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2018.05.13
ボクシング

[ボクシング]リーグ戦開幕!4年生が意地をみせ東農大相手に快勝!

第71回関東大学ボクシングリーグ戦

5月12日(土)後楽園ホール


【LF】○川谷(判定)片岡●

【F】○福井(判定)中垣●

【B1】●田村(判定)北浦○

【B2】○堤(判定)松本●

【L1】●今永(判定)森坂○

【L2】○木村蓮(判定)中島●

【LW】○中川(判定)齋藤●

【W】○原田直(判定)黒柳●

【M】○田中(判定)押川●


チームの流れをつくった福井

パンチがさえわたった中川

初出場ながら圧倒的な試合を展開した田中

ジュニアチャンピオンの実力をみせた川谷

注目ルーキー堤も実力をみせた


 いよいよ開幕した第71回関東大学ボクシングリーグ戦(以下、リーグ戦)。初戦の相手は試合前から三浦監督も「厳しい戦いになる」と話していた、優勝候補の東農大。しかしデビュー戦となったルーキーたちが大活躍。また福井(営4=駿台学園)、中川(ラ4=高知)、原田直(営4=崇徳)の4年生トリオも意地を見せて、7-2と快勝。初優勝に向け、最高のスタートを切った。

 

 軽量級から7階級9試合で行われるリーグ戦。初戦のLF級にはルーキー川谷(営1=豊国学園)が出場した。「緊張と力みでいつものボクシングがなにもできなかった」と語ったが、同じ1年生相手に勝利。トップバッターとしての役割を果たした。

 F級には4年生の福井が登場。相手は「年下だけど格上」と警戒していた全日本ボクシング選手権(以下、全日)で3位の中垣(東農大)だ。スーパールーキー相手に福井のパンチの多くがヒット。最後はキャリアの差をみせつけ5-0で相手を圧倒して勝利を収めた。三浦監督も今日のMVPと語った福井の試合がチームに一気に勢いをつけた。

 B級には田村(ラ2=崇徳)が出場。昨年の全日本ランキング1位の相手に積極的に攻めるが惜しくも白星を逃した。大声援の中、登場したのは、昨年高校生ながら全日優勝を果たした堤(営1=習志野)。「全体的に動きが固かった」と振り返ったが危なげなく試合を進め勝利を飾った。続くL級には堤と同じく今年鳴り物入りで入学した今永(営1=王子工)が出場。相手はリオ五輪の代表でもある東農大のエース森坂(東農大)だ。試合開始のゴングとともに果敢に挑み一進一退の試合が続く。オリンピアン相手に引けを取らない試合を展開したが、審判が挙げたのは森坂の手だった。敗戦とはなったが「収穫のある負け」であったことは間違いない。次戦での活躍に期待したい。

 ここまでチームは3-2。ますます会場も白熱するなかエース木村蓮(営3=飛龍)が登場。2Rで目の上をカットするアクシデントに見舞われるも判定勝ちを収めた。チームとしての勝利まであと一勝。お馴染みの番長コールで登場したのは中川だ。格上の選手相手に長いリーチを活かしたパンチで試合のペースを完全に奪う。「今までで一番いい試合だった」と振り返る100点の試合でチームの勝利を決めた。東農大戦でのヒーローは間違いなく中川だ。

 W級には主将の原田直が登場。4年生の福井や中川に続いて最後に意地をみせ勝利を飾った。最後のM級に出場したのは田中(文2=享栄)。近距離の打ち合いも一歩も引かずボディーブローを次々と決め勝利。リーグ戦初出場であったが「とにかく楽しかった」と振り返った。今回最重量級での起用となった田中だが高校1年生時の階級はLF級。成長の続く田中に注目だ。

 

 昨年2位と過去最高順位タイで終えた東洋大が今年目指すは優勝のみ。リングに上がる選手だけでなく三浦監督が「第三のパンチ」と語るリングサイドからの応援も東洋大の強みだ。主将の原田直も勝因は応援と振り返る。初戦ながら圧倒的な団結力をみせつけた東洋大の次戦の相手は昨年敗北を喫した駒大。初優勝への激闘は始まったばかりだ。

◾︎コメント

・三浦監督

この選手にこの選手を当てたいとかは思うようにいったが、確実に勝てると計算できる対戦が少なかったので5点をどう取っていくかが勝負だった。なのでLF、F級で2連勝出来たのは非常にチームに勢いをつけたし、応援もそれで波にのったので後の選手が気持ちよく試合が出来たので非常に良い展開だった。(初戦の川谷は)1年生同士の戦いとはいえ、ジュニアのLF級チャンピオンだからチャンピオンの意地をみせれた。要所要所でワンツーが決まったので固さはあったがポイントをまとめていて非常によかった。堤はロシアでの国際戦を控えているが、いなければ困る選手なのでケガ無く終わってくれてよかった。明白な勝ちへ持っていけたことはやはり能力の高さが、ある選手だなと改めて感じた。(同じ1年生の今永選手は)相手はリオ五輪代表の森坂選手だが、ガンガンいけて互角の戦いを出来たのは収穫だった。負けても非常に収穫のある負け方だった。4年生がどう仕事をするかが、今回のテーマだったがそこでの3勝。特に、F級の福井の調整がよくいった。スーパールーキー相手にキャリアの差を上手くみせた。後は気持ち。気持ちが前面に出て勝ったというのは、今日のMVP。後は中川も相手の齋藤はものすごい強い選手だが、自分のボクシングを3分3R全て中川のペースで出来た。非常にリラックスして良い調子で試合ができたことが勝因。田村はF級が本来の階級だが戦略でB級に起用した。背は小さいがコツコツしっかりしたボクシングをするので今日は負けてしまったが、悪い負け方ではなかったし頑張ってくれた。(木村蓮選手は)1Rは互角か取られたかなという気がしたが、2Rはしっかり取っていたので良かった。(M級の田中は)M級にしては身長はそこまで無いが、スピードがある選手でコツコツ手数も出る。しっかり手を出して、ガードを絞ってコントロールしてやってくれた。(試合全体を通して)第三のパンチと言ってる応援も1つの武器なので徹底的にやっていた。東農大相手にこれだけの差をつけて勝ったというのは90点はあげられる。優勝候補東農大に勝ちましたが、ここで気持ちが浮ついて次負けるとかそういうことがあるのが、このリーグ戦なのでしっかり一戦一戦集中してどの大学相手でも全力でベストを尽くして勝っていきたい。

・中川(ラ4=高知)

最高でした。今までで一番いい試合だった。全日も国体もすごくダメだったが、その分成長した。去年はライト級での減量がとてもきつかったが今年は簡単に減量できた。体調も良かったし体の動きも悪くなく調整がしっかりできていた。(対戦相手が齋藤麗王(東農)だと知った時は)正直名前もあるし、格上というのもあって、確実に勝たないといけないなと思った。でも気持ち的には「楽しもう」と思いながらやった。もっとガツガツくるかなと思っていたが、しっかり自分の距離で支配できたから(相手が)したいことをできないように、できないようにって試合を運べたのが一番良かった。中間距離は苦手で課題としていたが今日は良くできた。相手が前に前にと出てきても打ち勝てたし、遠くの距離ならきちんといなせたので近くでも遠くでも勝てた。正直東農戦は厳しい戦いだと思っていたが、圧勝できたのは応援の力もあると思う。関係者の方々も東洋大の勝利を見たいと思うので、その想いに応えたい。あとは去年は逃してしまった階級賞を最後のリーグ戦で取りたい。

・原田(営4=崇徳)

(今日の試合は)5ー4とかでどっちが勝ってもおかしくない試合だったが円陣では今日は祭りだと言った。あまりプレッシャーを感じて固くなってしまうとよくないので祭りだから楽しんでと声をかけた。その空気がちゃんと出ていた。見ていても楽しかった。(自身の試合については)最低だった。パンチの距離は合っていたが、その後の引きがよくなくて距離が上手くなかったので30点くらい。勝ったので良かったのかなという印象。(勝因は)応援と自分の試合までの他の選手の流れのおかげだった。パンチを打った後の距離がバラバラだったのでそこをしっかり修正して一方的にくっつかないで打って離れてが出来るので自分のベストの動きができるように修正していきたい。(MVPを他の選手にあげるなら)試合に出た選手はみんな良かったから、誰とは言えないので応援。応援は本当に良かった。チームに勢いを大事にしていこうと言っていたので、それが出た応援だった。次の駒大は昨年負けてしまった相手なので、なんとしてもリベンジしないといけない。優勝するにも全勝しかないので、次は9ー0で勝つくらいの気持ちで今日以上の気持ちで臨みたい。

・福井(営4=駿台学園)

(試合を振り返って)もう少しパンチ当たらないかなって思ったんですけど、思ったよりもはまった。(アジアのユースチャンピオンが相手だったが)年下だけど格上だと思ってやっていた。自分の方が年上だけど挑戦者だよ、みたいな感じでいきました。(今回勝てたことについて)農大は強豪なのでいい流れに乗ったと思う。4年生としてリーグ戦最後なので悔いのないように出し切りたい。次戦も気合い入れていい意味で気楽に頑張る。

・木村蓮(営3=飛龍)

減量がちょっと間に合わなくて2日前から水分を控えるようにしていたり、実践練習不足だったりで、久しぶりの試合ということもあり全然相手との距離がつかめなかった。自分のリズムもできなくて、打ってくっついてを繰り返して見映えをどうにか、という試合だった。結果として勝てたのはチームに貢献できたし良かった。次戦までには調子を取り戻して、周りも盛り上げていけるように。今回のボクシングじゃダメだからもっと練習して、自分の動きをできるようにしていく。

・田中(文2=享栄)

楽しかった。個人戦と違って応援もすごいのでワクワクしたし楽しくできた。勝因は日頃の練習と気持ちの強さ。ボクシングは技術も大事だが気持ちも大事だと思う。気持ちの強さなら誰にも負けない。ボディーブローが両方よくきまった。そこでどんどん相手の攻めが削れていった。高校1年の時はLF級で、そこで初めてインターハイに出場した。そこからインターハイには出れなかったが、東洋大に呼んでもらえて少しは恩返しができたかなと思う。普段は1つ下の階級だが、まだまだ強い選手は周りにいる。ても今回打ち合ってるときにそんなに差は無かったのでこれからもどんどん筋力アップをして、頑張ろうと思う。(最後の対戦となるが、それまでの対戦を見ていて)励ましになった。気持ちも楽になった。出れるのであれば全勝して優勝に貢献したい。


・川谷(営1=豊国学園)

緊張と力みでいつものボクシングもなにもできなくて、ただただ気持ちで勝てたような試合だった。(いつものプレースタイルは)前の手を使って、ジャブを起点に作っていくのが自分のボクシングだが、今日はジャブも出なかったし、単発になっていたから全然だめだった。(初のリーグ戦出場ということで)高校の試合とは話にならないくらい雰囲気がすごくて、お祭りって言うような騒ぎだった。(初戦は)プレッシャーだった。初戦が負けてしまったらズルズルいく場合もあるし、そういう不安や葛藤があった。やっぱり力んだし、プレッシャーも感じたので動きもすごい悪かった。(次戦に向けて)今日みたいな試合は自分の中でも0点みたいな試合なので、立て直して、あと2週間も調整してしっかりやって頑張りたい。

・堤(営1=習志野)

全体的に動きが固かった。アップの時点で体がつってしまいそうになって、あまり激しくできない感じだったが、その中でも自分のできることをしっかり最後まで貫けた。内容は良くなかったがしっかり勝ち切れたので良かった。(勝因は)気持ちと、一発一発のパンチの見せ方だと思う。そこはきれいに入れられた。(課題は)たくさんある。体調管理だったり、試合までのベストコンディションの持って行き方がまだまだあまいので、減量だったり、そういうところをもう一回見直してやっていきたい。(チームの雰囲気は)応援も他の大学よりも絶対に東洋大が1番盛り上がっていると思うので、その応援が力になった。(次戦に向けて)もっと体調管理をしっかりして自分のベストな力を出せるように、そしてチームの勝利に貢献できるように頑張りたいと思う。


TEXT=梅山織愛 PHOTO=松井美乃、中村緋那子、岡村珠里