってからはサイドを早く変えるというのと、隙が空いたときに早く縦パスを入れるというのを意識してやっていた。リーグ戦でも今日みたいに諦めない気持ちと戦う姿勢を忘れずに、初戦勝っていい流れを続けたい。



[次戦試合予定]

第92回関東大学サッカーリーグ戦1部

第1節 4月8日(日) vs順大 

味の素フィールド西が丘にて 14:00キックオフ



TEXT=金澤瑞季 PHOTO=美浪健五、土橋岳