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2018.04.22
アイススケート

[アイスホッケー]中大に無得点の悔しい敗戦 次戦に望みをかける

秩父宮杯第66回関東大学アイスホッケー選手権大会

4月21日(土) 東伏見ダイドードリンコアイスアリーナ

東洋大0―2中大



スピードのあるスケーティングで攻めるFW古川誠主将


チームに欠かせない守護神・GK古川駿


DF中村は自陣ゴール前でパックを弾くなどDFとしての役割を果たす



  トーナメント戦を勝ち抜き、決勝リーグへと駒を進めた東洋大。決勝リーグ第1戦目は昨年度の学生氷上競技選手権(以下、インカレ)の準決勝で勝利した中大との試合となった。1、2ピリは互いにゴールネット揺らすことができないまま時間が流れる。しかし3ピリで2失点。最後までその差を埋めることができず0―2で敗戦した。


 「決められるチャンスを決め切れなかったことが敗因につながった」。古川誠主将(社4=白樺学園)がそう振り返るようにシュート数は東洋大が上回っていた。1ピリでは得点力のあるFW出口(社4=駒大苫小牧)とFW古川誠主将がパスをつないでゴール前へ攻めたり、DF佐藤(社4=駒大苫小牧)やDF渡邉(社4=日光明峰)のパワーのあるスラップショットでゴールを狙うも、中大の絶対的守護神・GK金子の好セーブに阻まれる。2ピリでも両校の力が拮抗し、ゴールを示す赤ランプがどちらも点灯しない。昨年から引き続き第3セットでラインを組むFW猪狩(社2=駒大苫小牧)、FW清水(社2=白樺学園)、FW所(社3=駒大苫小牧)のパスワークで粘り強くゴールに迫るもなかなか1点が遠い。


 どちらも無得点のまま迎えた3ピリ。ゲーム開始から53分、拮抗を破ったのは中大だった。相手DFから放たれたシュートがGKの左肩口に吸い込まれた。さらにわずか9秒後にもゴールを奪われ一気に2点差に。試合終了まで約6分、6人攻撃を仕掛けるなど最後まで諦めずに攻め続けたが、得点を奪うことはできなかった。試合後、GK古川駿(社4=八戸工大一)は「勝てた試合だったので落としたのが本当に悔しい」と悔やしさをにじませた。中大の第1セットで弟が出場していたDF中村(社3=八戸工大一)は、「声をかけておけばもっといい流れをつかめたんじゃないか」とディフェンディングゾーンでチームで声をかけて連携を図ることができなかったことが敗戦につながったと振り返った。


 次戦は2012年のインカレ3位決定戦で勝利を収めたきり、約7年ものあいだ公式戦で勝てていない宿敵・明大との一戦。昨秋の関東大学アイスホッケーリーグ戦一巡目ではリードするも3ピリで追いつかれ逆転負け、昨年度のインカレでも優勝決定戦で惜しくも敗れた相手だ。だが、ここで負けてはいられない。鈴木監督は「明日に向けて全員で気持ちを切り替えて臨みたい」と次戦へ気持ちを新たにした。優勝の可能性はまだ残っている。目の前の戦いに全力を尽くし、タイトルを奪いにいく。



◾️コメント

・鈴木監督

全体的にどっちが勝ってもおかしくないような内容の試合だったと思う。でもうちが決め切れなかったのは、少しこの大会の形式が変わって上位校はリーグ戦方式で戦うということになって、次の試合のことが頭の片隅に少しあったんじゃないかなというのはある。(前回の試合から1週間どんな練習をしたか)法大戦のときはあまり東洋らしいプレーができていなくて相手にプレッシャーを多くかけられなかったので、相手にプレッシャーをかける練習を多く積みました。ただ、もう少しレベルアップできるかなと思うのでそれは明日につなげたいと思います。(3ピリのタイムアウトで話したことは)6人攻撃の確認と誰が出るかと、どういうフェイスオフ、プレーをするかの確認をした。(小堀選手のアイスタイムが増えた印象があるが)そうですね。法政との試合でもすごくいい動きをしていたので、どのラインに入っても献身的にプレーをしてくれるので今日はいろんなラインで使いました。(次戦に向けて)まず気持ちの切り替えというのはすごく大切だと思うので、ここで明日に向けて全員で気持ちを切り替えて臨みたいと思います。


・FW古川誠主将(社4=白樺学園)

ディフェンス面では2点という最少失点に抑えられた。決められるチャンスを決め切れなかったことが敗因につながった。(見えた課題は)完封負けは恥ずかしいこと。FWとして、スコアリングもっと意識してプレーしないと0点ではどこにも勝てない。全員が決めるという意識を持ってプレーしないとダメだと感じた。(昨年インカレで勝利した中大が相手だったが)去年のインカレで勝った相手だが、新チームになったので一回忘れようと(チームで話した)。相手もどれだけ新戦力が入ったとかそういうのは無しにして、一からプレーしようというのも話した。(明大戦への切り替えは)今年からリーグ戦になったので、この1回の負けをずるずる引きずるのではなくて、切り替えて明大戦いい形で入りたい。そこで勝てば優勝のチャンスがあるので、明日絶対勝てるように今日からしっかり準備したい。(明大戦への意気込み)1敗の状態から入るが、明大にはここ5、6年勝てていない。その面でも明日の試合がすごく大事な一戦になってくるので、チームがひとつになってもう一度集中して東洋大らしいホッケーで勝ちたい。


・GK古川駿(社4=八戸工大一)

勝てた試合だったので落としたのが本当に悔しい。でも引きずらずに、明日の明大戦チャンスはあるので、気持ち切り替えて明日に向けて体を休めたい。スタートが悪くて、パックを見失ったりしたが、チームメイトが体を張って守ったりクリアにしてくれたりして、そのおかげで立て直すことができて今日は本当に味方に感謝している。(1点目決められて)焦りはなかったが、相手のシュートが上手かった。終盤の失点でバタバタして連続2失点をしてしまった。負けてしまったが、今年の東洋大は強いと思うので、結果残せるように残り2試合頑張っていきたい。


・DF中村(社3=八戸工大一)

中大に弟がいて兄弟対決だったが、負けてしまったのが一番メンタル的にもショック。リンク上で結構バトルして、でも点数入れられて負けてチームにとってもきついし僕にとってもメンタル的にやられた。(DFとしては)最初からDゾーンをシンプルにいこうってみんなで言っていたのに、誰も声をかけずにパスをミスして相手に流れを持っていかれた。最初の5分をシンプルにやれなかったというのが、チームが流れをつかめなかった一つの原因だと思う。(連続失点は)みんなが守りのDゾーンで声をかけずに、シンとなった状態でプレーしたのが悪い方向につながった。みんなポジションがバラバラになって、フリーで2本シュートを打たれてしまって流れを持っていかれたので、声をかけておけばもっといい流れをつかめたんじゃないかと思う。シンとなった状態で流れをズルズルと持っていかれて、それを取り返せなくて終わった感じ。(6人攻撃は)いつも練習しているメンバー。ゴールに集めようと話をしていたが、なかなか攻められなかった。相手のGKも良かったし、その前にもっといい流れをつかんで、PP(パワープレー)などもが多かったので、そこでもっと1点か2点決めておけばこっちに流れを持ってこれたんじゃないかと思う。(次戦に向けては)クールダウンしてすぐ弁当を食べたり、リカバリーが新しい試みなのでそれがいい方向につながればいいなと思う。


TEXT=川口朋珠 PHOTO=越塚日南、金澤瑞季、伊藤なぎさ