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第66回平成国際大学長距離競技会
4月29日(日) 鴻巣陸上競技場
800m 決勝
9組
4着 高谷 2’05”21
10組
1着 増田 1’53”15
3着 柴田 1’55”19
5着 長尾 1’59”16
DNS 松崎
1500m 決勝
7組
8着 前之園 3’56”63
17着 越塚 4’03”49
20着 齋藤 4’13”73
21着 緒方 4’16”40
8組
3着 小室 3’46”87
5000m 決勝
5組
1着 中野 14’59”55
3着 杉村 15’09”19
8着 八重樫 15’18”52
10着 松島 15’20”49
16着 石川 15’27”10
8組
3着 蝦夷森 14’29”59
21着 橋本 14’58”27
24着 藤城 15’01”76
6組
3着 福井 14'25"34
10000m 決勝
3組
1着 西山 29'17"75
2着 鈴木 29'17"89
3着 浅井 29'35"80
4着 今西 29'43"11
5着 田上 29'45"56
7着 土壁 30'08"17
9着 定方 30'11"43
11着 田中龍 30'26"91
15着 岡里 30'36"56
16着 山口 30'39"40
DNS 野口
4組
2着 小笹 29'13"96
19着 中村拳 31'50"23
3000m障害
4組
1着 宮下 9’09”38
12着 小田 9’28”54
13着 山本瑛 9’32”89
レースを引っ張る西山(右)に食らいつく鈴木
増田は関カレでの表彰台を目指す
平成国際大記録会に中距離部門、男子長距離部門から多数出場。目前に迫る関東インカレ(以下、関カレ)に向け標準記録を狙ってのレースになったが、10000mで鈴木(済1=氷取沢)が自己ベストを大幅に更新するなど関カレに向けて各自メンバー入りへアピールを見せた。
中距離部門からは800mに同種目で東洋大記録を持つエース・増田(ラ4=北陸)が出場。1分50秒前後のタイムを想定してのレースに挑んだ。レースは柴田(済2=東大和)が先導して引っ張ると、増田は中ほどに位置し落ち着いた入りを見せる。今回増田が意識したことはラスト200mの切り替え。600mの通過タイムをいつもより遅らせることで、課題である切り返しの改善に取り組んだ。ラストは強い向かい風に減速し1分53秒台でゴールするものの、切り返しに必要な「腕をしっかり下に振ること」が意識してできた増田。昨年は関カレ6位に終わったが、表彰台へ向け手ごたえは十分だ。
10000mではルーキーが粘りの走りを見せた。3組には関カレの標準記録を狙いに箱根駅伝を経験した西山(総2=東農大二)、今西(済3=小林)、浅井(済2=一関学院)、田中龍(済2=遊学館)などの主力級の選手が出場。すでに関カレ、日本選手権の10000m標準を切っている西山はペースメーカとして終始レースを引っ張った。ラップタイム70秒を正確に刻みながらレースは展開され、徐々に先頭集団の人数も減っていく。その中でも西山のペースメイクに応えたのがルーキーの鈴木だった。「西山さんが最後まで僕のことを引っ張ってくれたので、楽しく走ることができた」と8000mで先頭集団が二人に絞られながらも、必死で西山に食らいついた鈴木。西山もたびたび後ろを振り返りながら鈴木を鼓舞し、最後まで二人で走り切った。タイムは堂々の29分17秒89、関カレ10000mA標準記録(29分30秒)を切り、レース後にはその粘りの走りにチームメイトが駆け寄った。
「29分17秒という記録は1年生のこの時期を考えればいいタイムだと思う」と酒井監督。高校時代の自己ベスト(30分39秒)を大幅に上回るタイムをたたき出し、これからの成長を期待させる走りを見せた。チームは関カレに向け士気を高めるとき。小笹主将(済3=埼玉栄)は「短距離、中距離、長距離、競歩が一丸となってトラック優勝に向かっていきたい」と語る。連覇へ向け、チームの勢いは増すばかりだ。
■コメント
・酒井監督
関東インカレ前の標準突破者を作ることと、トラックシーズンで自己ベストをしっかり狙おうとという狙い。西山はペースメーカー、練習の一環としての出場で29分20秒を目標タイムにしていたので、それをしっかり通すのも大事な経験なのでいい仕事をしてくれたと思う。それに鈴木がしっかり対応して29分17秒という記録は1年生のこの時期を考えればいいタイムだと思う。(小笹の走りについては)残り2000mが課題。それでも一昨年に比べればこの時期の中で、主将として色んなことをしながらもよくやれているほうだと思う。(関カレのメンバーについては)ハーフや10000mはこれからの練習状況をギリギリまで見て決めようと思う。
・小笹(済4=埼玉栄)
今回は28分台を出すつもりで走ったが、自己ベストにも1秒足りなくて。7000mくらいまでは良かっただけに悔しい。ここでうまく走れれば関東インカレも狙えたと思うが、層も厚いのでどうなるか分からない。(前の組の鈴木の走りを見て)1年生の中で今一番走れて、チームにもいい影響を与えている。下からの底上げというのが出来ているなと。チームの主将としてトラック優勝を目指して、短距離、中距離、長距離、競歩と力を合わせてトラック優勝を目指していきたい。
・増田(ラ4=北陸)
(今レースの出場意図は)自己ベストに近いタイムを出すこと。1分49秒、50秒を狙っていたが600mまでのタイムが遅く、風もきつかった。こないだの日体記録会の600mでは1分19秒で今レースではそれより3秒遅い22秒で入って、ラスト200mを28秒で入るプランだった。(今レースで意識したことは)ラスト200mでどれだけ切り替えられるか。腕を回してしまう癖があるが、腕をしっかり下におろして進むことができた。(収穫と課題は)収穫は腕をしっかり縦に振れたこと。ケガ明けでメンタル的にもけっこうやられてる部分があったのでそこの気持ち切り替えをしっかりしていく。(関カレにむけて)昨年は6位で終わってしまったので、3位以内を目指して頑張ること。関カレの前に静岡国際があるので、そこでいいタイムを出して関カレに繋げていきたい。
・鈴木(済1=氷取沢)
非常に辛かったが西山さんが最後まで僕のことを引っ張ってくれたので、楽しく走ることができた。最初から引っ張るからと言われて、負けずに付いていこうという感じだった。監督からはいつも通りという感じで、6大学で5000m走った感覚でいいよというふうに言われていたので、そんな感じでいこうかなと。(レースプランはあったか)本当に付いていくことだけ考えていて、いけたらというか微々たる可能性だった。5%くらい。(収穫や課題は)自分がここまでできるんだなという自信というか、まだ1年が始まったばかりでここまでいけるというところがあるからこそ、このタイムが出たというのはすごい自信になった。でもあくまでこれは西山さんに引っ張ってもらったからこその記録であり、自分がつくったレースではないのでこれが本当の記録だとは思わずに、天狗にならずに謙虚に。次は自分でレースを引っ張るくらいの気持ちでいきたいなと思う。(今後に向けて意気込みを)1年生のうちは三大駅伝に出る予定はないが、きちんとまずは夏合宿に向けての体づくりとしっかり練習を積んで秋の記録会でまた、一段と飛躍した姿を見せられればいいなと思う。
TEXT=大谷達也 PHOTO=麻生ともか、並木星夏